3/82
気化空気
青を手に入れた花でさえ
夏と呼ばれる空でした
日差しに焼かれて朽ち果てた
紫陽花の群れはどうみても
幸せと言うには遠いのです
光を放つあの星を
消えてしまえと呪うのに
光を放つあの星が
無ければ生きては行けないの
都合の良いと言う事ばかり
望んでいても叶わぬ祈り
神聖と言う存在も
知りはしない子供達
夏の風には青が似合う
蒸発して行く酸素の中で
息が止まる日を眺めてる
大きな宇宙の片隅で
生まれて生きて死んで逝きます
その一連の気流など
誰も気にも留めないでしょう
そんなふうに滅んでしまう
青の底の命です