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転生したからって、ざまぁされなくてもいいよね? ~身内との8年間、攻略対象達との3年間の駆け引き~  作者: 鶯埜 餡
15才編『不穏な雲行き』

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少し短めです

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 アリアたちはバルティア領の中でもかなり辺境にその身を置いた。いつ何時内乱に関わる魔の手が襲ってくるかもしれない、という理由のためだ。最初はアリアの提案だったのだが、アランも同意してくれたため、実現したのだった。



「気持ちいいだろう?」

 バルティア領に着いたのは昨晩遅くで、アリアは途中で寝てしまったらしく、気づいた時にはすでに公爵家の別邸に運び込まれており、久しぶりの上質なベッドで十分な睡眠をとっていた。

「ええ、そうね」

 二人の体調が整ったお昼過ぎに、その別邸の裏山にある丘へ遠掛けしてきていた。そこから見える国境越しの湖はかなり絶景だった。空気も澄んでおり、今このような状況に置かれているのでなければ、ゆっくりと観光を楽しみたいところだ。


「ねえ、アラン」

 アリアは気になっていたことを尋ねたくて、アランを呼んだ。

「何かな?」

「アランは、本当はどうなの?」

「どういう意味?」

 アリアは直接的に問いかけることはできなかった。しかし、通常ならばアリアの言いたいことを察してくれるはずのアランは、本当にアリアの問いかけに意味が分かっていないようだった。仕方なく、アリアは直接尋ねることにした。

「どうして私と婚約したの?」

 その質問にアランは目を丸くした。

「もちろん、スフォルツァの軍を鍛えなおしてくれる、という契約があるから、それを怪しまれずに行う、口実としては最適よ。でも、それだったら別に後見人、とか保護代理人という地位がこの国には制度化されているのだから、特別婚約者じゃなくてもいいんじゃないの?」

 アリアは思わず彼の胸ぐらをつかみかかろうとしてしまっていた。アランはアリアの苛立ちに気づいたのか、笑った。

「な、何よ」

 アリアは自分の行動に笑われたのかと思い、思わずそう言ってしまったのだが、アランは首を横に振り、否定した。

「違うよ」

 アランはそういうと、ふっと真顔になった。アリアはその否定が何を指しているのか、分からず思わず首をかしげた。

「僕は契約のためや、利益が欲しいから君と婚約を結んだんじゃない」

 彼の眼はいつになく真剣だ。


「僕は今の(・・)アリア・スフォルツァが欲しいんだ。

 かなり賢く、かなり頑張り屋さんな君。そして、もちろん綺麗だけれど、自分よりも人のことを気にかけているな君。もっとも、そんな性格をしているから、散々振り回されたりしているけれど、それでも任務を一つずつこなしている君。


『ラブデ』の君ではなく、今の君に僕は恋しているんだよ」

 アランはきっぱりという。その数々の誉め言葉にアリアは少したじろいだ。それをアランはドン引きされたのかと思い、少しまごついたが、

「いいえ。あなたからの誉め言葉に、少し驚いただけよ。()は実の父親にさえ褒められたことはない。しかも、数少ない会う機会にはいつも説教ばっかだったわ。それに、友人はいたけれど、同性ばかりだから変な噂が立たないように取り繕うしかない。だからか、『自分自身』とはかけ離れた評価だった。しかも、同じクラスの男子からは実家の職業とその立場的から、遠巻きに見られるか、媚売られるかのどちらか。だから、誉められることに慣れていなくて、ね」

 アリアは少し赤くなりながら言った。だが、まぎれもない本心でもあった。

 思い出してみれば、この世界に、『ラブデ』の悪役令嬢に転生したのは不幸だった。しかし、今までの17年間とこの世界での6年間のどちらが良かったのか、と考えれば、実ははるかに今の方が心地よい(・・・・)生活なのだ。もちろん、公爵令嬢という事で様々な制約はつくが、それでも、だ。ただ、未だに赤の他人に、お世辞ではない何かを言われるのは慣れていなく、少々こっ恥ずかしいのだ。

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