表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元・天才ピッチャー、転生先では俺だけが見える“野球スキル”で無双する 〜ケガで終わった俺が、ざまぁと完全試合で夢を取り戻す〜  作者: 猫又ノ猫助
新しい世界で

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/197

第18話 プロの世界と新たなる変化球

 朝練も放課後練も、鬼島監督の厳しいメニューが続いていた。だが、不思議とつらくはなかった。


 春日がいて、小春がいて、そして少しずつだけど、自分が前に進んでいるのがわかるからだ。


 そんなある日、スマホが震えた。画面を見ると「永井 武」の名前。


『今、少し時間あるか? 話したいことがある』


 その一文に胸が高鳴った。気づけば、春日と小春を誘っており、永井さんからも無事快諾して貰えた。


「マジであの永井さんの家って!? よっしゃあ、行こうぜ!」


「う、うん……ちょっと緊張するけど、楽しみだね!」


 永井さんの自宅に着くと、春日と小春は目を輝かせていた。


「すげぇ! トロフィーに、写真に、バットに……夢の空間じゃん!」


「これ、プロの試合で使ったユニフォームかな? 本物だよ……! うわあ、夢の部屋かも……」


 テンションが上がりっぱなしの二人を見て、俺もなんだか嬉しくなった。


「やあ、来てくれて嬉しいよ」


 永井さんが笑って迎えてくれた。相変わらず、プロのオーラが滲み出てる。


「実はな――」


 永井さんの表情が、少しだけ引き締まる。


「1軍復帰の話が来た。来月の試合、代打でベンチ入りだ」


「マジっすか!?」春日が飛び上がるように声を上げた。


「わ、わたしも……すごいです、永井さん!」


 俺も自然と、拳を握りしめていた。


「良ければ、その試合。観に来てくれないか?」


 その言葉に、俺たちは即答した。もちろん、行きますと。


「……風間」


 永井さんがふと、俺をまっすぐに見た。


「お前と話して、練習に付き合って……久々に燃えた。おかげで、もう一度プロの厳しさと向き合おうって決めたんだ」


「プロの世界ってな、才能だけじゃない。努力も、運も、人間関係も全部かかってくる。少しの慢心や怠慢で、簡単に弾き飛ばされる。シビアで、冷たくて……だけど、やっぱり、最高の場所だ」


 その目には、一切の迷いがなかった。あれが、一軍を経験した男の覚悟なんだと、思い知らされた。


「……すごいな、永井さん」


「お前も、行けるさ。こっちの世界に」


 そう言って永井さんは、棚から何かを取り出した。手のひらにのせたのは、野球ボール。


「そろそろ、次のステップに進もうか。新しい変化球を教える。スクリューだ」


「スクリュー……ですか?」


 俺は首をかしげる。


「変化量は大きく、右打者にとっては厄介な球種だ。ただし、身体への負担も大きい。特に肘と手首。覚悟が要るぞ」


 ……スクリュー。実際に自分が投げられるか分からない。でも、俺に向けられたその期待に、胸が熱くなる。


「投げてみたいです、俺。もっと強くなりたい」


 すると、隣で春日がニッと笑った。


「いいじゃん、スクリュー。風間なら絶対投げられるって。なあ、小春?」


「うんっ。風間くんならきっとできるよ!」


「よし、じゃあ行こうか。トレーニングルーム、使っていいぞ」


 永井さんに案内され、あの本格的なトレーニングルームに移動する。


 俺がマウンドに立つと、春日がキャッチャーミットを構えた。


 手にはボール。


 脳内にあるかつてのチームメイト――前世の知識を元にスクリューのリリースイメージを思い浮かべる。


(手首を内に切りながら……この角度か?)


 そして、振りかぶって――投げた。


  ――【スキル:元天才】発動。


「おおっ!」


 永井さんが少し身を乗り出す。春日も、小春も目を見張った。


 ボールは不格好ながらも、僅かに落ちるように変化しながらミットへと向かっていった。


(今の……! これが……スクリュー……!?)


「初めてでこれか。やっぱりお前、只者じゃないな」


 永井さんの言葉に、思わず汗を拭った。


「この球が完成して、カーブと投げ分けれる様になれば、特待の連中なんて目じゃないぜ!」


 興奮気味に春日が肩を叩いて来るが、まだまだボールの精度が甘いのは自分でも分かっていた。


「いや、まだまだこんな物じゃただ曲がっただけで、特待の連中には追い付けない」


 そう言って春日から受け取ったボールを握り直していると、永井さんが頷いた。


「ああ、まだ完成とは言えない精度だが、これから時間をかけて完成度を高めよう。ただの変化球じゃない。お前の武器にしてやれ」


「……はいっ!」


 その日、俺はまた一つ、新しい扉を開いた気がした。


【変化球『スクリューボール 0』を獲得しました】


<ステータス>

 ===============

 名前:風間 拓真(Kazama Takuma)

 ポジション:投手(左投左打)

 球速:121km/h

 コントロール:E(41)

 スタミナ:E(47)【↑】

 変化球:ストレート2,カーブ1,

     スクリュー0【new】

 守備:E(42)【↑】

 肩力:D(53)【↑】

 走力:E(42)【↑】

 打撃:ミートE(42)、パワーE(43)

 捕球:F(39)【↑】

 特殊能力:元天才・ケガしにくさ×・逆境○・

      ピッチングの心得(Lv1)・意外性・

      継続○・対強打者○・

      打撃センス○・ノビ〇・

      対ピンチ〇


 成長タイプ:元天才型

 ===============

お読みいただき、ありがとうございます!!


「面白かった!」「続きが気になる!」と思った方は、

☆☆☆☆☆を面白かったら★5つ、つまらなかったら★1つにして頂けると、とても嬉しく思います!


また、『ブックマークに追加』からブックマークもして頂けると本当に嬉しいです。


皆様の評価とブックマークはモチベーションと今後の更新のはげみになりますので、なにとぞ、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ