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元・天才ピッチャー、転生先では俺だけが見える“野球スキル”で無双する 〜ケガで終わった俺が、ざまぁと完全試合で夢を取り戻す〜  作者: 猫又ノ猫助
新しい世界で

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第85話 準々決勝試合開始

 バスのエンジン音が、やけに耳に残っていた。


 早朝。まだ眠気の残る空気の中で、俺たち一軍は学校から球場へと向かう専用バスに揺られていた。


 隣の席には春日が座っている。


 窓の外を見つめるその横顔は、明らかに緊張で強張っていた。唇をきゅっと結び、背筋をやたらと正しているあたり、いつもの春日とは違っていた。


「……硬すぎ。肩に力入りすぎだろ」


 そっと肘で軽く小突く。


「う、うるさい。お前は慣れてるかもしんねぇけど、俺は一軍は初めてなんだよ」


「まあな。でも、あんま気負いすぎんなよ。佐野先輩だって、“春日ならできる”って言ってたじゃん」


 そう言うと、春日は少しだけ目を伏せ、息を吐いた。


「……わかってる。けどよ、やっぱ怖ぇよ。佐野さんがあの場にいなくなって、もし俺がなんかしくじって先輩達が甲子園行けないって考えたら、やっぱビビるぜ」


「大丈夫。お前のリード、俺がしっかり投げて支えるから」


 そう言うと、春日がふっと笑った。ほんの少しだけ、いつもの顔に戻った気がした。


「じゃあ、お前が相手バッターにボールぶつけたら、後でしばくからな」


「言ってろ」


 そんなくだらないやり取りをしていると、車内アナウンスが流れる。


「まもなく、球場に到着します」


 途端、車内の空気が少しだけ引き締まった気がした。



 球場の正門が見えてきた瞬間、ざわざわとした何かが胸の中で波打った。


 俺たちを乗せたバスが駐車場へと滑り込むと、関係者ゲートの向こうには、既に朝日を受けて輝くスタンドと、整備された内野の土が見えた。


「……でけぇ」


 春日がぽつりと呟いた。


 俺も同じ気持ちだった。


 ロッカー室に入って、荷物を降ろすと、皆がルーティン通りに動き出す。


 アップ開始までの時間があっという間に流れた。


 ランニング、ストレッチ、軽いキャッチボールからのノック。体を起こしていく中で、徐々に意識が「試合」に向かっていく。


 ──肩は、問題なし。肘も、違和感なし。


(いける)


 フォームもテンポも、いい。


 春日とボールを交わしながら、彼のミットの構えが、最初よりもずっと自然なものになっているのに気づいた。


 目も合う。タイミングも合う。


 ──大丈夫だ。俺たちは、できる。


 やがて、球場のスピーカーからアナウンスが響く。


「それでは、間もなく準々決勝第1試合、明誠高校対早稲田実業の試合を開始いたします」


 その言葉に、胸が一段と高鳴った。


 先攻。つまり、俺たちが先に打席に立つ。


 初回から、主導権を握るチャンスがある。


 ベンチに戻ると、猫宮先輩がすっとヘルメットを被りながら、俺と春日に視線を向けた。


「まずは一本。流れ、持ってくぞ」


 うなずいた。


 ──ここからが、本当の勝負だ。


 <ステータス>

 ===============

 名前:風間 拓真(Kazama Takuma)

 ポジション:投手(左投左打)

 球速:135km/h

 コントロール:C(62)【↑】

 スタミナ:C(62)

 変化球:ストレート2,

     カーブ2,

     スクリュー2,

     ジャイロカッター2

 守備:D(57)【↑】

 肩力:D(57)

 走力:D(55)

 打撃:ミートD(51)、

    パワーE(49)

 捕球:D(55)

 特殊能力:元天才・逆境○・

      ピッチングの心得(Lv2)・

      継続○・意外性・対強打者○・

      打撃センス○・

      ノビ◎・

      強心臓・

      スライディング・

      未来への一歩・

      選球眼・リベンジ・

      負けないエース・

      投打躍動・緩急○


 成長タイプ:元天才型

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