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空転論理
誓いに飽きる日
それは恐ろしい契約さ
死が分かつまでこの者を
異質なる異形なる異常なる
この者を
愛せよと誓わされる儀式の元
閉ざされた死せる翼を
羽ばたかせることを望めば
曇天の濁りを澄み切った刃で
切り付けて切り付けて
望んだのは昔
鎖から逃れる事
雨の滴る空に向かって
一番好きな歌を歌おう
誰を愛してるとか何が悲しいとか
好きとか嫌いとか言って
死んだ魚の目をギラギラさせるような
えぐいやつじゃなくてさ
それが何を意味しているかは
おいておいても良いような
唱えるだけで心地好い
そんな歌を歌おう
望んだのは未来
まだ生きていたいと
心臓は言うから
空っぽじゃない空虚の
空で月を観てる