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ゲーム初心者でも Freelife World Online で頑張れます  作者: 漣 蒼月


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ゲーム初心者、クエストをする

 ナイフを投げて注意を引き、至近距離まで来たスライムを突き刺すという狩りを繰り返し、投げナイフの予備がなくなったので街に戻ってきた。

<投げ>のスキルレベルが2に上がると、『スロウ』という技を習得したことでペースが上がったのはありがたかったな。どういう技かというと、


『スロウ』

<投げ>スキルの基本的な攻撃スキル。遠距離武器よりは射程が短く威力も低いが、素早く放つことができる。


 とシンプルな性能をしているけれど、ぼくにとって大事なのは、狙った場所に真っすぐ飛ばせるということ。へろへろな軌道ではなく、真っすぐに向かっていくので格段に命中精度が上がったのが本当に便利なんだよね。おまけにクールダウン時間もかなり短く、届くギリギリで1本目を投げた後にスライムが至近距離まで迫ってくる頃にはもう使えるようになっているから、その気になれば距離を取ってまた使うことができる。

「これって足が速くなれば本当に<投げ>だけで戦えそうな気がするなあ」

<FWO>はスキルがキャラクターの強さとして表されるのだけど、いわゆる<STR>(筋力)や<DEX>(器用さ)といった基礎ステータスはレベルアップでは強化されない。スキルごとに参照されるステータスが決まっていて、たとえば<片手剣>なら<STR>と<DEX>が半分づつ、<投げ>なら<DEX>のステータスが高いほどボーナスがもらえる仕組みになっている。じゃあその基礎ステータスはどうすれば上がるのかというと、スキルを使い込んでいくと影響するステータスが少しづつ成長していくらしい。帰り道を歩きながらヘルプを読んでいるとそのあたりのヒントが見つかった。

 スキルはレベルアップを続けていけば進化してさらに強力なものになるし、使っていくだけで少しづつ基礎ステータスが強化されていくのだから上げていくことは目標としてはいいかも。

 そして取得していないスキルは街にいるスキルトレーナーにお金を払う、職人NPCから教わる、クエストクリア等で覚えることができるらしい。お金は現状足りてないし、製作は<調合>があるし、クエストはどうやって開始するかも分からないので今は増えないかな。

「お金、かぁ。そういえば<調合>にも道具って必要だよねえ。どれぐらいかかるんだろ」

 ナイフの補充もしたいので商店街へと歩を進める。こちらはNPCがお店を構えていて、消耗品や食材などの原料、基本的な装備品を揃えることができるので初心者から上級者までそこそこの人で賑わっている。

 まずは戦利品をお金に換えてナイフの補充から。

 いらっしゃい、と武具屋に入ると店主らしきおじさんに声を掛けられる。

「こんにちはー。投げナイフって売ってますか?」

「ああ、あるよ。5本セットで鉄貨50枚だがいいかい」

 1本あたり鉄貨10枚かぁ。10セット50本買ったら全財産だね。

「意外とするんですね......ここで戦利品の買い取りもしてもらえますか?」

「なんだい、駆け出しかい?買い取りもできるよ」

「じゃあこれの買い取りをお願いします」

 スライムの核を全部とスライミーオイルを半分見せる。

「ふぅむ。これなら銅貨4枚と鉄貨90枚ってとこだけどおまけして銅貨5枚でどうだい」

「ありがとうございます!それでお願いします!」

「その代わりといっちゃあなんだが、ちょっとしたお使いを頼まれてくれんか?」

「えーっと、戦わないならいいですよ」

「ああ、それは心配しなくていい。兵舎に届ける武具なんだがちっと量が多くてな。往復するのも手間だから運びきれない分を届けてほしいんだよ」

「それぐらいなら大丈夫ですよ。場所さえ教えて下されば」

「助かるよ。じゃあ買い物が済んだらよろしく頼む」

 ギルドの時から思ってたけど、NPCと言うには生き生きしているというか、まるで本当の人間みたいな会話だよね。後でお姉ちゃんに聞いてみよっと。

 そうしてお使いクエストを受けて投げナイフを6セット購入してお店を出る。

 目的の兵舎は門の横の兵士さんが待機している建物だった。そこに依頼の武具を届けて残りはお店の人が持ってくることを伝え、再び武具屋に報告に戻る。

「おじさん、届けてきました」

「おう、お使いなんか頼んで悪かったな」

「いえ、お気になさらず」

「じゃあこれはお礼な。駄賃程度ですまないが」

「いいんですか?ありがとうございます」

 街中のおつかいで銅貨1枚はちょっと色を付けて貰えた気がする。

「また買い物に来てくれな」

「ええ、また来ます」

 店を出て所持金を確認。最初に持っていたのが銅貨5枚、戦利品を売ってナイフを補充した残りが2枚、お使いの報酬で1枚の合計8枚。

 ナイフが5本で鉄貨50枚だったから、スライムを無傷かつナイフ2本以内で倒すことができれば黒字だね。リサイクルできないから普通よりお金がかかる気がする。そのうち何とかしたいなぁ。

 続いて道具屋さんへ。買えるかは分からないけど調合のための道具は見ておきたい。

「こんにちは」扉を開けて中の店主に声をかける。

「いらっしゃい。見ない顔ねえ。冒険者さん?」恰幅のいい女主人さんだ。

「はい、今日ここに来ました」

「あらあら、若いのに大変ねえ。ご飯はちゃんと食べてる?」

 すごく世話焼きな人の予感がする。

「まあまあです。それで、調合道具ってここで売っていますか?」

「そうよねお買い物よね!あるけど初心者用のものでいいのかしら?」

「はい。おいくらですか?」

「これは銅貨8枚よお。お金は持ってる?ご飯代とか泊まる場所のことも考えてお買い物するのよ?」

「う、8枚......ちなみにご飯とかってどれぐらいかかりますか?」

 全財産がきれいになくなってしまう。

「そうねえ、素泊まりなら1泊銅貨2枚、朝食つきで3枚かしらねえ。女の子なんだから野宿しようとか考えちゃ駄目よ?」

 ゲームからログアウトする際は寝床に入ることで安全にログアウトできるけど、そうでない場合はキャラクターがその場に残されるため危険な場所だと次にログインするまでの間にやられてしまっていることもあるらしい。それはちょっと遠慮したい。

「スミマセン、ちょっと持ち合わせが足りないみたいなので出直してきます」

「それがいいわ~。無理して買っても仕方ないものね。次はお買い物しに来てねえ~」

 退店。少し気まずかったのだけど店主さんは気にした風でもなかった。きっとよくあるんだろうな。

「そういえば食事も必要なんだったな。今はまだ問題ないけど」

 ステータスを開くと満腹度と水分量のゲージが半分ほどになっている。これは文字通りおなかのすき具合と喉の渇きを示していて、2割を切るとHPやMPの自然回復が止まり、0になると逆に減り始めるという重要なパラメータ。回復するにはもちろん飲み食いすればいいし、飲食物には追加効果があるものも数多くあるのでお金に余裕があればそういったものも食べたいところ。宿屋の朝食が銅貨1枚の追加って言ってたし、お店で売ってるものはそれよりは高いんだろうな。

 1日に銅貨6枚ぐらいは生活費としてかかるとして、それ以上のお金を稼ぐにはスライムを倒しているだけでは足りない気もする。

「そうだ、ギルドの依頼っていうのも見に行ってみよう」

 実力が足りなくても受けなければいいんだ。見るだけならタダっていうしね。

 そう考え、今度はギルドへ。

「こんにちは~」

「あら、さっきの。シズさんの妹さんのミィさんですよね。どうしました?」

「ミノリです。何かぼくでもできるクエストがないかなって思って」

 そういえば名乗ってなかったなと改めて名乗る。

「そうですね。ミノリさんの実力(スキル)だと、このあたりはいかがです?」

 提示されたのは、

・スライミーオイルの収集

・プレインラビットの狩猟

・ヒールルートの採取

の3種類。スライミーオイルはもちろんスライム、プレインラビットというのはあの大きめのウサギなんだろう。オオカミはもう少し強いのかな?あとは......

「このヒールルートって何ですか?」

「ヒールルートは薬草の根ですね。葉の方より効果が強いのでその分上質なポーションの原料になっています」

「葉の方はいらないんですか?」

「今回の依頼では根の部分だけの納品なので、葉はご自身で回収して問題ありませんよ」

 つまり薬の原料と報酬でお金が同時に手に入るってことかな?

「じゃあこれ受けたいです」

「かしこまりました。ヒールルート20本の納品よろしくお願いしますね」

「いってきます」

 そうして再び街の外へ。

「受けたはいいもののどれが薬草なのか聞けばよかったな」

 他の草と比べて目立つ植物を探してみることしばらく、青々とした葉に小さな赤い実をつけた植物が見つかった。早速<鑑定>スキルを使ってみると──


<ヤク草>

全体が癒しの力を持つ薬草。効能は葉より根の方が強く、実には効能がないが甘く美味しい。根を採取する際は周囲の土から掘ること


 薬草の名前がヤク草って安直すぎない?わかりやすいからいいけどさ。

 納品するのは根っこの方だから掘る必要があるけど、スコップは持っていないので投げナイフを使って慎重に掘っていく。周囲の土ごとヤク草を持ち上げ、揺すって大まかに土を落とす。根を傷つけずに収穫できたね。

 ようやく1株取り終わり、インベントリにしまう。見つけてから1株の収穫まで5分ぐらいかな?これが20株だから結構時間がかかりそう。

「どこかに群生地とかないかなぁ。さすがに効率が悪すぎるよ」

 ともあれ、ヤク草の見た目は分かったので次からは探しやすくなると思う。群生していないか探しつつ行動範囲を広げていこう。


 そうして平原をうろついてしばらく、目標の20株を採取し終わったのでギルドに戻る。群生地とはいかないものの、数株がまとまって生えている場所もあって思ったほど時間はかからなかった。

「薬草の根、取ってきました」

「ありがとうございます。確認しますね」

 受付カウンターに取り出したヤク草を並べる。

「葉は分けていませんけど、このままでいいんですか?」

「それなんですけど、どこから切ればいいのか分からなくてそのまま持ってきました」

 変なところで切って効果がなくなりました、じゃ手間がかかるからね。

「ああ、なるほど。ここで切れば大丈夫ですよ。では根の部分だけ回収しますね」

 投げナイフを便利なナイフとして使ってるけどやっぱり専用のナイフが欲しいな。これじゃキッチンナイフ兼スコップだよ。

「はい、20本の納品を確認しました。ありがとうございます」

 報酬は銅貨5枚。葉の方は自分で使えるし戦わずにもらえるお金としてはこんなものかな?

「ありがとうございます。こういった依頼っていつもあるんですか?」

 調合道具買ったら素材を集めつつお小遣いももらえるこういう仕事はオイシイよね。

「そうですね、今日の依頼はおおよそいつでもあるものですね。時々依頼人のいる仕事が募集されることもありますよ。そういった仕事は報酬も高めなので受けていただければ。ただし、失敗した際は依頼人への補償も必要になるので慎重になさってくださいね」

 だよねえ。今のぼくにできるのはスライム狩りと薬草採取だし、それ以外はまだ受けるには早いかな。

「わかりました。また来ますね」

 そう言ってギルドを後にする。これでなんとか調合道具と一泊分のお金は溜まったね。

 時間を確認すると、もう現実世界では夕方になっていた。今日はここまでにしてご飯の用意をしよう。それからお姉ちゃんに今日の事を話そうかな。

 そう考えつつ宿屋に行き、素泊まりで1室を借りてログアウト。明日は調合道具を買ってこよう。

スキル:<片手剣>Lv.3 <投げ>Lv.3 <鑑定>Lv.2 <調合>Lv.1 <見習い製作者>Lv.1

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ゲームって手探りで何かをしている時が一番ワクワクすると思います。

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