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緊急発艦

 ロワーデッキに降りたアマリリスは、真っ先に前後のカーゴベイを全開にする様に指示した。

 次に詰所に残っていた団員に、馬と詰所の荷物を載せることを指示した。

 その間に飛行艦上部の見張り台からパン、パン、パンとピストル式の信号弾が上がる。

 幸い詰所には備蓄食料が少しと団員の私物(団長の趣味の編みぐるみとか)しか置いていなかった。

 馬と詰所の荷物を載せ終え、休暇中に街に出ていた人員が帰ってくるのに2時間。

 前後のカーゴベイを閉じて発艦準備を完了した。


 術式用の杖を持ったアマリリスは、ブリッジ中央の伝声管に

「副団長から告げる。タンディ皇女が襲撃された。現在東方辺境伯領に逃亡中とのことだ。騎士団は臨戦態勢をとれ。本艦は、辺境伯領に向かう。これより緊急発艦を行う。以上」

 こげ茶色の制服に、胸に帆船のマークを付けた男性の操縦士長に、「緊急発艦用意」と言った後、ブリッジ中央にある、宙吊りの椅子に腰かけた。


「起動」

 豊かな胸に杖を挟むように持ち、小さくつぶやいた。


 足元の円形の木の板の上に、2重に術式陣が浮かび上がる。同時に、左右の術式モーターの周りにも1重ずつ浮かび上がった。

 2重の術式陣がお互いに、反対方向にくるりと回る。それに呼応してモーターの術式陣もまわり、それを追うように、左右のプロペラが、両方とも、艦の外側に向かって回り始めた。


 起動術式により、通常の3分の一の時間で、飛行可能になった。


 アンカーを収納し、ローター角40度で上昇する。

 襲撃を受けてから2日、午後3時ころのことである。

飛んでいく姿を、ローズ殿下が見ている。

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