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詩文彩文  作者: 夜霧ランプ
74/82

シンプル

 ノートの端書でフラフープを回している

 トラ白の猫がくるくる回る

 夜空の星が泡立つように

 ステージライトを当てるのだ


 幕間に拍手はない


 それでも猫はフラフープと回る

 八つの目を持った

 首の長いお方が

 これは賽も河原も無いと

 知ったかぶって唸るのだ


 どうにも幻想的ではないが

 四つのフラフープは唯ならぬ

 回転軸を得ているのだから

 こいつは奇妙奇天烈と

 知ったかぶって唸るのだ


 街路灯にキラキラ光る

 粉雪散々閃いている

 そんな今宵の晩ご飯には

 温かい物を所望する


 眼前 目録 強いては 蛹

 フラフープのトラ猫目を回して

 コロンと背から落っこちた

 くるりくるりと身を翻し

 地面にしっかり足を置く

 そこに投げ出された影だけが

 くっきりフラフープを回してる

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