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転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね? ~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~  作者: 鶯埜 餡
11才編『フレデリカ3』『攻略対象者1』

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接待部の日常

40部分と41部分の間に入れようかなと思っていたお話です。

 新年早々の一騒動が落着した奥宮では、国内の貴族向けの王宮行事内で、新年の王宮夜会よりも権威が高く、秋の狩りと同等とされる春の王宮茶会に向けた準備に取り掛からねばならなかった。

 王宮茶会は、春と秋の二回開催されており、春の茶会は『貴賤問わずこれまでに活躍し、今後も国に永く貢献できる文化人を選ぶ』こととなっている。例えば今までに選ばれてきた中には、さまざまな歌劇を作曲・作詞してきた平民の音楽家だったり、茶の品種改良に努めてきて、香りや色の良い紅茶を作出した貴族とそのお抱えの庭師だったり、と幅広く参加してきた。もちろん、老若男女問わない。

 アリアは王宮侍女として上がる前の二人の家庭教師時代に習ったことを思い出していた。

(なるほど、前世で言う紫綬褒章や文化勲章、いえどちらかといえば園遊会といった具合ね)

 その時に、アリアの前世での知識における天皇皇后両陛下の国事行為のいくつかを思い出していた。確かいつかの園遊会には、企業の上役や研究者、芸能界の重鎮だけでなく、『涼音』と近い世代のアイドルも選出されて、話題になったんだっけ、と思い出した。


「で、今回はどなたが中心になりましょうか」

 あの事件以降、接待部はなんだかんだと仲良くなり、今も午前中の全下級侍女共通の仕事を終え、全員は揃わなかったものの、侍女頭マルゴ、アーニャ、アーニャの同期エレナ、アリアとアリアの同期アマンダとアレグラの6人で昼食を取りつつ話し合っていた。

「そうね、民間人としては最近はやりの小説家であるブラッド・マキジアムでしょうか」

 接待部の長、マルゴの問いに答えたのはアリアと同期に当たる准男爵令嬢のハンナだった。

「そうですわね。あの方は歴史小説から若い子向けの恋愛小説まで幅広く人気ですわね」

 それに反応したのはアーニャ。

「かなりお詳しいのですね。アーニャ様は読まれたのですか」

「そうでもないわ。昨年なんかは此方にいなかったから、新刊と言って思いつくのが『風待ち望む』とか『鈴姫恋歌』だわよ」

「私も読みましたわ。でも、あれは不朽の名作だと思います」

「此方に帰ってきてから知ったんだけれど、『夢現』の方がブラッド様の作風そのものではありませんの」

「ああ、確かにそうですわね」

 アーニャと彼女の同期エレナは彼の作家の話題で盛り上がっていた。


 一方、アリアの同期たち2人も別の人物について盛り上がっていた。

「パティシエのリディア様でしょう」

 と、下町のお菓子屋に勤務する女性パティシエールを薦めた。なんでも、彼女の技巧は王都一なのだとか。

「あの方のスフレとか、夢をかみしめているみたいよね」

「ああ、あの日にち限定、個数限定商品のケーキね。実はまだ、あれにお目に書かれたことなくて、貴女、どうやって手に入れたのよ」

「発売日の前日の夜から夜通し並んでいたのよ」

「馬っ鹿じゃないのよ、と言いたいところだけれど、あれはそうでもしないと手に入らないのね」

「フフ、今度行く時があったら、一緒にアマンダの分も買ってきてあげる」

「ありがとう、アレグラ」

 アマンダ、アレグラの二人もかなり盛り上がっていた。


「あれ、アリアさんはお薦めの方は見えないのですか」

 代表してアマンダが先ほどから一言もしゃべらず、熱心に何かを書き留めているアリアに尋ねた。アリアは書きかけていた手を止めて、その紙を全員の方に向けて、

「私が今年の茶会の招待にちょうどいい人物を挙げました。いかがでしょうか」

 アリアの手元の紙に書かれていたのは、三十人前後の文化人たちの名前とその推薦理由だった。その中には先ほど挙げた小説家やパティシエールの名前もあった。さらに、その中には、王都近くの教会の修道女(シスター)やどこぞのダンスの講師をしている某若伯爵の名前もあった。

「完璧だわね」

 紙を最初に読み切ったらしいアレグラの声に触発されたほかの面々もざわめきだす。

「流石だわね、アリアさん」

 マルゴの一言によって、もめることなく招待客が決まり、そして、その一か月後の園遊会は大成功を収めたとか。

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