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累々とした忘却
刃打ち付ける火花の香り
鋼を叩く時の香り
傷をすすぎ皮膚を滑る
風の中の際限ない彩り
争いは止まない
安楽な椅子の上に居る
偉い人は痛くないから
傷を負った人々が泣いているのを
災害だって言うんだ
災害には災害を以て制すると
ねえ あなたは
神様とか何かより
もっと大事な事を
忘れて来たんだね
跪いたら首を落とされる
それだけがはっきりしている
だから攻撃をやめられない
そう言う心根を
戦々恐々って言うんだ
何百の命が
この星を諦めて行くのか
分からない事を選んだんだろう




