第100話 試合開始
全員がベンチ前に集まったのは、試合開始十分前。
ユニフォームの胸を叩く音。スパイクが地面を踏み鳴らす音。
各々の呼吸が、ひとつの塊となって球場に響く。
「……準決勝。ここまで来たら、目指すのはひとつだけだ」
金城先輩が、円陣の中心で声を上げる。
その目は、いつにも増して鋭かった。
「相手は強い。けど、ウチだってここまで、簡単に来たわけじゃない。積み重ねてきたもん全部ぶつけて──絶対勝つぞ!」
「「「おおっ!!!」」」
拳が、中央に重なった。
次に神宮寺先輩が一歩前に出て、俺の肩を軽く叩く。
「風間、お前がこの試合の“流れ”を決める。春日、しっかり支えてやれよ」
「ああ、任せてください!」
「……はい」
春日はいつも通り笑いながら。俺は自然と背筋が伸びた。
「じゃあ行こうぜ、勝ちに!」
円陣がほどけ、各ポジションへと散っていく。
胸が、高鳴っている。だけど、手足は冷静だった。
◇
グラブを左手に持ち、ベンチ前で深呼吸をする。
両肩を回し、足の裏で地面の硬さを確かめる。
スパイクの歯が、グラウンドの土にしっかり食い込むのを感じた。
ベンチ裏で、春日とグラブを合わせる。
「さあ、“俺たちの時間”だな」
「……ああ。行こう」
マウンドへ向かう時、いつも俺は一度だけ空を見上げる。
空は高く、青い。雲ひとつない球場の天井。
(ここまで、来たんだ──)
踏み出した一歩は、軽くも重くもなかった。
俺は、ただ真っすぐにマウンドへ向かっていく。
マウンドに立つと、球場のざわめきが一瞬だけ遠くなる。
四方を囲む観客席、その中央にあるのがこの18.44メートル。
キャッチャーミットに春日が構える。
「いこうか、“エース”」
その笑顔に、少しだけ救われた気がする。
ワインドアップ、プレートに足をかけ、セットポジション──
ブルペンで何百回も投げたフォーム。だけど今は、違う。
(この一球が、流れを作る)
──審判が手を上げた。
「プレイ!」
準決勝、初回。いよいよ始まった。
<ステータス>
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名前:風間 拓真(Kazama Takuma)
ポジション:投手(左投左打)
球速:135km/h
コントロール:C(66)
スタミナ:C(65)
変化球:ストレート2,
カーブ2,
スクリュー2,
ジャイロカッター4
守備:D(57)
肩力:D(57)
走力:D(55)
打撃:ミートD(51)、
パワーD(50)
捕球:D(55)
特殊能力:元天才・逆境○・
ピッチングの心得(Lv2)・
継続○・意外性・対強打者○・
打撃センス○・
ノビ◎・
強心臓・
スライディング・
未来への一歩・
選球眼・リベンジ・
負けないエース・
投打躍動・緩急◎
成長タイプ:元天才型
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