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詩文彩文  作者: 夜霧ランプ
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花時計

 雪が止んだら梅を観に

 いつもの散歩の途中に

 いつものカメラを持って


 春が来たら桜を観に

 いつもの散歩の途中に

 いつものお菓子を持って


 花が咲いても

 見向きもしない時もある

 花が咲いても

 美しいとは思わぬ時も


 春が来ないと

 急に夏になったと

 嘆く人達は

 小枝に咲いている

 花房を観もしない


 秋が来たら楓を観に

 赤と緑が入り混じる頃が良い

 秋が来たら銀杏(いちょう)を見上げ

 はらはらと零れ落ちる前の

 絢爛な姿も良い


 秋が来ないうちに

 冬になったと嘆く人は

 色づいた葉を見上げない

 季節を追わない人には

 それは電信柱と同じで

 取るに足りないショーウィンドウなんだ


 彼等の時計は

 夫々に食い違ってる

 誰が花を観なくなった

 誰が枝を観なくなった

 誰が季節を追わなくなった


 エアコンの効いてる部屋に

 寝転がってばかり


 花を愛でる人を老人のようだと

 ロックンローラーさんは言うね

 

 季節を知る事をやめておいて

 地球が危ないって

 鏡に向かって喋ってる

 それは随分とした道化ぶりだ

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