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言えるわけない……


 光の島の山の頂上に僕らはまだ居る。

段々と日が暮れていく、このエリアは現在時間と同期している、世界観を出すためにエリア毎に時差が儲けられているらしい……


ただ要するに夜にインばかりする人は夜ばかりにならないような配慮なんだろう……


 僕らのドラゴンはレベルが低い為にあまり遠くには行けない……このエリアから出るには当分先になる。

リンと一緒に世界中を旅してみたいな~


『綺麗だね~~』

太陽が海に沈んでいく、夕焼けから段々と暗くなるグラフィックを堪能する。


『うん、島全体が赤く光ってる』


 二人で見る景色だからなんだろうか、画面の中に居るかの如くその景色に感動する、今リンと二人手を繋いで夕日を見ている気分になっていた。


なんかいい雰囲気、凄く告白したい……リンの事が好きって……でもネトゲで告白ってどうなの?、そもそもリンが男の可能性もあるんだよ……


 最近は、ほぼ毎日あって話している、僕の中では既にリンと付き合っている気分……、気持ち悪いって思われているかも……でもリンも凄く楽しそうにしてくれてるんだよな……リンもひょっとして僕の事が……


『ねえ、ルナ、今なに考えている?』


『えっとリンの事』


『私の事?』

これは、チャンスなんじゃ、出会って2年今日は記念日、プレゼント交換までした……もしかしたらリンも……


『うん、僕ね、リンの事がリンの事が、す』


『え?』


『す、す、凄く面白いって言うか、あ、話がって事ね、話題が豊富って言うか』


い、い、言えるわけねえ……言って嫌われたら、ストーカーって思われたら……


『うん、ありがと』


『リンて結構頭がいいんだろうって、あ、別に探ってるわけじゃないんだよ』


『探る?』


『あ、ほらリンて前にストーカーにあったっ言ってたじゃない、だから』

僕は何を言ってるんだ~~そんな事書いたら思い出させるだけだろうがああああ


『うん、気を使わせちゃってごめんね』


『ううん、僕こそごめん、思い出させちゃったよね、ほんとごめん』


『いいのもう大丈夫だし』



『          』


ああ、チャットに間が、チャットの会話って間が凄く気になる、相手がどういう感じなのか分からないから間が空くと凄く不安になる……


どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、なにか話題えっと最近のアニメとか?いやこのタイミングでそれは……えっと……うわあ焦ってきた……


『えっと、あのね、私学生で女の子だから!』


『え?』


『それだけは今日言おうと思ってたの!あ、私お風呂入らなきゃ、今日は落ちるね、また明日バイバイ』


『え?ああ、また明日バイバイ』


『ノシ』

最後にそう言ってリンは消えていった……


「学生って幅広いけど、女の子って言ったよな嘘かも知れないけど……リンを信じる……やったああああああああああああああああああ」


 ベットに飛び込み枕を抱き締める。


 どうしよう、告白したい……て言うかリンも告白されたがっているんじゃ……だから女の子だよって言ってくれたんじゃ


 あーーどうしよう、でも引かれたら、嫌われたら、リンと話せなくなったら生きて行けないいいいい、でも凄く会いたい、どんな子なんだろう、清楚な感じかな? でも例え顔が悪くても、太っていても、歳上でも、小学生はちょっとまずいけど……、それでもいい、リンなら愛せる!!


 ベットで暫く悶えていたが、さすがにお腹が空いてきた。

のそりと起き上がりキッチンに向かう。


 部屋を出た直後、恐らくお風呂上がりなのか、認めたくないけど一応妹らしき人物が前から赤い顔で歩いてくる。


 僕は立ち止まり妹をやり過ごそうと思ったが妹も立ち止まってしまう。

最近やたらかち合うな……そう思いつい妹を見てしまう。


 相変わらずのメガネで表情はよく見えない、若干うつ向き加減でこちらを見ている、下は可愛いパジャマで上はTシャツ胸にタオルと下着を抱えている……


 下着を……


「きも……最低……」


 ついその下着に目が行ってしまった、それに気がついた妹は、ぼそりと言う


「ちが、違う……みたくてみたわけじゃ……」


「どうせブスの下着になんか興味ないって言うんでしょ、退いて」


「いや、そんな」


「退いてください!!」

 その迫力に押され廊下の端に寄ると、下着を隠しながらこちらを見るまでもなく部屋に駆けていった。


 妹の部屋の扉が閉まるまで呆然としてしまったが、凄い音を立て閉まった扉の音で我に帰る。


「な、なんなんだ、あの女!!!」


 むかつくむかつくむかつくむかつくううううううう!!!

今日は物凄くいい日だったのに、あいつのお陰で最低な気分になった!!

本当に妹なんか要らない!!


「リン……僕にはリンしか居ない……」


 僕は天井を見上げてそう呟いた





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