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第十七話

 主人公が転生者かも知れないと言う疑惑をどう確認するべきなんだろう。

同性愛者だからと言って、俺と同じようにゲームを知っているとは

限らない。

単に、同性愛者の人格が、主人公の人格を乗っ取った可能性があるという

仮説があるだけなんだから。

決めつけで動いても、俺のことがばれていないだろうと決めつけで動いて、

前提が違っていた今回の二の舞になるだけだ。

むしろゲームを知っているなら、そういう世界じゃないとわかりそうな

ものだし。


 堂々巡りをしていても意味がない。

ならば、状況を召し使い達から改めて聞いた。

どのレベルで深刻な言動をしているのかの程度、どの範囲に

知られているのか、父はどう言っているかをキースに確認した。


 俺が得ている情報は、今のところひとつのソースしかない。

そのソースの確実性に疑いはないが、一つのみに頼るのは危険だ。

「私自身は、ご当主様と同衾したことがないのか、と聞かれました。

あるわけありませんとお答えしたのに、あり得ないと言われたのです。

そのようなことを言われるかと次第が屈辱でございます」

 そりゃそうだ。

宗教的にも政治的にもタブーなことをやっていないことをあり得ないなどと

言われれば怒らない方がどうかしている。

聖書にも書いてあるもんな。

『女と寝るように男と寝てはならない。』

 って。

それをまっこうから否定されちゃあ。


 それにゲームでの主人公はかなり聡明だったはず。

そんなことを言ったら相手がどう思うかぐらいは理解できるはずだ。

これは、少なくとも人格が継続していないと理解するべきだな。

「これは、兄が人格を乗っ取られているかもしれない。常識を知らない

存在が兄を動かしていると考えた方が、いきなり性格が変わったと

考えるよりは、まだわかる」

「そんなことがあり得るのですか?」

 常識的な意見だな。

俺は俺と言う実例を知っているが、普通は知らない。

「事例は調べてみないとわからない。だが、悪魔憑きと言われる現象が

近いのかもしれないな」

 悪魔憑きは、実際に悪魔が憑いているとは限らない。

子供が親の虐待に対するSOSであることも多いからだ。

親からの虐待は止めてほしいが、親を悪くも言えないジレンマが悪魔的な

言動になるそうだ。


 とはいえ、悪魔が人格を乗っとることは確認されている事実だ。

そして、その悪魔とされる存在に俺と同じ転生者がいた可能性は高そうだ。


 範囲については、基本屋敷の中だけではあるようだ。

ただし、この前の依頼のような来客に対しても気にしない。

俺の前世とは、異なる文化圏にいたのかな?

頭痛くなってきた。

せめて、相手に失礼かどうか考えないのかよ。


 最後の父については、実際に会って確認くださいか。

荒れなきゃいいけど、無理だろうな。

今まで隠してきた自業自得だけに、自分で解決するしかないか。

聖書の文章は、旧約聖書からお借りしました。

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