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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

メンヘラを煽る。そして、愛される。

作者: 黒瀬環

夜中に思いついたお話です。

胸糞な展開もありますが、ある意味ちゃんとざまあ があるので、よろしくお願いします!


「ねえねえ、隆一(りゅういち)。グループのラインで甘利(あまり)って女いんじゃん? この女、めっちゃ病んでるらしいよ」


俺の彼女である沙良が、デート中に言ってきた。

沙良はスマホでLINEを開き、ゼミのグループに入っている甘利 星羅というなかなかゼミに現れない女のアカウントを見せる。


「それがどうかしたか?」


「病んでる女って、メンヘラっていうんだっけ? やっぱ頭おかしいんだろうなーって。面白そうだからからかってみない?」


「はあ?」


ぶっちゃけ、沙良はかなり性格が悪い。俺も人のことを言えたもんじゃないけど。

メンヘラ女って、ネットじゃあよく耳にするが現実では一度も遭遇したことがない。気になるかと言えば気になる。


「からかうって、具体的にどうするんだよ?」


「隆一みたいなイケメンからいきなりLINEきて、優しくしてやったらコロッと落ちそうじゃない? それで最後こっぴどく振ってやるの! あはは!!」


「お前なあ……」


こいつ、地獄に落ちるぞ……。

沙良が提案してはいるが、結局やるのは全部俺じゃねえか。


「ねえいいでしょ隆一〜。お願い」


「わかったよ……」


まあ、ぶっちゃけ病んでる女ってどんなもんか気になるしな。



*************


『こんちは! 俺、同じゼミの橘っていうんだけど、わかる?』


『はい……。なんでしょうか?』


『甘利さんってなかなかゼミにこないからさ。普段は何してるの?』


『全く参加しなくてすみません……。普段はだいだい家で本読んでたりします』


『へえ! どんな本?』


『色々読んでます』


ちっ……!

やっぱコミュ障相手だと話題振りずれえな……。メッセージでやりとりすんのもそろそろダルいし、電話させるか。


『突然で悪いんだけどさ、よかったら通話しない?』


『え、通話ですか? メッセージでよくないですか?』


いちいち理由なんか聞いてくるんじゃねえよ。もういいや、電話しちゃえ。



10分後……。



『あの、橘さん。今日はありがとうございました。男の人とこんなにお話しするの初めてだったので、緊張しましたけど、楽しかったです。これからもよろしくお願いします』


『こちらこそ! 急に電話してごめんね! これからもよろしくー!』


電話したぐらいでお礼のメッセージ送ってくるやつとか初めて見たわ。やっぱ普通の人とはちげえな。

でも、声聞いた感じ結構綺麗な声だったな……。顔も沙良がいうには普通に可愛い部類らしいし。


ま、面白そーだし、これからも構ってやるか……。



*************


ピロン


『こんにちは橘さん! 今日、公園に散歩に行ったんですけど、可愛い野良猫がいたんです! 良い感じに写真がとれたので、送りますね!』


急にLINEきたと思ったら、猫の写真送ってきたやがった……。


あの日からほぼ毎日LINEしたり電話したりしている。

日に日にLINEのメッセージ数も、通話時間も多くなってきている。

正直もう面倒になってきた。


『可愛いな!』


沙良も隣で寝てるし、俺ももう一休み……。


ピロン


早えよ!!!


『ですよね!!! 私、橘さんとお話がしたいです。今から通話しませんか……?』


はああ?

ダリィな……。

まあいいや、もう眠気も覚めちまったし。


『いいよ』



一時間後……



『今日も橘さんとお話が出来て楽しかったです! 橘さんって、イケメンで優しくて、本当に素敵です。大学でもお会いしたいのですけど、どうでしょうか?』


電話なげえよ!!! クソ!!!

ペラペラペラペラ喋りやがって!!!


もう無理。メンヘラってこういうやつのことを言うんだな。俺には向かねえや。


『お前みたいなやつと直接会うとか無理w バイバイw』


惚れさせてからこっ酷く振られるよかマシだろう。

これで終わり終わり!



ピロン



『急にどうしたんですか……? 私、何か気に障ること言ってしまいましたか? そうだとしたら謝ります。だから、バイバイなんて言わないでください!!!』



案の定うろたえてるな。

まあ無視するけど。あの女と話して疲れたし、少し寝るか。



***



『返事ください!』


『見ていないのですか?』


『私、橘さんとお話しするまで楽しいことが何もなくて、橘さんとこうしてお話しすることが生き甲斐なんです。私に出来ることならなんでもしますから!』


『電話、しますね』


『不在着信』


『見てないんですか?』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』


『不在着信』



****


「なんじゃこりゃ!?!?」


起きて携帯を確認してみると、メンヘラ女からありえないほどのメッセージと、不在着信があった。

あまりにも驚きすぎて、開いた口が塞がらない。


「なあに〜? どうしたん隆一?」


「あのメンヘラ女やべえよ! お前がからかおうなんて言うから!!!」


「はあ? ……うわっ!? なんなんこれ!? 気持ちわる!?」


「どうすんだよこれ……。ストーカーなんてされたら溜まったもんじゃないぞ……」


テンテレテン♪


「またあの女から電話だ!?」


「ちっ……! 貸して隆一!! 私がガツンと言ってやっから!」


「なっ!? おい! やめとけ!!」



『もしもし!? ああ橘くぅん、やっと出てくれ『私、隆一の彼女だけど』……!?』


『あんたさ、私の彼氏にちょっかいかけないでくれる? キモいんだけど』


『あ、あなたは、誰ですか? 彼女って……』


『隆一の彼女の沙良で〜す! あははは! なになに? アンタまさか隆一と付き合えると思ってたの? 無理に決まってんじゃん! アンタみたいな気持ち悪いメンヘラ女に!!!』


『……』


『痛い目に合いたくなけりゃ、もう隆一に連絡よこしてくんな。わかった?』


『……』


『は? なにだんまり決めてんの? キモいんだけど』


『沙良さん、でしたね?』


『はあ? そうだよ! 隆一の彼女の沙良! アンタがなれなかった隆一の彼女の沙良だよ!』


『同じゼミでしたね……?』


『アンタさっきから何言って……『プー……プー……』』


「何あの女、勝手に切りやがって! まじムカつく!」


「お、おい、お前も言い過ぎだぞ……。メンヘラって、切れたら結構やばいんじゃないのか?」


「何隆一ビビってんの? あの女が何かしようとしてきたら、ボコボコにしてやっから!」


沙良って、本当に性格が悪いと思う。ぶっちゃけ俺は沙良の容姿だけしか好きじゃない。

天罰が当たらなけりゃいいけど……。


それよりも、今日はゼミがあるな……。

まあメンヘラは今日もゼミには来ないだろう。あんなことがあったんだし。


*************



「いろいろしてたら遅れちまったな……」


もうゼミのみんなは集まってる頃だろう。

沙良にさっきメッセージ入れたけど、いまだに返事がない。

まあどうせ、ゼミのやつらと馬鹿騒ぎでもしてるんだろう。教授もくるの遅れるって言ってたし。


ゼミの部屋のドアを開けてみると……


そこには、ありえない、現実的ではないような光景が広がっていた。


部屋中の至る所に、血、血、血、血。

そして、床に横たわるのは、普段は活気に満ちたゼミの仲間たちの、死体。


部屋の奥には、黒髪の長い、美しい少女がいたーーーー包丁を持って。


俺は一度も会ったことがないが、瞬時に悟った。

この女がーーーーメンヘラ女である、甘利 星羅であると。


「あぁあ!!! 橘くんだよねぇ!? やったぁ、やっと会えた!!!」


子供のようにはしゃぐような声音で、嬉々とする。

しかし彼女の頰や服には血が……。


もしかして、こいつが、みんなをやったのか……!?


それよりも、沙良は? 沙良はどこに行ったんだ!?


「あ!! もしかして、彼女さんのこと探してる? それなら、ここで寝てるよ?」


「さ、沙良!…………え、ええ? お、オェえぇぇ……」


そこで寝ていたのは間違いなく沙良。だがしかし、すでにそこに生気などは微塵も感じない。

何度も何度も何度も何度も、刺されたであろう傷で埋め尽くされていた。


もう、無理だ。出たい。この異質な空間から、早く抜け出したい。


「き、きっと、夢だ。早くここから……」


「橘くぅん……」


ガシッと、ものすごい力で腕を掴まれる。


「どこ行くのぉ? やっと、やっと会えたんだよ? お話ししようよ」


「ふ、ふざけんな!!! なんで俺にそこまで構うんだよ!?」


「何でって、元々橘くんが構ってくれたんじゃない。わたし、とっても嬉しかったんだよ? そんな優しい橘くんには、幸せになってもらいたいの」


「これのどこが幸せだよ!!!」


「だって、ここにいるゴミたちとか、あの彼女だとか言ってる沙良さん? は、あなたの人生にとって害でしかないもの。だから、私が駆除してあげたの」


「なっ……なっ……」


「安心して? これからはーーーー」




「私があなたのことを、構ってあげる……」











ここまでクソみたいなお話を読んでくださり、ありがとうございました。

なぜこんな話を書いたかというと、友人がこの手のイジメに遭いまして、こちらとしてもそんな話を聞いて胸糞でヘイト溜まりに溜まって、この気持ちを拙いけれど短編で書いちゃえ! っていうのがきっかけです。

最近の大学生って、陰湿なイジメが多いですよね? それって本当に姑息だと思います。

しかし、勝手に友人を題材にこんなの書いちゃったけど、大丈夫かな……?笑

あ、ちなみに友人はメンヘラでもなんでもないので、ざまあ なんて出来てませんよ!笑

そう考えると、メンヘラさんお強い。

長々と書いてしまいすみません、もしこの続きが読みたい方がいらっしゃいましたら、感想欄にどうかご記入ください。友人に聞いてどんな仕打ちにしたら鬱憤を晴らせるか聞きますので笑


それと、私の他作品である『ヤンデレストーカー女』の方もよろしければご一読くだされば幸いです。こっちは主人公くんは良い子ですよ!笑


それでは!

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