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第十六話

 試験を実施した彼らの話を聞くに、主人公は、無警戒に自分の性癖を

表に出しているようだ。

ならば、せめて周りに警戒してもらうぐらいはできないかと画策する。

だが、魔法や剣術は幼い頃からの頑張りで優秀と認めてもらえる俺でも、

絡め手的なことは、経験がないから実のところ自信がない。

それでもやるしかないのが実情なんだけど。


 まずは、カエサレアの近くで同性愛での処罰例がないかを調べた。

父や屋敷の人達も知っているような事件の方が、共通認識をもとに話が

できるしさ。

俺が説明するには、俺への評価を改めさせないといけなくなると思うし。

それはそれで、せっかく今まで積み上げてきた努力が無駄になりかねない。


 幸いなことに、一年ほど前に、客との間の同性愛的関係を理由に

財産没収と共に一族全員奴隷に落とされた商人の話を知ることができた。

本人は最後まで否定していたが、相手が自殺したこともあって同性愛を

していなかった証拠を提出できなかったとのこと。

反省彼らは、自ら死を選び魔の崖から飛び降りた。


 ……ってこれ、よく考えなくても冤罪くさいな。

商人の財産を狙った役人が仕掛けたと思うのは、陰謀論過ぎるかな?

飛び降りたと言うのも、自発的か嘘臭いし。


 でも一度疑われたら、否定できる証拠を揃えないといけないんじゃ、

そもそも告発されないようにするしかないということか。


この話を偶然聞いたことにして、 召し使い達に話してみよう。

反応を見れば、普段から主人公が見せているのかどうかもわかるだろう。


「テオフィロス様、あなたが聞いてしまうほどに、アルカディウス様の噂は

広がっているのですか!?」

 ……って、動揺しすぎだ。まだ、主人公については一言も言ってないのに

口走るとかない。

しかも、この場にはうちの執事のキースさんもいると言うのに、

止めようともしない。


「なんのこと?」

 敢えて返してみたが、沈黙が返されるのみ。


 やがて、決意したようにキースさんが口を開いた。

「もう、お隠しにならなくて結構です。テオフィロス様、魔術師ギルドの

導師の叡知を我らにお貸しください」


 絶句するしかない俺。

他の召し使い達も知らなかったらしく、目を白黒させる。

暫しの間、静寂がこの場を支配した。




「テオフィロス様が普通の子供でないことは、我々も薄々は存じて

おりました」

 誰からも教わることができていないはずの魔法を使いこなし、日に日に

身体つきが良くなる俺を見てなにも思わないと言うことが

あり得なかったようだ。

だが、俺の父に報告しても相手にされない上に、頭がおかしくなったかと

暇を出された始末。

俺のことは、アンタッチャブル扱いになったとのこと。


 皇帝陛下の特許が出たことで事態が動いた。

父のもとへ、近隣の豪族から祝辞の文が大量に届けられ、俺がどんな

存在かを父も半信半疑ながら認識。

今回の冒険者ギルドへ依頼を出しにカエサレアにキースが出向いた際に、

俺が導師になっていることを知ったとのことだった。

依頼の対象がアルのみとなったのは、試験を主人公が強く希望したことに

より、依頼となったからとのこと。



 ぬかった。

まさか特許がこんな結果を生むなんて。

考えてみれば、一族の快挙に、その家の当主への接触がないはずかなかった。


「アルやゾルは、俺のことを知っているのか?」

 半ば諦めながらも聞いてみる。

「お二人にはまだ話していません。ですが、いつかはお知りになられる

でしょうね。」


 まだ隠せてはいるが時間の問題のようだ。

ああ、どうしよう。



 俺についての解説をされて頭を抱えていたが、

「話を元に戻しましょう。まずは、アルカディウス様の同性愛問題に

ついてです」

 ああ、そうだった。

まずはこれを解決しないと、お話にならない。


 召し使い達は、今逃げ出したところで、連座からは逃げることが

できないと言うこともあり、頭を抱えていたようだ。

「と言うと、今まではこんなことがなかったのか?」

 思わず引っ掛かって確認。

「ありませんでした。最近になってから、急にです」

 となると、何かきっかけがあったんだろうか。


「正確に言うと、テオフィロス様もご存じのお倒れになった時から

急にでした」


 そうなのか………

ってまさか、俺みたいに誰かが転生したんじゃないだろうな。

それが一番あり得そうなんだけど。

自分の今の状態を確認したかったから、試験を受けたがったと言うことも

考えられるよな。


 何より俺と言う実例がある以上、他にあってもおかしくない。

だからと言って同性愛者はないと思いたいけど、現にある以上は対処する

しかないか。

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