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粉々
刎ねてしまえ
クイーンは城の中で
豪奢な羽を飾ってるよ
ハープ引きは彼女のために
最大級の賛辞の歌を送るんだ
そしたらクイーンは
指を刎ねるように命令した
着飾った踊り子が寄り添って
彼女の前で祝福を舞うの
そしたらクイーンは
足を刎ねるように命令した
小さな道化がベルを飾った服を着て
楽しい逸話を下らない言葉で
たくさん唱えたその結果
クイーンはこう命令したのさ
「下らない戯言が二度と言えないように」
舌を切ってしまえって
刑が執行される時
クイーンはちょっと笑うんだ
ある日の事だ
城を攻めて来た隣国の
王子様はクイーンを見て言ったんだ
「首を刎ねてしまえ」って
世界有数の美女と言うから
国を滅ぼしてまで奪いに来たのに
すっかり枯れていたんだもの