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父の独白

視点が変わります。

差別描写が苦手な方は、ご注意ください。

 私は、マジカロス=カッパドキウス。

帝国騎士の一員である。

我がカッパドキウス家は、(略)という歴史があり、誇り高き一族である。


 私の子供は、2.5人いる。


 一人目の子供は、ゾルディアス(以下ゾル)九歳だ。

はじめて出来た子供だからと、思いっきり可愛がって育てた。

だが、それがいけなかったのかもしれない。

わがまま一杯で、勉強させてもすぐサボり、まともに読み書き

できるのは、自分の名前ぐらいというありさまだ。

かといって、運動が得意なわけでもない。

プレゼントをあげても気に入らなければすぐに捨てる。

絵本など、一回で放り出した。


 成人するためには、卒業しないといけないアカデメィア学園入学まで

あと六年あるが、改善の兆しがない以上廃嫡すべきか悩んでいる。

父として、子を見放したくなどない。

だが、カッパドキウス家の将来は常に考えなければならない。



 その点、次男のアルカディウス(以下アル)七歳は、優秀だ。

騎士の一族に必要な礼儀作法はすぐに覚え、一度覚えたことは間違えない。

簡単な読み書き計算は覚えていて、そろそろ魔法を教えはじめても

良いのではないかと、考えている。

ゾルと違って心優しい子供であり、召し使い達からも慕われている。

アルならば、ゾルを廃嫡しても問題ないと思えてしまうのも、苦悩の種だ。

アルは運動能力も、年齢のわりには優れており、二歳上になるゾルが

喧嘩を仕掛けても、軽くいなしている。

アルがなぜ次男なのか、もったいない。


 テオ(五歳)はよくわからない。

元々がアカデメィアの制限が一家で同時に二人までしか通えない制限が

あるため、嫡子なのに入学できないゆえに卒業できず成人できないという

理由で、長男の五歳下までに次男が生まれた場合は、夫婦の営みをしない

慣習対策に愛人を囲って産まれた子供だ。

だが、よりにもよって男に産まれよって。

これが女の子なら、半人でも幸せになることが出来た。


 産まれてしまったものは仕方ない。

成人する年齢である20歳までは、育ててやる。

愛人は、子供を産んだ際にまとまった金を渡して暇に出した。

ゾルからカウントで、妻との間に子を設けても、学園に通うことが

できる年齢差になるし、半人の男を産むような女とは、手を切らないと

いけないからな。


 テオとは、どう接していいかわからず、召し使い達に丸投げした。

病気にもかからず、夜泣きもせず、手がかからないとのことだが、

報告を受けるのも面倒になり、何かなければ、勝手にやっていいと

言い渡した。


 誕生日の度に年齢が増えたと報告がある以外は、何もなかった。

だが、今日大きく動いた。


 きっかけは、些細なことだった。

たまたま普段、決まった時間以外は誰も入らないテオの部屋に時間を

間違って召し使いの一人が入ったことで始まった。

 当然いるはずのテオはおらず、窓が空いているために、

下に落ちたのではないかと騒ぎになった。

窓の下はなんともなっておらず、ならばどこに行ったと探し始めた

とのこと。

捜索の最中にテオの部屋から、『はじめてのおべんきょう』等の

初等教育向けの本が見つかったことで、一気に大事になった。

屋敷の者は、誰も半人のテオにまともな教育などしていない。

それなのに、これらの本がこの部屋にある意味は……まさか、

あり得るはずがない。


 自発的に学んでいたなど。


 そこへテオが帰ってきた。

最初は誤魔化そうとしたようだが、すぐに魔法を使って外に出ていたと

発覚。

優秀なアルですら、七歳の今魔法を習わせようとしていたのに、

既に五歳で使っているばかりか、自力で学んだという。

正直、自分が何を報告されているのかわからなかった。

能力が劣る半人ですら出来ることをゾルはもちろん、アルですら

まだできないでいるのだ。

それどころか、私自身、外に出た際についた汚れを清掃するような

魔法は使えない。

騎士には必要なく学ばなかったのはあるが、それにしてもである。


 だから、ゾルのことで苛立っていたこともあり、テオに自分の身を

弁えるように諭したのだった。


「半人が何を粋がっている。学問なんてしても、半人が学べるわけなかろう。無駄なことはするな」


 テオはショックを受けたようだが、どうせいつかは知るべきことだ。

それが早くなっただけのこと。

そう思うことにした。

婚外子は半人と呼ばれるだけあって、人数を数える際は、

0.5人と数えます。

省略されたカッパドキウス家の歴史については……ごめんなさい、

特に何も考えていません。

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