憧れの家
最近、重大な決断を迫られる岐路に立たされました。
憧れの家があった
どうしても行ってみたい家があった
そこに何があるのか 誰がいるのかは知らない
でも 楽しくて 充実していて
最高の幸せを感じられる場所だと思っていた
ただあの頃は その家がどこにあるのか知らなかった
その家を探す術さえ知らなかった
ただ何となく その家に行ってみたくて ジタバタしていただけかもしれない
遠い 果てしなく遠いところにあるんだろう
そう思っていた
あれから十数年
やっとその家を見つけた
散々遠回りしたのに
その家はすぐ近くにあった
何となく中の様子が見える
でも入ってみなければ そこがどんな家なのかは分からない
やっとたどり着いた家
誰が迎えてくれるのだろう
どんな世界が待っているのだろう
そんな思いを込めて
その家の玄関を開けようとした
開かない……
押しても引いても
そのドアはびくともしない
何年もさまよい
やっと辿りついた家なのに
ドアは固く閉ざされたまま
中の様子を見せてくれない
やっとここまでたどり着いたのに
どうして中に入れてくれないんだろう
家の中から 楽しげな声が聞こえる
多くの人たちの 楽しげな声が聞こえる
もちろん 楽しいことばかりじゃない
そんなことは知っている
これまでの道のりより 遥かに苦しいってことも知っている
でも 入ってみたいんだよな
つらいってことは分かってても
自分があこがれていた家だし……
この家に入るためには どうすればいい
合鍵を見つけるか
いや 合言葉で開けてくれるのか?
違う
どうやら高額の入場料がいるらしい
そんな金あるわけないし タダで入った奴だっていくらでもいるじゃないか
もちろんそれなりの努力をしたから この家に入ることができた
そんなことぐらい知ってるよ
だから どうすればいい
だから 努力したらいい ってことか
また一から出直しか……
でも 何かを掴んだような気がする
そのドアをこじ開けるための何かが
目の前に転がっているような気がするんだよな
憧れの家の前
絶対に入ってやる
そのためにやるべきことは……
最初の一歩から もう一度歩いてみるか……
生まれて初めて、「詩」のようなモノを書いてみました。
実際、こんな心境です。