兄さんな。『おちんちんむずむず病』かもしれない。
私にはたった1人の兄さんがいます。
頭脳明晰で冷静沈着ですが、昔から面倒見も良く自慢の兄です。
そんな自慢の兄にも唯一の【弱点】があります。
それはまるで生まれたときからジャングルで育てられた狼少年よりも性知識が乏しいことです。
――ただ、それは兄にとって【弱点】ではありますが、【欠点】とは思いません。
兄も22歳で今年大学卒業です。ここまでどうやって文化的に生きてきたのか。とか野暮な考えは差し引いて、性知識欠乏は兄の魅力といってもいいでしょう。
「花ちゃん。入るよ」
ドアのノック音が三回なり、いつもの兄の声がドア越しに聞こえる。
「どうぞ」
「あぁ、受験勉強中だったか。また後にするよ」
「いえ。休憩中ですから」
兄の事を考えていたら2時間くらい休憩してしまっていました。
「そうか。そうだ花ちゃんそしたらおやつにしよう。糖分は頭の働きを促進させるからな」
「わーい。おやつにしましょう。なにがあるんです?」
「『クイニーアマン』と『ちんすこう』があるぞ」
んー。セクハラか否か審議中です。
どんな常識的で健全な一般人でもこの2つを同時に出されたら、一瞬でも脳裏に類似した下ネタを思い浮かべるでしょう。おそらく性から最も離れた存在『農家のお婆ちゃん』ですら連想してしまうはずです。
入手がその辺では絶妙に難しく、狙わずして純粋にこの2つのお菓子を出してくるだなんて、不可能に近いはず。
ただ、兄さんだ。兄さんに限ってそれを『エロワード』とは認識してないはず。軽い奇跡が起きたのでしょう。
「あ、いただきます」
「あっ冷蔵庫に『マンゴスチン』もあったな」
……はい。アウトです。まだ『クイニーアマン』と『ちんすこう』は下ネタとしては単体。
ただ『マンゴスチン』は二種の下ネタが混ざっています。もはや『セックス』といっても過言ではありません。
ただ兄さんは完全に素。妹だから分かります。前回のダウジングの奇跡くらいのことは起こしてみせるのです。
なので、私も変に意識しては兄さんに心配されてしまいます。
「ほえほえー。それもいただきますぅー」
はい。エロに無頓着なバカ女を演じてみました。




