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第七話

 魔法を学ぶ時が来た!

苦節二年弱、やっとここまでたどり着いた。

これで俺の歴史に新たな一ページが記される。


 …………なんて二歳になる前の子供が考えているなんて、

自分のことながら気持ち悪い。


 魔法は、様々な属性を混ぜ合わせて使う技術とのことだ。

属性は大きく分けると月、火、水、木、金、土、日、聖、闇、無で、

その中にも細かい属性や複合属性が混ざっているとのこと。

そしてその属性について学んで、うまく組み合わせていけば使える魔法が

増えていくらしい。

イメージ力と緻密な計算が合わさって、はじめて魔法となるようだ。


 難しいなとは思うけど、魔法が使えれば、できることも一気に多くなる。

頑張らないとな。


 ただこういう魔法体系なので、攻撃魔法は、

割りと簡単だと思われているようだ。

確かに、水酸化ナトリウムと塩酸を混ぜて出来たものを

料理に入れて食べるみたいなもんだもんな。

理論的には、食塩になって適量なら人体に悪影響なく料理を美味しくする

とはいえ、最初の混ぜる比率間違えたら毒になるし、塩を入れすぎたり

少なすぎる料理は美味しくない。


 バランスをしっかり整えて、それでいて想像力が必要なため、

簡単な魔法は誰でもできても、属性の多い魔法は、かなりの熟練が

必要になるようだ。

スタートが、普通の人よりもチートに早い俺にとってこんなに

有利なことはない。

色々研究して、魔法を極めるぜ。



 まず最初は、移動系の魔法を学ぶことにした。

単純な属性の魔法を使ってみたいとは思うけど、さすがに屋内で使うのは

どうかと思える。

だったら、屋外に出てそこで色々やればいいんじゃないかと考えたんだ。


 食事の時間さえ気にすれば、昼間留守にしてもばれなさそうだし、

屋外の方が色々運動もやり易いだろうから、メリット一杯だ。


 ただ、自分に使う魔法だというのと、いきなり複数属性に

挑戦することから、慎重に行動する。

試しに使う前までに、属性や魔法についての座学をしっかりやることに

する。


その分運動は室内でできるものしかできないけど、俺が子供だからか

多少音を立てる程度では何も言われない。


俺が半人かどうかについては、結局まだ確認できていない。

聞くためには、どこでその概念を知ったか言わないといけなくなるし、

なにより俺が怖いのがあるかな。

そんな差別される存在だと確定するのは、先延ばしにした方が

精神衛生的に良いんじゃないかな。





 移動魔法も、かなりたくさんの種類があるみたいだけど、

俺が目をつけたのは、月属性だ。

月の引力を用いて上に引っ張られて、上下移動ができる。

俺に必要なのは、窓から外に出て地面に出ることが可能な魔法だ。

昼間に廊下から玄関に向かうには、年齢的に幼すぎるだろう。

となると他のルートは、窓から直接出るしかない。


 エレベーターみたいな上下移動が一番原理的に簡単で、

魔法初心者の俺には向いてそうだ。


 後で知ったことだが、子供が自発的に覚える最初の魔法は、

この移動魔法が多いとか。

考えることは、皆一緒だな。

俺ほどじゃなくても、抜け出したいこと多いだろうし、

その為の魔法としてはうってつけだもんな。


 部屋の中で少し浮きあがったのが初めての魔法。

一生この時の感動は忘れられないと思う。

魔法が使えたという嬉しさと、外に出ることができるという期待、

色々混じって胸がいっぱいだった。

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