1-5 らしいです
ドミニオン自治領国は大小の島が点在する内海にある。島々を鉄橋や陸橋などで繋ぎ、雑多な人種と卓越した航海術をもつ海の民であった。民が選んだ代表は国主を選出、強力な軍隊と優秀なその他の部を要する。身分に差はなく実力があればどんどん登用する。
若くして国主になったホクガンは、普段はサボり魔のボンクラだが絶大なカリスマ性を持ち、豊富な知識と決断力、突飛な発想(ひらめきといえ!もしくはインスピレーション!)で政治を運用するやり手である。
そして 幼馴染であるガツクとダイスは、こちらも軍部で攻撃部隊の雷桜隊をガツクが、遊撃部隊の霧藤隊をダイスが預かる大将の地位にいた。
ちなみにその他の各部隊の大将を守護部隊の波桔梗隊をグレン・ハーデット、武器開発製作部隊の雪菫隊をジエン・ガトウ、諜報部隊の雨牡丹隊をシラキ・ディグニーが務める。
これらの部署が詰める白亜の巨大な城を総所と呼ぶ。
モモコの飼い主となったテンレイは総所の[奥]といわれる 主に要人へのレセプション、イベントの計画と準備、食事等の管理、総所内の清掃管理、事務管理にいたるまで雑多な事柄を一手に引き受けさばきまくる大変優秀な女性である。
モモコは一応、珍しい生き物なので大切に飼われていた。
テンレイの やや少女趣味の部屋の中で外に出ることはないものの平穏な日々を過ごす。
ただ自堕落に過ごしているわけではなく 書物などを呼んでこの世界にについて学んでいた。
それでわかった事はここは自分の世界ではない事。不思議なことに喋っている言葉や物やその意味、文字などは一緒なのにモモコのいた世界とはまるで違うのである。
ますます混乱しそうな状態ではあるのだが、静かな環境におかれたのがよかったのか充分理解できた。
テンレイについてわかった事は先の仕事の事と年齢27歳、そしてかわいそうなことにあの男の妹であること。
奴の顔はあれからまだみていないが。
テンレイは今年37歳になる国主のことを「お兄様も早くいい伴侶をみつけてくれればいいのに・・」といっているがあのデリカシーのなさでは無理だろうなぁというのがモモコの意見だ。
あと他に軍部と仲が悪いらしい。
国を守るという自負があるからか、細々とした奥の仕事を軽んじるところがあるらしい。
特に雷桜隊とは廊下などで出くわせば一触即発な感じになるらしく、お互い フン!ってな場面になるらしい。らしいらしいといっているのはまだ雷桜隊を見たことないから。
まぁ こんなとこ(テンレイの私室。完璧ナワバリ内である)までこないだろうけど。