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詩文彩文  作者: 夜霧ランプ
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ニャーロック氏の参事

 麒麟国の観光をしているニャーロック氏とミャトソン医師は

 繁華街でマタタビ茶を得たことで

 すこぅしだけ気分が好くなっていました


 世界は暖かくなり始めており

 二匹はすっかり好い気持でした

 ミャトソン医師が言いました

「バナナフルーツブレッド屋で焼き立てを買ってくるよ」と

 ニャーロック氏は「分かったよ」と言ってその場に留まりました


 石畳の道に赤い提灯の影がかかって何とも美しい様です

 ニャーロック氏は思いました

「おかしな政権争いが無ければ 実に美しい国じゃないか」と

 良い気分で鼻歌など歌いながら

 ぼんやりしていました

 すると

 彼の背後から何者かが

 そろりと近づいてきて

 ニャーロック氏の後ろ頭を

 がつん! と殴りました

 頭の中に火花が散ったように思い

 ニャーロック氏は意識を失いました

 殴られた後ろ頭から

 生暖かいしたたりが零れたようでした


 ミャトソン医師が

 焼き立てのバナナフルーツブレッドを持って

 ニャーロック氏の元に戻った時

 彼は其処に居ませんでした

 しかし 暗い石畳の上に

 所々と赤いしたたりが散っているのを

 ミャトソン医師は見つけました

「何と言う事だ

 本当に私達は巻き込まれてしまったのだ」

 そう気づいたミャトソン医師は

 赤いしたたりの後を追ってみる事にしました


 赤いしたたりの先は

 ひなびた木造の小屋の中に続いています

 そしてその中に

 ロゥプでグルグル巻きにされた

 ニャーロック氏が閉じ込められていたのです

 彼の後ろ頭からは

 耳を伝って赤いしたたりが流れています

 ですがそのしたたりは乾いてきているようでした

 ミャトソン医師は

 どうにかして小屋の中に入って

 友を助ける事を考えました

 小屋のドアは内側から鍵がかかっています

 そして窓には木製の格子が


 ミャトソン医師は大急ぎで通りを引き返しました

 そして一番近くにあった

 公衆もしもしに飛び込んだのです

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