獅子党の反省
若いライオンの三男坊が率いる
二度目の失敗は致しません
そう言いながら
獅子党のメガホンが
過ぎ去っていきます
二度目の失敗は致しません
そう声を発しているメガホンを
持っているライオンは
自転車に乗っていました
二つ並びの二人漕ぎの自転車です
二度目の失敗は致しません
それしか言う事が
許されていないのですが
ライオン達は
それだけ言うのも大変そうでした
「おおい さぼるなよ」
と 自転車の前の席の
ライオンは言います
「しっかり漕いでくれよ」
メガホンを外して
後ろの席のライオンも言います
「漕ぎながら話すって大変なんだよ」
「だけど俺は二人分は漕げないよ」
「分かってるよ
レンタル代くらい元を取ろう」
ライオン達がそんな話をしているのを
新聞記者は聞き逃しませんでした
「獅子党 悪政の予感再び」
と言う記事が
次の日の新聞に載りました
獅子党の獅子党員達は
レンタサイクルの
代金の元を取るために
政権を乗っ取り
またしてもシシトウのような
悪行を企てているに違いないに候
その内容を読んで
獅子党の志士達は
諦めそうになりました
そんな時
獅子党の党首
若井獅子三郎は
「二度目の失敗は致しません!」
と声を高く言いました
それにより よく分からないけど
勇気を得た獅子党員達は
次の日から
自分達の足で走り回りながら
メガホンを操ったそうです
二度目の失敗は致しません
そう叫びながら
党首が街頭連呼に出て来ない
大変珍しい事例です




