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第十四話

途中で視点が変わります。

「初めまして、テオフィロスです」

 我ながら、意識回復したての兄に対する台詞じゃないと思う。

だが、

「誰?」

と聞かれたからには、自己紹介するしかないじゃないか。

主人公からすれば、俺はほぼ初対面なんだし。


「え?嘘!?」

 そんな反応か。

確かに起きたら会ったことのない弟がいれば混乱ぐらいするだろう。

どうしたものかと途方にくれていれば、意外なところから助けが入った。

「半人は、病人に対する対応もできないのか?所詮無能か。この部屋から

出ていけ!」

 ゾルは別にこの場の解決を目指して発言したわけではないのだろう。

だが、俺にとっては部屋から出ていく良い口実だ。

正直、いたたまれなかったから退散するのが吉だろう。


 そして自分の部屋に戻った。

もし、俺の転生事情を知る人があの場にいたら、部屋を出るべきでは

なかったと言ったかもしれない。

結果、主人公の決定的一言を聞き逃すことになったのだから。


「まさか、光輝くアマスの世界に来れるとはね。あたしの望む通りに

してやるわ」



       ~アルカディウス side~

 あれえ?

さっき手術室に入った記憶があるんだけど、麻酔から目覚めたにしては、

変な感覚。

言い争う声がするけど、何かあったのかしら?


 ……これ、病室じゃないわよね?

知らない人だらけ。

でも、カッパ頭の人は、どこかでみたことあるような。


「誰?」

 自然に口が動いたわ。

「初めまして、テオフィロスです」

 でも、一人が自己紹介してくれた。

テオフィロス?

どこかで聞いたことあるような。

「え?嘘!?」

 そんなことあるわけないじゃない。

アンチBL何て言って、隠しルートに濃厚なBLがあると思わせて、

本当に何もBLがなかった同人ゲームにカッパ頭とこの名前の組み合わせが

あったなんて。

よく自分を見てみると、背格好が違うわ。

何より、足の間に何か違和感がある。


 テオフィロスと名乗った男の子が何か叱られているようだけど、

とても気にしていられない。

でも、彼はゲームで無能の代名詞だったテオなのかしら。

どんな人でも、子供時代は多少かわいく見えるのね。


 テオがいて、カッパ頭がいるとなると、あたしは誰なのかしら。

消去法からすると、ゾルかアルよね。

ゾルだったら嫌ね。粗野でテオのことを悪く言う割には五十歩百歩な

実力しかなくて。


 でも、そんな心配は無用だったわ。


「アル、大丈夫か?無能な邪魔者は追い払ったから、ゆっくり休め」


 あたしはアルであるようね。

良かったわ。


 せっかく得られたこの立場、活かさない手はないわ。

「まさか、光輝くアマスの世界に来れるとはね。あたしの望む通りにしてやるわ」


 ゲームではルートすらなかったイケメン達とのハーレムを実現する

良い機会よ。

まずは、ゾルとテオを踏み台にして、アルの優秀さを知らしめないと

いけないわね。




        ~テオフィロス side~

 ブルッ。

なんか、寒気がするな。

理論のレポートを今夜のうちに書き上げちゃ終うと思ったけど、

風邪ひくのも嫌だし、早めに今日に寝るか。


 今日は疲れたな。

アンチBLのゲームの世界に腐女子が転生しました。

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