紹介
リントとイクシルは、馬車と白い女騎士を追いかける。
馬車の上を飛んだ。
馬車の小柄な女騎士が、笑顔を見せながら帝国式のハンドサインで
「ありがとう」
「気にするな」
と送り返す。
街道の先に広場が見えてくる。
白い大柄な女騎士が、
「広場で休憩する」
とハンドサインで送ってきた。
広間に入った馬車と白い女騎士の近くに着陸させる。
馬車は要人警護用の特殊仕様だった。
馬車の扉の左右に180センチ近い女騎士と小柄な女騎士が、臣下の礼をして座る。
馬車の中から侍女が先に下りて、扉の横で臣下の礼をした。
馬車から、十代前半の美少女が下りてきた。
身長は150センチくらい。
エメラルドグリーンの目が美しい。
「ハナゾノ帝国第五皇女、タンデライオン・ロンリコである」
(皇女さまっ?!)
失礼にならないように、平静を装う。
「リント・ドラゴンテイル・メーカーズマーク、皇立科学学院の学者です。この一帯のモンスターの分布調査をしているところでした」
リントは、皇立科学学院の校章が表面に掘られた懐中時計を、懐から見せた。
「ほう、リントといえば竜騎士の名門ドラゴンテイル家の出でありながら学者になった変わり者か」
臣下の礼を解いて3人が並んで立つ。
タンデライオンが三人を紹介するように、横に手を振った。
茶色の髪をポニーテールにしている、身長170センチくらいの侍女服を着た女性が、すっと頭を下げた。
たれ気味の茶色の目。薄い褐色の肌。
「リリアナ・ラガブーリン」
無表情に言った。
身長165センチくらいで、オレンジ色でショートカットの髪をソバージュにしている女性が、軽く手を挙げた。
瞳の色は薄いオレンジ色。
「私は、マーガレット・マッカラン」
完全なカーテシーを見せながら優雅に言う。
確か、マッカラン家は中央の大貴族だったはずだ。
身長180センチくらいの女性は、ナイトシールドを持ち、腰に先端が扇状で肉厚のバスタードソード(皇国陸軍の制式採用剣)を差していた。
茶色の髪を編み込んでアップにしている。
たれ気味の茶色の目に薄い褐色の肌は、リリアナとよく似ている。
白いノースリーブのワンピース。
ひざ下くらいの長さのガードドレス。
肩が見える、長手袋。
ひざ上の、ロングブーツ。
スレンダーなモデル体型。
鍛えられているが、女性的な特徴は失わない。
(いいな。結構、好みだ)
リントはまじまじと、アイリスを見てしまう。
「アイリス・ラガブーリンです」
「白百合騎士団団長です」
アイリスは、リントのことを疑っているようだ。声が少し硬く聞こえた。
帝国の女性貴族は、花の名前を付けるのが一般的です。