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黄金比を破れ-Part7

ヴェクターラ神殿に辿り着いたフレンたち。

重たい石の扉をこじ開け、僅かな隙間から中に入る。

しかし、その先には“圧倒的強者”が待ち構えていた!


——《狼の番人》なる者.....。


フレンとヴィーナス、そして新たな仲間“ペドロ”は、

その入れ知恵で狼の番人を撃破するべく立ち向かう!

——神殿についた俺たちはある事に気がついた。


「フレン。お前の能力って素直に凄いぜ。こんな異常な空間でも、以前のお前を知っている俺からすれば、お前がいるってだけで安心出来るぜ!」


ペドロが褒め言葉を漏らす.....。


「フレン。エーテルは持っておいて欲しい。万が一に備えて、君が一番戦えるからね。僕も助力は出来る。ペドロは分かんないけどね。」


ヴィーナスはペドロを嫌らしく見る.....。


「俺だって!ヴェクターラから授かった力があるんだ!そこら辺の有象無象と混同すんじゃねぇ!」


そして、ペドロは激しくツッコミを入れた.....


「神殿の門.....開けるぞ。」


3人が精一杯押して若干開いた程度だ.....

——この石の門.....かなり重い。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


——微かに開いた隙間から神殿に入ると、

中央には美しいステンドグラスがあり、

大きな階段の先に祭壇がある広間へと出た。


「おい.....何かいやがるぜ.....あれ!」


——ペドロが祭壇に向かって指を出す!


その先に待ち構えるように待っていたのは、

全身が彫刻された黒い鎧を装備して、

巨大な槍、そして盾を持った《番人》だった!


「待っていたぞ侵入者共。お前達が暗号の中に入り込んだ事によって、このアストラルに誤算が出来た。この入り口にある暗号を正すために、私が来た。」


——奴が顔をこちらに向ける!それは夜空に等しい光沢を持つ毛で覆われた、《狼の番人》であった!


「私の認証で直す。ーー貴様らは始末しよう.....」


——奴が祭壇から大きく飛び上がって来る!


「まずい.....!フレン!ペドロ!」


——俺達は狼の番人が着地した衝撃で吹き飛ぶ!


「く.....ぐぅ.....くそぉう。なんて威力だ。」


俺の脚に掠っただけで傷が出来る!

——なんと.....暗号と化している!

ヴィーナスとペドロが立ち上がる!


「ペドロ!奴の能力が読めるか!?」


ヴィーナスはペドロに呼びかける!


「こいつ.....読み込めねえ.....エラーが出てるようだ。能力の数値が見えねえから、何も理解出来ねえ.....」


番人が槍をペドロに向かって突き進める!


「フレン!クレイモアだ!」


——俺はクレイモアを手に取り、

自分の身に宿っているエーテルを作動させるため、

アミュレットを首にかける!


番人の槍はペドロの頬を掠って、

巨大な石柱に叩きつけられた。

番人は槍を抜き出して薙ぎ払おうとする!


「おう。見えるぞ。デカいからな。」


俺はクレイモアで奴の槍を受けてみる。


「ガッキンッ!!」


——鈍い金属音と共に槍に傷がついた!

しかし、クレイモアの刀身が暗号化している!

即座に刀身を戻そうとしても戻らない!


「畜生、どういう事だ。」


俺は冷静に頭を巡らせる。

その間に、番人は再び槍を突き立てて来る!

——次は受けずに避ける!


「フッ!」


俺は下に掻い潜るステップで避けた。

すると、番人が手に持つ盾を振り下ろす!

その盾は硬く、絶対に受けられないだろう!

俺は再び掻い潜るようなステップで回避した。


「おいフレン!」


——ペドロが叫んだ!


「お前の能力が見えるぜ。お前、物理攻撃が絶対に当たらないんだ。今のも、この速度と精度の攻撃を掠りもせずに避けているだろう!」


確かに。俺は番人の攻撃を完璧に避けられた。

ペドロは皮一枚でギリギリ避けたというのに.....。


「こっからだぜ!茨でコイツを絡ませる!」


ペドロが茨の魔法陣を発動させ、

番人に向かって巻きつける!


「こんなものが通用するというのか。物理の魔法の最下位の能力よ。もはや、使い物にもならん足止めだ!!」


番人は茨の拘束を即座に解除した。

次の瞬間!青い弾丸が番人に命中する!

ヴィーナスが魔法で援護してくれている!


「ペドロ!どうすれば良いか教えてくれ!」


——俺はペドロに能力のことを問う!


「お前は刀身を奴にぶつけてはいけねえ!俺と戦った時に放った刃の波動を奴にぶつけるんだ。無駄な動きをせずに連続して斬りつけろ!」


俺はペドロに言われるがままに斬り払う!

俺は無造作な動きではなく、縦横無尽に

無駄のない連続斬撃を繰り出した!


「なんだこれは.....斬撃を繰り出すごとに波動の刃が強くなっていってる!」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


一瞬の間が空き、斬撃の波動が番人に直撃する!

——連続した波動が次々と番人に直撃する。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「なんだ.....これはぁ.....斬られるごとに体力がみるみると無くなっていく.....仕方あるまい。」


番人は苦し紛れに懐から光る印を取り出した!


「私はアストラルの番人である限り、暗号を乱すものを狩り続ける。盾に印を.....狂いのない黄金比の世界をヴェクターラと共に作るのだ!」


狼の番人は、盾に印を近づけた。

——そして、印と盾は融合し、

黄金比の盾となったではないか!


「この盾は必ず物理を乱さない。全てを受け止め、全てを破壊する盾だ。お前たちはこの暗号の中で、永遠に乱れない世界の一部と化し眺めるが良い!」


黄金比の盾が輝く.....美しく幾何学的だ。

奴が盾を地面に降ろし、バッシュする!

黄金の波動が俺達に直撃した!


「グワァ!!」


絶対に壊れることのない波動.....。

俺達は神殿の外にまで放り出された。


「クズめ。神殿に入る価値もないわ。」


番人は再び黄金比の盾を構える。

そして、勢いよくバッシュする!

黄金の波動が、俺たちに襲いかかる。

——その波動はペドロとヴィーナスに直撃した。


「んぉ!?なんだ。黄金の波動が通用しないだと?」


その途端、俺のアミュレットが激しく光った。

俺のクレイモアが暗号化された部分を帰化し、

——美しい刀身を再び甦らせる!


「お前の実力.....まさに進化している.....その力、解像度を上げれば読めないこともないが、恐ろしい。貴様の力は黄金比の波動も通用させないだと.....」


俺は刀身が新しく赤色に輝くクレイモアを構える。


「番人、お前を倒す。暗号を帰化できた今、お前なんて敵ではない。俺はフレン。オーラリスの騎士だ。ヴォイドリアの悪魔を打ち破り、雑貨店の店主を助けるんだ!」


俺は無駄のない斬り付けを連続で行う。

黄金の波動と交差して絡み合うが、

赤く染まった炎の斬撃は、

いとも容易く黄金比を破る。


「お前.....放浪騎士か.....故郷を追われたのか?」


狼の番人は黄金比の盾を掲げる。


「黄金比、それは抜かりない美形の比率。」


番人の周囲に幾何学的な模様が浮かび上がる。

崩れることがない、完璧な陣形だ。

それと共に凄まじい気迫がある!


「これを乱せば、お前の暗号も乱れるぞ。お前が私に本気を出させた地点で勝ち目はない。お前はこの領域に侵入した途端、暗号化されたからな。お前の暗号と私の黄金比を同化した。破るならば、お前自身も破られるまで.....」


こいつ.....!なんて厄介な能力だ。

全く手出しができないぞ!

何とかして暗号の同化を解除しなければ!


「ペドロ!ヴィーナス!大丈夫か!」


俺はペドロとヴィーナスに声を掛ける!


「俺の暗号とこいつの黄金比が同化してる!この陣形を破れば、俺も破れてしまう!なんとかできないか!

ペドロ!」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


——ペドロが立ち上がる。

彼は静かに立ち上がって

番人に向かって歩いて来る.....。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「黄金比は完璧な陣形だ。エラーも何もない.....」


——は!.....俺は瞬間的に理解した!


「番人。残念だったな。お前には圧巻だぜ。ただな。お前の能力を数値化して見ることが出来る俺を相手にしたら不味かったんじゃねえのか。俺はお前の能力が今.....見えるんだぞ。この目でハッキリ。フレンの暗号と同化してる要因が!ハッキリ見えるぅ!」


ペドロは俺に向かって叫ぶ!


「おいフレン!黄金比を破れ!そうだ、その黄金比の陣形を生み出している盾を壊すんだ。槍を捨てたことによって暗号化されたエラーは消えているからな!」

凄い.....凄いぞペドロ!


——俺は番人に向かって走っていく。


「お前の黄金比を.....破る!」


俺は奴の盾に剣を突き立てる!

しかし.....その完璧な盾が壊れない!

まずい、どうしたら良い.....。


——いや、迷うな。考えろ.....!!


「気づいたぞ!あの槍によって暗号化された刀身はエラーを起こす!俺の能力を抑制して、あの槍の能力で剣に暗号化を付与出来れば!あの盾に対して簡単にエラーが起こせる!」


俺はアミュレットを外し、一目散に槍へ走る!

槍は暗号化のエラーが仕込まれている。

俺はクレイモアを槍に叩きつけ、

その刀身をエラーにしたのだ!


「お前!何のつもりだ!.....」


番人の振り下ろす盾を皮一枚でかわす。

しかし、次には黄金の波動が待ち構える。


(俺は今、アミュレットをかけていない.....。)

「!!!!」


俺に.....波動が直撃した.....。

かなりの傷を負ったが、まだ動ける.....。

——奴の盾は殺傷能力が高い。

何とかして掻い潜らなければいけない。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


『ファアアアアアアアアアアアアア!』


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


クレイモアはエラーを起こして崩れ落ちそうだ。

俺が剣を振り下ろした途端、

刃こぼれした刃がすっ飛んでいった!


「まずい.....!!」


 .....が!!


「ぐぅぉお.....!」


——その刀身は.....


番人の盾に刺さっていた!!


「や.....やった!うまくいったぜ?」


黄金比を破ることに成功したのだ!

俺はアミュレットを再び身につける!


「終わりだ!狼の番人!」


クレイモアの刀身が赤く燃え盛る.....。

俺は奴に直接、連続で斬りつけた!


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


——奴は斬撃をくらい、崩れ落ちた。


遂に狼の番人を撃破した.....。


「見事な計らい.....だ.....」


——奴はそう最期に言ったようだ.....。

次回:狼の番人を撃破したフレン。その頭脳明晰な動きで弱点を掻い潜り、最終的にトドメを刺すことに成功した。神殿に取り残された3人は、祭壇の先に入り口を見つけることが出来た。そして、その祭壇に捧げられている人物を見つけた。その人物とは.....。

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