表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

コツハミ様1

――昇陽のマンション。


『ただいまー』


睦月が大量の食材を抱えて帰ってくる。

一週間分の食材だ。


パタパタとリビングから昇陽が駆けてくる。


「また随分買い込んだのう」


『どっかの誰かさんがちっこい癖に洒落んならんくらい食うからな』


「ちっこい言うでないわ! お主の飯がうますぎるのが悪いんじゃ!」


作る側としてはそう言われてうれしくないわけではない。


『……ふん』


睦月は頬を右手の指で軽く掻きながら視線を逸らし、買い物袋を一つ持ち上げる。

もう一つは昇陽が持った。


台所に立った睦月は昇陽のおいしそうに食べる姿を思い出しながら食事を作る。

出来上がった料理を皿に盛り付けてリビングに運び、二人は手を合わせた。


『「いただきます」』


今日のラインナップは筑前煮とほうれん草のお浸し、それにナスの味噌汁と大根の漬物と言った和食である。


「んー、やはりお主の飯は最高なのじゃ」


「ほんと凄いおいしい」


「こりゃいいお嫁さんになれるわ」


どこかで聞いた事のある声が聞こえる。


『……ちょっと待て』


食卓には昇陽と睦月、そして見慣れぬ二人がおかずをつついている。

睦月は軽く目をこすってもう一度その二人を見る。


そこには約一か月ぶりの友梨佳となずなが居た。


『……なぜ居る、というか何故今まで気づけなかった』


「ちっちっちー、気配を断つのは潜入の基本だよチミぃ……アイタっ!」


友梨佳の態度が何かムカついたので睦月は少しだけ遠慮なしのデコピンを放った。


「イタァい!? なんで? なんでアタシも!?」


ついでになずなも食らわせといた。


『で、いつ来たんだ?』


ご飯出来た辺りからいたよーと二人は言う。

昇陽の隠形術だろうかと彼女を見るが首を横に振った。

というか彼女も驚いているようだ。


『オートロックなのにか? ……不法侵入は犯罪だぞ、帰れ』


その発言にぷっくりと頬を膨らませる友梨佳。

対して少し申し訳なさそうななずな。


「折角退院したのにさー、その言い分は無いんじゃない? お見舞い来るって言って結局あの一回だけだったしー」


「ごめんね、友梨佳がどうしても昇陽(・・)ちゃんの家で退院おめでとう会やりたいって。

もう一ヶ月近くたってるから今更どうなの? って言ったんだけどね」


自分の退院を自分で祝うというのはどうなのだろうか。

それよりも気になったのは。


『昇陽、話したのか?』


「ん? おお、そういえばあの時お主は見舞い品の買い出しでおらんかったな。

うむ、話したぞ」


『軽いな……秘密じゃないのか?』


その言葉に昇陽は何を言っている? とでも言いたげな表情を浮かべる。


「言ったであろう? 場所は秘匿されておるが存在は隠されておらんと」


『そういえばそうだったな……まあいい、とりあえずお前らの分もご飯よそってくるから待ってろ』


その言葉にいつ入り込んだのかわからない二人の暗黒物質生産者は喜んだ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


にぎやかな食事を終えてリビングでくつろいでいる三人。

ズズっとお茶を啜った昇陽が客人の二人に語り掛ける。


「で? 今日はまた何用じゃったのかの。

退院おめでとう会なんぞ建前なんじゃろ?」


「あはは、やっぱりわかる? 友梨佳がさ」


なずなの言葉を遮るように友梨佳は鞄から一枚のパンフレットを取り出した。


「ジャーン! ここ、ここに行きたいんだけど昇陽も一緒にどうかなって」


「何々……方史路村農家体験宿泊? なんじゃコレは」


「方史路村で田舎体験しながらのんびりできる宿泊ツアーだよ」


『へぇ、畑手伝ったりするんだ。

面白そうだな』


睦月は特に何も思ってはいない。

だが、昇陽は。


「どうせお主のことじゃから何かしらの伝説やうわさがあるんじゃろ?」


心霊スポットなどの場所をめぐるという動画を配信している二人なら単純に旅行のようなことがあるはずがない。


「えへへ、バレた? ここって化け物から村を救った神様をかたどった人形が祭られてるらしいんだよね。

その話を聞きたくてさ」


「うちらにしたら大事な収入の為だけど、さすがに昇陽ちゃん誘うのはどうかと思ったんだよアタシは」


「いや、ほら……また……さあ」


友梨佳の言葉が歯切れ悪くなる。

その理由も察しはついていた。


「要するに保険が欲しいんじゃろ?」


今まで遭遇したことが無かったからそんな意識は無かったが前回怪異に巻き込まれてからは動画の方が少しストップしているらしい。

行きたくても二の足を踏んでしまう。

けれどチャンネル登録してくれた人たちのことや収入を考えればこれ以上新作を上げないわけにもいかない。

なので今回何かあっても大丈夫なようにと昇陽の下へ訪れたわけである。


「……まあいいわい、友達の好じゃからの。

本来なら仕事にしてもいいが今回はタダで請け負ってやろう」


『といいつつ友達とお泊りが楽しみなんだろ? ツンデレめ』


「うっさいわ!」


「やったー! ありがとう昇陽」


「恩に着るよ」


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


――方史路村へ続く小道。


そこを一台のバスが通る。

ツアー用の送迎バスだ。

バスの中には昇陽たち四人のほかに四人乗っている。


いかにもめんどくさそうな面持ちで不機嫌を隠そうとしない男。

それを窘めている女。

この二人はカップルだろう。

どうやら男は行きたくなかったらしいが女がどうしてもと押し切った形で連れて来たようだ。

会話の中身からはそのような感覚を受ける。


他は何やら資料のようなものを手にブツブツとつぶやいている学者風の男。


それどどこかくたびれた印象を受ける女。

都会でなにやら疲れたのだろうか。

放っておけば今にも死にそうである。


「あ、お地蔵さん」


「地蔵菩薩は村の境界線の役割を担っていたと言われておる。

あとは旅人や所用で出かける村人が道に迷わぬように、大事に至らぬようにという意味もある守り神じゃな。

ついでに言うと妖の類が村に入り込まないようにするという役割もあったのじゃ」


「へー、さすが昇陽ちゃんだね」


「なずなよ、いい加減「ちゃん」は止めぬか? 同い年じゃろうに」


「別にいいじゃん、それにアタシまで昇陽って呼んだら見てる人は友梨佳とアタシどっちが喋ってるかわからないよ?」


「何をわけのわからんことを言っておる?」


此方は和やかな雰囲気で風景を楽しんでいる。

バスが地蔵を越えた。


――ドクン。


「!!」


『!?』


何か得体のしれない感覚が昇陽と睦月を襲う。

二人は顔を見合わせる。


「(睦月、今のを感じたか?)」


『(ああ、なんか変な気分だ……理外の者か?)』


「(いいや、結界の類じゃ……じゃが正体がつかめん……このツアー、なにも起きなければ良いが……)」


一抹の不安を残し、バスは村へと到着する。

バス停には案内の村人が居た。

ココからは荷物を積みかえてトラックで宿泊予定の民家まで向かう。

その際にバスの運転手が一言呟いた。


「……御達者で」


昇陽はその言葉に違和感を覚え、運転手に尋ねる。


「どういうことじゃ?」


運転手は聞かれたことに対し少しだけ苦い顔をしたがコッソリと昇陽に耳打ちする。


「私は何度もここを訪れてます、今まで何人も送ってきました。

ですが……誰一人帰ると言わないのです。

ですから……」


「それは真か? 例えばあのように嫌がるものでもか?」


「ええ……最初は嫌がっていても迎えに来た頃には村人として生活するからと……。

一応三日後には迎えに来ますがね……今回もそうだろうと……」


「例外なく全員がか?」


「……はい」


「……あい分かった……引き留めてわるかったのう」


「いえ、聞かれて困ることではないですから。

それでは」


「うむ」


そういうと運転手はそそくさとバスに乗り込み、来た道を引き返していった。

昇陽は考え込む。

なぜそのようなことが起きるのだろうか。

よほど過ごしやすい場所なのか。

それとも離れ難い何かがここにあるのか。

答えは不明。


(この結界が原因か? ……虎穴に入らずんば虎子を得ず……かの)


「昇陽、早くー」


「置いて行かれるよー」


『もうお前の荷物も積んだから後はお前だけだぞ』


「おお、すまない。

今行く」


荷台に荷物と人間四人で二台。

軽トラックは村の奥へと進んでいく。


10分ほどで宿泊予定の民家にたどり着いた。

元村長の家らしく他の建物よりは大きい。

今は村人の誰も使っていないようで、せっかくあるのだからと民宿がわりに使用しているらしい。


玄関を潜り抜けたカップルが悲鳴を上げる。


「ひぃ!」


見ればシューズラックの上に精巧な……それこそ人間の子供と見間違いそうなほど精密なつくりをした人形が鎮座していた。


「それは我が村を守ってくださったコツハミ様を象った人形です」


案内をしてくれた親父さんが説明をしてくれる。


「コツハミ様じゃと?」


「ええ、コツハミ様は我らの先祖を守ってくださいました。

ですから我々の村ではコツハミ様の子供を各家で守り神として祭っているのです」


「その……コツハミ様の子供……ですか?」


友梨佳が尋ねる。


「ええ、コツハミ様のお身体は村の中心にあるお堂に大切に納められています。

荷物を置いたら見に行きますか? 詳しい話もよろしければそこで」


「「「「是非!」」」」


『うん?』


友梨佳となずなはいい。

声が二人分多かった。


見れば学者風の男と幽霊のような女がキラキラした目で食いついていた。


「どうやらあの二人はあっちと同類のようじゃの」


『……の、ようだな』


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


結局あのカップルも女が無理やり連れて来たようで全員でお堂の前に来る。

宿泊予定の民家からは徒歩で15分と言ったところなのでそこまで遠いわけではない。


「なずな……なんか寒くない?」


「うん、確かに寒いね」


二人は何か感じ取っているのだろうか。


『昇陽』


「うむ……何かある……とは思うがここまで正体がわからんのも不気味じゃ」


お堂の中はがらんとしており、その中心に祭壇のようなものがある。

その上にソレは鎮座していた。


「コレがコツハミ様……」


「……」


その異様な雰囲気に全員が唾をのんだ。


コツハミ様と呼ばれる女性をモデルとした人形の身体は左腕が無く、右の脚は罅割れていた。

頭部もひび割れており左目は完全に空洞となっている。

だが、その造りはやはり人間と見間違うほど精巧で、残った右目に嵌っている目は今にも動きそうであった。


「その昔、私たちの村では怪物が暴れまわっていました……」


その怪物は巨大な蛇のようにも見えた。

その長い身体から伸びる無数の口は次々に人々を喰らい、その血をすする。

村から村へ、怪物は食い荒らしながら移動し通った跡には人一人残らない廃墟だけ。

そんな怪物がこの方史路村へとたどり着いた時、当然村人は死を覚悟した。


その時、どこからかこの人形が現れ怪物と戦い始めた。

その争いは一週間続く。

一週間後戦いの音が聞こえなくなった村人の一人が恐る恐る現場を見に行った。

そこには破壊されたこの人形と怪物の一部が残されていたという。


「以来我々の先祖はこのコツハミ様のお身体を大切に保管し、コツハミ様を模して作りだした子供の人形を家に置いて家内安全の守り神としています」


「ほうほう……これは興味深い……だとするとブツブツ……」


「もしかしたらブツブツ……」


学者と幽霊が二人で何か考察を話し合っている。


「すみません、コツハミ様って撮影可能ですか?」


友梨佳が尋ねた。


「ええ、大丈夫です。

コツハミ様はそのようなことでお怒りになるような狭量な方ではありませんから」


「ありがとうございます」


「失礼します」


案内の人の許可を得、なずなはコツハミ様に一言謝ると撮影を開始する。

なるほど確かに手慣れている。


友梨佳は先ほど聞いた伝説を踏まえながら自分のコメントを交えて色々な角度で撮れるように移動している。

流石である。


ひとしきり不明な点を質問したり撮影し、学者と幽霊コンビも一段落。

カップルは少々飽きて来たあたりで民家に戻ることとなった。


先に四人がお堂から出る。

それに続いて友梨佳、なずな、昇陽と続いて出ていった。


睦月は何となく後ろを振り返る。


⦅コツハミ様……ねえ⦆


その時、祭られているコツハミ様と目があったような気がした。


⦅! ……気のせいか?⦆


「睦月、何かあったかの?」


『いや……』


もう一度注視してみるがどう見てもこっちを向いてはいない。


『なんでもねぇ』


やはり気のせいかと睦月もお堂を後にした。











――ギギギギ。













◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ふいーおぉいしかったー」


「やっぱりスーパーとは鮮度がちがうね。

素材の味が段違いだよ」


「それは言えてるのう」


夕食を終えた面々は思い思いにくつろいでいる。


「じゃあちょっと暮さんと話してくるねー」


「うむ、好きにせい」


『ほんと意気投合したよなあの二人』


友梨佳となずなは学者風の男――暮雄二(くれゆうじ)とその助手である幽霊みたいにくたびれた女――赤槻美晴(あかつきみはる)と意気投合し、話をしている。

暮と赤槻の二人は郷土史研究家で様々な伝説を自分なりに考察し、本として出している。

名前を聞いて友梨佳が気づいたのだ。


どうやら郷土史、特に神話・オカルト系統の考察は目を見張るものがあり、ある種のバイブルのような扱いを受けているらしい。


暮は暮で友梨佳の独自解釈を自分とは異なる視点だといたく感激しており会話が止まる様子は無い。


一応もう一組も名前を聞いた。

二泊三日を過ごすなら全くかかわらないというのもどうかと思ったからである。


文明の利器が無く不満を今も漏らしている男は合谷猛(ごうこくたける)

格闘技をやっているらしいが詳しくは教えてくれなかった。

ヒモ。


相方の女性は綾町沙苗(あやまちさなえ)

アパレル系の会社で働いている。

正直猛のようなやつのどこに惚れたのかわからない。

手綱はしっかり握っているようだ。


まあこっちはずっとイチャついているから放っておいても構わないだろう。


最初は沙苗が猛をやり込めたのかとも思ったが猛は猛で沙苗に甘々っぽいことがよくよく見て分かった。

まんざらでもない様子だ。


我儘を言われるのがうれしいのだろう。

上手くいっているようなので馬に蹴られぬよう距離を置くのが無難と見る。


「しかし、この自家製の葡萄酒は美味いのう」


『それな』


警戒はしているが今のところ実害は出ていない。

なので昇陽は勧められた酒を飲んでいる。

睦月は酔う事は無いが付き合っている。

コレはいつものことだ。


悪酔いさえしなければ害はないので飲むことを止める気はない。


明日からは畑仕事の体験が待っている。

一応体験者たちは昼からと言われているから早起きする必要は無い。

なので折角だからと羽目を外しているのもある。


夜も更けていき、面々は明日のことを考え床に就く。


街灯などない村。

都会のような喧騒も聞こえない。


耳に届くのは虫の声だけだ。


皆が寝静まったところで廊下を歩く一人の男が居た。


「トイレが離れって言うのはなあ……メンドクセェ」


それでも生理現象。

抗って大人なのに地図を作るわけにはいかない。

猛は庭に出てトイレに向かう。


「すっげぇ月だ……不便だがこういうのは東京じゃ見れねぇよなぁ……ま、住みたいとは絶対に思わねぇけどな」


地上に光が一切ないため空の輝きが一層煌めいて見える。


「っと、ションベンションベン……うぇ、和式かよ……クセっ!」


一応水洗ではあるみたいだが。


――ジョボジョボジョボ……。


「ううぅ、ブルっときたぁ」


スッキリとした面持ちでトイレを出る。


「は~ぁ、明日は畑弄りかぁ……メンドクセェメンドクセェ」


それでも沙苗が喜んでいるからやらないわけにはいかない。


さて戻ろうかと思った時ふと虫の声が消えていることに気が付いた。


なにかうすら寒い気もする。


「……」


気味が悪い。

トイレに行ったから体温が下がったんだと思い少し早足で部屋に戻ろうとした。

その時。



――ガサ。



近くで茂みが動いた。


「な、なんだぁ!?」


茂みを注視する。


「誰かいるのか?」


茂みはガサガサと動いている。

猛は恐る恐る茂みを確認するべく近寄っていった。


――にゃーん。


ガサリと茂みから飛び出してきたのは一匹の黒猫であった。


正体がわかり、猛は安堵する。


「なんだよ……驚かせんなよ……」


うまれてこの方幽霊は見たことは無いが正直苦手であった。

見た目からは想像できない。


猛はホッとして部屋に戻るべく振り返る。

そこには人形が座っていた。


「うわ! って……なんだよ……コツハミ様の子供とかいう人形か?」


それは昼間に玄関で見た人形だった。


「誰だよこんなとこに置いたの……ビビっちまったじゃねぇか……」


明かりのない場所でこのような精巧な人形を見ることほど恐怖は無い。

強がりながらも誰かの悪戯だろうと猛はその場を離れようとする。



――ギギ。



何かが軋む音が聞こえた。


「なんだぁ!?」


猛は振り返る。


そこにあるのは人形。


その首がこっちを見ていた。


「な、なんでこっちを……」



――ギギギ。



ゆっくりと人形が身体を猛へ向ける。


その両手を前に突き出し、立ち上がる。



――ギギ、ギギギ。



人形が少しづつ猛へを近づいてくる。


「ひっ、なんなんだよ……こっちくんなよ……」


その口がカパリと開いた。

その口には牙のように鋭い歯がビシリと並んでいる。



「ひ、ひぎゃあああああああ!!」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


――ひぎゃあああああああ!!


『!? 悲鳴? 昇陽!!』


「……なんじゃ睦月」


「……な~に~……睦月君どうしたの~?」


「ふああ……友梨佳ぁ、今何時ぃ?」


睦月の声で二人も起きてしまったようだ。


『今悲鳴が聞こえた、たぶん中庭だ』


「……悲鳴、悲鳴ねぇ……そりゃ田舎じゃし悲鳴くらい聞こえるわ……なんじゃと!?」


昇陽の寝起きで鈍い頭が一気に覚醒する。

二人も同様だ。


「え? 嘘、睦月君本当!?」


「それ、大変じゃないか!」


『とりあえず行ってみよう』


「「「うん(うむ)!」」」


四人が急いで中庭に駆け付けたとき、そこにあったのは……。


「なんじゃコレは……」


『ひでぇ……』


「なずなぁ……これ……」


「なんで……どうなってるの?」


中庭一面に広がる血だまりであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ