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2本目 神と世界樹は一心同体

短いです。 本文を少し修正しましたその2。

 イベント後にマップの構造が変化したようで全てが綺麗になっていた。

 至る所に緑が増え小鳥や蝶々などが飛んでいたりする。


 しかしベースが綺麗になっただけで別段建物が増えているなどということはなく、ただただ草原が何マップも続いていくのみ。


 飛鳥は無意味な探索を切り上げ唯一確認できたリーフェ達と出会った建物まで戻る。

 その建物も予想通り綺麗にはなっていたが、どういうわけか西洋風の建物から和風な作りの屋敷に姿を変えていた。

 そして屋敷へと続く大きな門の前には小さな男の子らしきキャラクターが待ち構えている。

 その子へと近づくとキャラクターが飛鳥の意思とは関係なく動き出した。


『あ、二人ともお帰り! いきなり家とか周りが綺麗になったんだけど、もしかしてそいつが新しいカミサマなのか?』

『こらレオ失礼でしょう。申し訳ございませんおーかみ様。この子はレオンといって私たちの弟のような存在です』

『初めましてカミサマ! こんな一気に綺麗にするなんてお前は凄いヤツだな! あ、オレサマはレオン。レオって呼んでくれて構わないよ! よろしくね!』


 少年、レオンが主人公に向かって手を差し出している。そこへ選択肢が現れた。


 ・こちらこそよろしく! ・無視をする


「なんつー二択……。無視はかわいそうだから、こちらこそよろしくっと」


 ピッっと軽快な選択音が鳴り二人はしっかりとお互いの手を握る。

 軽く挨拶を交わして手を離す。と思われたが、少年はニッコリと笑い何度もブンブンと腕を上下に振った。

 主人公が焦っているようなエフェクトが頭上に出たころ、ようやくブラットにより強制的に止められる。

 その行動を苦笑いしながら眺めていた飛鳥の目と、正面を向いたレオンとブラットの目が合った気がした。


 どきりと飛鳥の心臓が跳ねる。

 改めて画面を覗いても和やかなBGMにキャラクターたちが楽しそうに会話しているイベントが続いているだけで別段おかしなところも無く、気のせいかとゲームに意識を戻す。


 イベントは進み、リーフェに今日は疲れただろうから休むよう言われた主人公は屋敷の中へと通された。

 リーフェ先導のもと奥へ奥へと案内された主人公は、かなり広い部屋を自室として与えられる。

 室内には机や座椅子、本棚などといった家具類の他に、タブレット型の何かが机の上に置かれている。

 好奇心のまま色々調べてみたかった飛鳥だが、まだイベント中のようで操作は受け付けていない。


 そんな飛鳥の思いとは裏腹に主人公はそのまま敷かれていた布団に潜り込み一夜を過ごした。


 翌日より本格的に飛鳥の神としての作業が始まる。

 リーフェの説明によると主人公がいるこの場所は神の住む地と呼ばれ、“聖地セリオル”という名前が付いているらしい。


 そしてこの世界は神と世界樹により支えられているが、数百年前に先代の神が居なくなって以降衰退の一途を辿っている。

 それは何故か。

 神が世界樹を支え、世界樹がマナを生み出し、生み出されたマナはこの世界に存在する全てのモノの生命力となる。

 そうしてこの世界は回っているのだが、神が不在になった為に世界樹がマナを生み出せなくなり、生命力となるマナが生み出されない事によって世界に存在する全てのモノの生存が難しくなり、ゆっくりと姿を消していったのだ。


 聖地からは守人(もりびと)と一部の生き物や、現在主人公がいる屋敷以外は姿を消し、下界――この世界の人間たちが住む場所――からは数百名の生き物たち以外は、作物も水も動物もほぼ死滅してしまった。

 恐らくあと数か月もしたらその生き残りたちも全て死んでいただろう。


 しかしそんな悲劇も昨日まで。

 主人公が世界樹を復活させたことにより、世界にマナが満ち溢れ、活気が取り戻されつつある。

 ベースが戻ったとはいえ聖地・下界共にダメージは深くほぼ何もない状態なので、飛鳥

の当面の仕事は聖地や下界を再生させる事のようだ。


「ふむ、なるほど。つまりこのゲームは死にかけのこの世界を立て直すってゲームかな。キャラメイクとかもできるみたいだし結構好みだなこのゲーム! 楽しくなってきた!」

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