何故だ!?
あれから3日がたった。
私達は歩き続けながら、おっさんからいろいろな事教わった。
薬草はもちろん、毒草、食べられる植物。
動物や魔物の森に残した痕跡や逃げ方、弱点。
私はまだ見た事がないけど魔物がいるらしい。
いやライム君も魔物だけど。
ライム君はおっさんが名付けたスライムだ。
…
いや、別に、嫉妬なんかしてないからね?
おっさんとライム君には私の事を全部話してある。
ライム君が理解出来たかはわからないが(話している間このスライムはおっさんの全身をプヨプヨしていた)、おっさんは聞き終えると涙まで目に浮かべホニャと笑い、
「モモコちゃんの事はおっさんが守るからね」
「…うん。」
手を小さな体全部で抱き締めてくれた。
嬉しくて照れ臭くてうつ向いてしまったが内心、
(いや、私がおっさんを守るんだけどさ)
「ぷよ!」
「」
「モモコちゃん!?」
私がスライムを遠くへ投げようとしたらおっさんに止められた。
何 故 だ !?
他に【生活魔法】の種類が増えた。
物を一瞬水の膜で覆い、洗い流す魔法だ。
何となくスッキリする程度の魔法だが私この魔法に一番感謝している。
…だって私も女の子だし、何日も森の中でお風呂に入ってないのは、ねぇ?
私は魔力を使い果たしても満足出来なかったこの魔法に誓った。
極める、と。
「ぷよん」
…おっさん、ライム君を魔法で洗う必要ってないんじゃないかな。
そのツヤツヤプルプルボディの何処に汚れがあるのかな!
そんな、にこホニャの笑顔で…
ブンッ!
どや顔スライム(な気がした)をぶん投げたらおっさんに怒られた。
何 故 だ !?
そして私達は道を見付けた。
車輪の跡がある、その道を。