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第十一話 ②


 そして私達は今、秘密基地の大浴場にいるのであった。



 かぽーん。



 大浴場というだけあってかなり広い。立派だ。ライオンの像からお湯がザバーと出ているところにこだわりを感じる。お湯もなんか紫色だし。


 カエルの魔人であるマルマッドさんとお兄ちゃんが何だかバシャバシャ楽しくやっている。は虫類と両生類で何かしら親近感があるのだろうか?


 ちなみに、この世界の大衆浴場は男女混浴であり、普通にみんな一緒にお風呂に入るのだ。まあ魔人には普段から真っ裸の人もいるからね、オスメス気にしてもしょうがないね。


 私もみんなでお風呂入る方が楽しくて好き。


 それにしても驚きだったのが、レジスタンスのメンバーが全員で六人だったことである。しかもこの数字に私達兄妹が含まれているのだ。私達いなかったら四人なの? てか少な!? 六人でも少なすぎるよ!? 最初は私達のことを信頼できるまで仲間を隠してるのかと思ったけど、本当にこれで全員らしい。むむむ。


 ファロンちゃん、マルマッドさん、コロンちゃん、執事さん、私、お兄ちゃん。うーん……この組織大丈夫だろうか?


「カジュ様……お待たせ……」


 ファロンちゃんがぽへーっとして湯船にやってくる。


 先ほどまで執事さんにごしごし身体を洗われていたのだ。よほど気持ち良かったのかな? 顔がぽへーっとなっている。


「コロン様、お待たせしました。ではこちらへ……」


「はーい、です!」


 コロンちゃんが洗われに行った。嬉しそうだ。執事さんはよほど身体を洗うのが上手いんだね。私もあとで洗ってもらおうかな?


「コロンちゃんって、いい子ですね」


「はい……私の自慢の妹……」


 コロンちゃんは執事さんに泡まみれにされて、泡だるまになっている。よく見たらすごい泡の量である。なんだあれ? 執事さんのスキルか?


「妹を守るためにも……シュラを倒さなくてはならない……」



 ──シュラ。


 種族・サタンオーガ。


 五大魔王の一人。


 この国、オーガスの魔王である。



 とにかく戦闘を好むシュラについた二つ名は『戦狂』。誰かと戦うのが好きすぎて隣国に片っ端から戦争をしかけているそうだ。現在は東国と戦争中。


「隣国の魔王達はシュラの実力も性格も分かってる……なるべく関わりたくないと思ってる……だから交渉自体は簡単……」


 他国になるべく迷惑をかけないようにファロンちゃんが根回しして、だいたい三ヶ月のスパンで休戦と宣戦布告を行い戦争相手を代えているらしい。ローテーションしているのだ。東国→南国→西国→北国→東国。これで他国の消耗は押さえられる。なにそれ、どんな戦争なの? クレイジーすぎだよ。


「戦争が続けば国が疲弊する……この国もどんどん弱ってる……民も、もう限界……」


 そりゃ年がら年中、戦争をしていたら国も弱るだろう。食糧問題もあるし、連れ回される兵士達だっていい迷惑である。


「ファロンちゃんも大変なんだね」


 おそろしくアホな王だなー。国民のこと考えてないし。ファロンちゃんの心労まじヤバい。ファロンちゃんかわいそうである。


「でもさ、そんなにうざい王なら、他の魔王全員で協力して殺しちゃえばいいじゃん?」


 お兄ちゃんが横から聞いてきた。マルマッドさんの頭に乗っている。すごくツルッとした頭で乗り心地は良さそうだ。


「いや、ゲッコーくん。それは無理だケロ。シュラは五大魔王最強にして頂点。他の四人の魔王が束になっても勝てないケロ」


 マルマッドさんはすごくイケメン声だった。


「へー、そんなになんだなー」


「シュラは強い……それが一番の問題。この国の民をすべて殺し……国を滅ぼしても……シュラは止まらない」


 他国からすると、戦争する意味がまったく無いんだね。やろうと思えばこの国の領土を取るのは簡単だと思う。しかしその後、自分の国にシュラが単身ひたすらケンカを仕掛けてくるとなったら悲惨でしかないわけだ。


「なんとも迷惑なヤツだな。ちゃんと倒す方法はあるのか?」


「ちゃんとは……ない……」


 つまり、ちゃんとしてない方法ならあるわけだねー。


「倒す方法はありまーす! です!」


 どばしゃーん! と、コロンちゃんがお風呂に飛び込んできた。


 うわー、水しぶきがー。


「おねーちゃんのスキル『破防の魔眼』なら、シュラを倒せるでーす!!」


 コロンちゃんはぽへーっとした顔をしながら、元気に両手を上げた。


 うーん……気持ち良さそう……


 決めた!


「とりあえず、私も体洗ってもらってくる!」


 勢いよく湯船から立ち上がった。


 執事さんを見るとニッコリ笑ってくれた。


 早く、ぽへーってなりたい!



 ………………


 …………


 ……



 ぽへー。


 ぽへー。


 ぽへー。


 ぽへー。


 ぽへー。


 ぽ──はっ!? しまった!


 完全に意識を失ってた!



 完全にぽへってた!



「──はわ! そういうことで、シュラを倒せるって寸法です!」


「なるほど、分かった! 僕だいたい分かった!」


 しまったー。全然聞いてなかったよー。みごとにぽへってたよー。何も聞いてなかったよー。お兄ちゃんのあのウソくさい相づちだときっと理解してないよね? 聞くのは無理そう。むむむ、どーしよ。


「それが私達の切り札……唯一の勝ちすじ……」


 よし、あとでこっそりファロンちゃんに聞いておこう。ぽへってたと言えば分かってくれるだろう。ぽへ仲間だし。


「つまり、なるべくシュラ一人だけを相手にする状況を作らなくてはならんケロ。そこで俺の『泥兵』の出番ケロ」


 マルマッドさんの泥兵?


「俺のスキル『泥兵作成』は泥兵を作り出すスキルだケロ。しかし泥兵だけでは動かないケロ。燃料が必要ケロ。」



ーーーーーーーーーー


『泥兵作成』

[泥で兵士人形を作り出す。魔石を燃料として使用すれば自動操縦も可能。魔石の質により強さが変化する]


ーーーーーーーーーー



「はわ、だから魔石を奪ったです!」


「なるほど。泥兵の燃料にするために魔石を強奪したんだな」


「そうケロ。俺は決戦の日に向けて、今もコツコツ泥兵を作成してるケロ。目標は500体ケロ!」


 500体ものゴーレムを王都に放ち、混乱している隙にシュラとの決戦に挑むんだね。なるほどー。


「まだこちらの戦力を増やす手は残ってる……四人には任務を頼みたい」


「はわ、お姉ちゃん! 任せてくださいです!」


「親方様、お任せ下さい」


「よーし、カジュ! 僕達もがんばろうなー!」


 むむむ。


 なんか、ぽへーってなってた間にどんどん話が進んでいて申し訳ないです。あとでファロンちゃんに謝っておこう。任務がんばります……


 ぽへ。









(o^-^)o「解説回は風呂に入れろと昔のえらい人が(2回目)」

 


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