兄さんな。合コンに行こうと思うんだ。20
「それってどういう意味です……?」
「どういう意味もない。俺は純が好きだからな。男として」
ひえ……。
冗談ですよね?と問いかけたい所ですが、完全にヨシノブの目は血走っています。
これは言葉を選ばないと、まずそうです。
「な、なるほどぉ……恋は自由ですからねぇ……」
私はできるだけ目を合わせないよう明後日を見ます。
「あぁその通りだ花ちゃん。純と俺は親友という形。純と花ちゃんは兄妹という形。もっとも近い存在だが、恋愛となると最も遠い存在となる。皮肉な話だよな」
なにちょっと湿っぽい話してんですか。背負ってるついでに兄さんの尻を揉むな。
「へ、へえ……。でも今世界はLGBTに寛容ですし……。兄さんのどこが好きなんですか……?」
「おぉ……それは沢山あるとも!顔もイケメンだし、背も高い。切れ長で頭も良い。匂いも好みだ。そしてなによりも『純心』なところだ。これほど性知識がなく汚れがない人間はいない……!ずっと好きだった……!」
ヨシノブは涙を流しながら兄さんの尻を掴む手に力を込める。
――――追い詰めた犯人が自供し始めたみたいな展開になりました。
こういう展開は犯人がヤケになり自死したり、周りの人間を殺したりするのを金田一で観たので、私は怯えながらヘコヘコ相槌だけ打つことに専念します。
これが本当の恐怖なのですね。兄さん。




