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蒼のAGAIN  作者: 「S」
第一章 終焉からの幕開け
13/42

第一章12 『辿る足跡』

あと2話で1章終了です!

ほんと、うまくかけて無いですが、それでも、

伝わって、わかってもらえたら――幸いです。

「……」


「クロ……」


「……」


 互いに『ミニマム』に目線を向け、その数値に唖然とする。



 ――<『RENEWWAL』…7>



「明らかに……」


「減りすぎね……」


「……」


 自然で不自然な解消に頭をかしげる三人。

 クロの後悔に問題は無い、機械の故障かと思えばそれも違う。



 ――なら、いったい……。



「ただ、わかることと言えば……」


 呟くレイ。

 腕組みしながら考え込んでいるレイに、二人は目をやる。


「『RMI』で『Delete』により消せるものは、ある程度軽く、一部何かにより解消されたもののみ。そして……」


 クロの後悔は全て重いものだ。


 たとえ、ほとんどがくだらないものからできた後悔であったとしても、それは本人の受け取り方による。


 だがこれは、明らかにおかしい。



 ――解消されたとしても……、



 『ミニマム』に表示されるものはまだあった。

 点滅しながら画面にそれぞれ違う表示がされていく。


「<『ORIGIN』…303>、が表示されることはわかります。それで……」


 表情が険しくなるレイ。

 腕組みの中、人差し指を動かす姿には少しの苛立ちがあった。



 ――<『Delete』…296>



「〈『Delete』…296〉。『Delete』により消された数値が表示される、というのもまだわかります。問題は……」


 繭が上がり、額にしわを寄せる姿に、苛立ちが増したことがわかる。



 ――〈『UNCERTEINTY』…10〉



「何ですか、これは……?」



 ――何ですかこれは!



 『ミニマム』に新たに表示されたものに、疑問符を浮かべるアオ。それと同時に、心の中で同じ言葉を叫ぶレイ。


「……」


 彼女等の反応に、無言で立ち尽くすクロ。


 その姿にレイは苛立ちの視線を送り、クロはビクリッと焦りを浮かべるのだが、その反応に呆れ、ため息を漏らすレイだった。



 ――私も知りたい……どうしてこうなったのかをねぇ!



「『UNCERTEINTY』は不確定要素という意味。つまり、クロの後悔の内、10個ほど測定不能の後悔が存在するということ……」


 真剣な眼差しで語るレイの姿に黙然と聞く二人。

 同時に、空気の冷たさと静けさ、話の重要性とその重さを実感していた。


 いろいろ不思議に思う部分もある。

 それでも、大事なことなので唾と共に飲み込む。


 一瞬の間なのに、危機迫る感はこの空気の重さが示していた。

 焦りと冷や汗が伝う中、少女の声が耳を通っていく。


「それは、クロの後悔の重さを現す……。7つは、一つ目の『AGAIN』と同等かそれ以上の難易度の後悔の数を示し、後の不確定要素である10は、その7を含め、その『AGAIN』の途中途中に3つほどのハプニングが挟むということを現している……。極端な話、クロの『AGAIN』の難易度が増したということですね」


「……」


 レイに満面の笑みで答えられ、クロに驚きはあった。


 それでも、固まって表情にはでなかった。



      ※



「……」


「どうしますか、クロ?」


 先の会話で思い当たる節により黙り込むクロ。

 周りから見れば考え込んでいるようにも見えるが、今の場合はどちらでもあるだろう。


「『どうする』つってもなぁ……」


 頭を掻き、「よし!」と決意の笑みを浮かべる。


「どのみちやらなきゃいけないんだ。腹を括るしかねぇだろ」


「そうですね」


 クロの答えに『冷静な対処だ』という反応をするレイ。

 アオはアオで「それは、そうですけど……」と少し不安気のようだったのだが、



 ――それに、



 クロは心の中で秘かに思う。いや、確信とでも言うべきか。

 恐らくだが、あと『7つの後悔』というのには、覚えがある。まぁ、あって当然なのだろうが。


 予想され、そこからわかること。

 それが、とてつもなく酷いものだということはクロが一番よく知っている。


 予測不能の10の後悔。


 ここからは、思い出したくない残酷さが待っているのも確か。

『あれ』をもう一度味わえというのも乗り気はしない。

 むしろ、やりたくないまである。



 ――それでも、



 やらなくちゃ変わらない。


 守れなかった、失った、取り戻したい。

 そんな大事なものがあったから。

 本来ならどうでもいいと思っていたものたち。



 ――全く、お前らのせいだからな……。



 一人、心の中で呟くクロ。

 友へと向けた、宣戦布告のような、そんな感謝を。


「……変わるかな。……変わると、いいな……」


 一人呟いたつもりが、二人にも聞こえたらしく、笑顔で返される。


「きっと、変わりますよ」


「頑張れば何とかなるとは言えませんが、この場合、何とかしたいなら頑張るしかありません」


 レイは優しく微笑むのに、アオが太々しく述べる言葉にクロは「ひでぇな……」と苦笑する。


「まぁ、それでも……事実なんだけどな」


 二人の少女を見る。

 何なのかわからない気持ちが浮かんでくる。


 新たなる決意、したつもりだった覚悟。

 それぞれを胸に抱き、立ち上がる。


 何度でも、また何度でも立ち上がる。そんな意を浮かべて。


 打開策はある。心配もある。

 また、崩れ去ってしまうかもしれない。

 そんな不安が()ぎるし、なってしまったらどうしようとも思う。



 ――でも、



 何だが大丈夫な気もする。二人の少女の顔を見ていると。



 ――全く、だらしないな。他力本願とは……。



 心の中で呟いたつもりだった。

 だが、彼女等は読んでいたのか、


「いくらでも頼ってくださいね!私たちはクロの味方ですから!」


「何度でも倒れなさい。その分、何度だって背中を押しますから」


「……っ」


 二人の言葉に驚きの表情を浮かべるクロ。


「ありがとう……」


 彼女等の言葉に少しの涙を溢して、クロは笑顔で感謝する。


 まだまだ始まったばかりの冒険。

 危なく、帰って来れるかもわからない、そんな感じの。


 それでも少年は旅をする。

 自分のため、この子たちのため、友のため。



 重く、険しい道のりを――。



 ――少年は辿る。

  重く、険しい道のりを――

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