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プロローグ
悪役転生ものです。ぼちぼち更新していく予定です。
「なんでこんなことになっているのよ」
“アリア・スフォルツァ”は急にあふれ出てくる記憶を整理して、思い出した。
リーゼベルツ王国、名門スフォルツァ公爵家にある自室で書物の整理をしていたら、ふっと泉が湧き出るように記憶があふれてきたのだ。
『自分』が何者であるかを、そして、どうしてこの状況に陥っているのか、そして、
この世界が、彼女がいた世界で一世を風靡したゲーム『Love or Dead ~恋は駆け引きと共に~』の世界であるという事を。
「まさか、”あの”世界で小説とかの題材にされていた転生者になるとは、ね」
彼女はひとりごちて、鏡を見た。その姿は紛れもなく栗毛の腰まであるサラサラストレートで紫の目、アリア・スフォルツァだった。彼女の役割は、そう、
―――――悪役令嬢だった。
「なんでこうなったのよぉ」
甲高い叫びが屋敷の中に響き渡った。