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作者: ねるこ

朝、目が覚めました。嫌な顔をしながら外に出ました。

ああやっぱり。僕はまた今日も笑われている。

幻聴でも思い込みでもなんでもない、はっきりと僕を笑う声が聞こえる。

コンビニでも、スーパーでも、トイレでも、街中でも。


気づくと僕は、大通りに立っていました。そこでも笑い声は聞こえます。どうやら近くのようです。

その時一人の若い女が僕の顔を見ながら僕の前を通りました。

お前か?

僕はたまたま持っていた包丁を右手に強く握り、女の腹部を刺しました。

女が倒れると僕はその女の首元を包丁で横に裂きました。たくさんの血が出たのでもう大丈夫だと思いたかったのに、笑い声はまだ聞こえます。


お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?

お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?お前か?


もう手当たり次第でした。たくさんの人の首を切って、僕のことを笑えないようにしました。

それなのに。

まだ僕のことを笑っている奴がいる。

嫌だ、笑わないで。

どうか僕のことを笑わないで。

うるさいもうやめて。



最後の一人、6歳くらいの小さな男の子を殺したところで目が覚めました。

夢。

汗と動機が止みませんでした。久しぶりに泣きました。

ああもう大丈夫だよと自分を落ち着かせたところで外へ出ました。


あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは


聞こえました。夢であんなにつらい思いをしたのに。

もう嫌だと僕は、たまたま左手にあった包丁を強く握り、包丁の先端を自分の耳の中へ勢いよく刺しました。もう片方の耳も同じようにして。

これで聞こえない、聞こえるはずがない。


あれ、


いま、笑われている



ああきっとまた夢なのだとぼくはその時思いました。

夢と分かっていても、どうしてもその状況がつらかった僕は、もしかしたら自分が笑っているのではないかと思い口を真横に裂きました。目の前が真っ黒になりました。




僕は白い部屋にいました。

僕は誰ですか

僕はどこにいますか

あなたはどの世界の誰ですか

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