表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺しの星辰《ほし》リメイク  作者: ネツアッハ=ソフ
死病遣いと死神殺人鬼
5/66

閑話、不穏な影・・・

 その頃、王都(おうと)の中央。王城の最奥玉座(ぎょくざ)の間にて・・・


「何と?死病の封印が()かれただと・・・?」


「はっ、つい先程封印の洞窟に(ぞく)が侵入しました。如何様に?」


 玉座に座る初老の男、アルカディアの国王であるラピス=アルカディアは眼光鋭く問い返す。その問いに答えたのは深くフードを被った魔女、宮廷魔術師のクリスだ。


 死病の封印が解かれた。その言葉に、玉座の間に居並ぶ近衛の騎士達が軒並みざわつく。だが、当の国王であるラピス本人は至って冷静だ。冷静に物事を判断し、状況を推察(すいさつ)する。


 一国の国王たる者、決して取り乱してはならない。それは、ラピス本人の矜持(きょうじ)だ。


「その死病の封印を解いた者は何者か?」


「はっ、水晶球の映像を見た所、その賊は黒い外套(コート)を纏った白髪の少年かと・・・」


 白髪の少年。その言葉に、再び周囲がざわつく。少年が、死病の封印を解いたという。無論、封印された洞窟には幾重もの魔術的な(わな)が仕掛けられている。それをかいくぐって、少年が突破したと。


 ありえない。何かの間違いでは?そんな声が玉座の間に響き渡る。そんな中・・・


陛下(へいか)っ!俺にこの場を(あず)けて貰えませんかっ‼」


「ふむ、ターコイズ卿。何か(さく)はあるか?」


 声を上げたのは近衛騎士団の一人、ターコイズだ。ターコイズは脳筋(のうきん)で有名だが、しかし同時に義に厚い者として有名でもある。早々に判断を間違える事も無いだろう。これは、ラピスの認識だ。


 ターコイズは臣下(しんか)の礼をすると、そのまま発言した。


「はっ、俺が封印を解いた者を直接見て来ようかと存じます」


「ふむ・・・・・・。ならば、情報を持ち帰る事に専念せよ。無論、無謀な真似は厳禁(げんきん)だ」


「はっ‼」


 そう言って、ターコイズは立ち()った。それを、じっと見詰めるクリス。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「どうした?クリス・・・」


「いえ、何でもありません。陛下」


 そういって、クリスは立ち去った。その後ろ姿を、国王は疑わしげに(にら)んでいた・・・


          ・・・・・・・・・


「少し、()いですか?ターコイズ卿」


「む?何だ、クリス殿か・・・」


 ターコイズに声を掛けたのは、宮廷魔術師のクリスだった。ターコイズは(ほが)らかに応対する。


 しかし、当のクリス本人は表情が硬い。何か、思案(しあん)している雰囲気だ。それを一瞬訝しんだ、その瞬間彼の脳天に激しい火花が散った。ような感覚がした。


 クリスの(つえ)がターコイズの頭部を軽く小突いた為だ。軽く小突いた。それだけでこの衝撃。そのあまりの衝撃の強烈さに、思わずターコイズは膝を着いた。見ると、クリスは暗い笑みを浮かべている。


 その笑みに、ターコイズはゾッとした。あまりにも(やみ)が深い笑みだった。


「クリス・・・貴様っ・・・・・・」


「少しの間、貴方には人形(にんぎょう)になって貰いますよ?」


 次の瞬間、ターコイズの意識は闇へと(しず)んでいった。

・・・・・・やべえ奴だ(;゜Д゜)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ