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偏屈さんと一緒  作者: ロッカ
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1-4 気づきました

前回の会議の様子を聞いて、


「やはり行きたくない。」と言い出した国主を二人は両脇からガッチリ固めて連行して行った。


会議場では待ち構えていたガツクによって、素っ裸で巨大な氷柱を抱かされた上ブリザードの中を行軍させられるかの様な会議が行われた。(休息なし)


全行程が済み急いで退出しようとするホクガンの肩をガッチリ掴んだガツクは言った。


「ホクガン 話がある。」


ガツクの執務室の隣は応接室になっているが、たまに いやよくある頻度でホクガンとダイスの説教部屋になる。


「お前は仮にも一国の主だぞそれをなんだ会議はサボるは書類わ溜めるわこれでは若いやつらに示しがつかんいつまでも根なし草のようにフラフラしおって大体日頃の生活からして---」


(俺ってこの国で一番偉かったような・・・しかしよく2時間も説教できるなコイツも)


聞く体勢はもちろん正座である。




ところ変わってテンレイに奪取されたモモコは重大なことに気づいていた。


(手が!猫っぽくなってる!っていうか猫になってる!)


ここ一番びっくり仰天な事実である。なんだこれどうしてこんなことにとあわてるモモコと


「カワイイ~じゃれてるわ。」


まったく見当違いの方向にいるテンレイ。当然ではあるのだが。テンレイの私室らしい部屋に入り、優しくタオルで拭いてもらい、ブラシで毛並みを整えてもらうと


「まぁ!あなたってピンク色をしているのね!」


(えええー!ピンク!??)


「ただでさえ珍しいのに輪にかけてめずらしいわ。」


「猫じゃないです!私 人間です!」と叫ぶも 悲しいかなでた言葉は


「みゃお!にゃあにゃあ!」だった。


「大丈夫。わかってるわ。」


(えっ!)


「お腹がすいたんでしょ?今持ってくるから待ってて。」


ガクーッ!一瞬の期待は一瞬で消えた。


なにがいいかしら~と鼻歌を歌いながらテンレイは去った。


一人 いや一匹残されたモモコはきょろきょろと辺りを見渡し、事実を確かめようと 鏡台を見つけるとバランスを崩しながらなんとか到着した。恐々 鏡を覗き込んでみると


「うそでしょ・・・」


そこにはピンク色をした猫がいた。ひげは白い。瞳は茶色にグリーンがはいっている。


「瞳の色は一緒だなぁ・・私これからどうなるんだろう・・」


ここで己の姿を直視したモモコは現実を受け入れ・・受け入れ・・受け入れられるかぁ!!

どぉうなっとるんじゃぁぁ!!!死んだとおもったら!空から落ちて!水に落ち!男に拾われ暴言を吐かれ!あの男いつかコロス!美女に優しくされ!これはいい!しまいには猫になっていただとぉぉ!


・・どうりであの人達が大きく見えたはずだよ・・あの人達が大きいんじゃなくて私が小さいんだ。


納得したくはないが納得した。


モモコが動揺しつつも現実を受け入れようとした時、テンレイがミルクとふやかしたオートミールを持ってきた。慣れない口で四苦八苦しながら飲み、鼻から噴出したモモコは


本当は夢オチ・・なわけないか・・鼻 痛いしな・・


笑い転げるテンレイを見ながらまたもや現実をしかも全力で拒否しかかった。



モモコは 猫になったから皆が大きく見えたと思ったのだが、この国の平均身長は男性が2mほど、女性が180㎝ほど、そして恐ろしいことにこれから出会う事になるであろうガツクは、2m78㎝の大男なのをまだ知らない。



猫だとしても鼻から噴出はまずいですかねぇ

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