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元・天才ピッチャー、転生先では俺だけが見える“野球スキル”で無双する 〜ケガで終わった俺が、ざまぁと完全試合で夢を取り戻す〜  作者: 猫又ノ猫助
新しい世界で

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第59話 試合当日

 試合当日の朝。


 普段よりも早く目が覚めたのは、遠足の子どもみたいに浮かれていたからじゃない。胸の奥に、ざらりとした不安と緊張が張り付いていたからだ。


 洗面所の鏡に映る自分の顔を見て、思ったより冷静な目をしてるな、と思った。


(やれる。ちゃんと、やれる……)


 呟くようにして自分に言い聞かせ、ユニフォームに袖を通す。いつも着ている筈なのに、先輩たちの今後にも関わる可能性があるからだろうか、普段よりも重く感じた。



 バスでの移動中、チームの空気は普段とそれほど変わらなかった。


 猫宮先輩が何でもないような顔でチョコレートを口に放り込み、佐野先輩がそれを注意しながらも笑っている。後ろの席では金城先輩と神宮寺先輩がタブレットで相手校のデータを見ていた。


 そんな中で俺だけが、ひとり空気に溶け込めていないような気がしていた。


 けど、不意に――


「なぁ風間」


 隣の席の佐野先輩が、俺の肩を軽く叩いた。


「顔こわばってんぞ? お前が緊張してると、こっちまで固くなる。そんな気張らなくていいから、俺たちを信用してリラックスしろ」


「……すみません」


 苦笑いしか返せなかったけど、心の中で少しだけ力が抜けた気がした。


(俺は一人じゃない)



 球場に着くと、北西高校のバスもほぼ同時に到着していた。


 荷物を下ろして整列している中、ちらりと視線を感じた。


 そっちを向くと、いた。


 安藤――俺にとって因縁深く、アイツにとっても俺や早実は忘れられない相手だろう。


 奴は北西の選手たちに囲まれて中心に立ち、俺を見つけるなりにやりと笑った。


 そして、声を張るでもなく、こちらに聞こえるようにだけ、ぼそっと口にした。


「……今日が一軍デビュー戦らしいな。精々恥かかないように注意するんだな!」


 すれ違いざま、肩がかすかに触れる。


「まあ、お前のことはよく知ってる。だからこそ、さっさとぶっ潰してエースを引きずり出して、俺を追い出したことを後悔させてやるよ」


 憎悪のこもった声に、思わず顔をしかめるが、俺は言い返さなかった。


(こいつとここで、言葉で勝つ必要なんてない)


 今の俺が見せるべきは、口じゃなく――マウンドでの姿だけだ。



 グラウンドに出ると、スタンドには早実の応援団の姿が見えた。


 その中には、二軍のメンバーである春日、大野、そしてマネージャーである小春の顔も見える。


 春日が気づいて、軽く拳を突き上げた。俺も、小さくうなずき返す。


(……やるしかない)


 この場所に立たせてもらった意味を、俺が証明する。


 安藤の言葉も、上層部の思惑も、すべてを結果で黙らせる。


 そのために、俺はここにいる。


(行くぞ)


 ゆっくりとマウンドへ向かう。


 スパイクが土を噛むたびに、体の芯が研ぎ澄まされていくのを感じた。


 今日――すべてを塗り替えてやる。


<ステータス>

 ===============

 名前:風間 拓真(Kazama Takuma)

 ポジション:投手(左投左打)

 球速:134km/h

 コントロール:D(53)

 スタミナ:D(55)

 変化球:ストレート2,カーブ2,

     スクリュー2,

     ジャイロカッター1

 守備:D(53)

 肩力:D(57)

 走力:D(54)

 打撃:ミートD(51)、

    パワーE(49)【↑】

 捕球:D(51)

 特殊能力:元天才・逆境○・

      ピッチングの心得(Lv2)・

      継続○・意外性・対強打者○・

      打撃センス○・

      ノビ◎・

      強心臓・

      スライディング・

      未来への一歩・

      選球眼・リベンジ・

      負けないエース


 成長タイプ:元天才型

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