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終焉戦争~ラグナロク~  作者: 十六夜 凪
7/11

第7話 ~対策と模擬戦~

筆遅くて申し訳ありません

 私──皇城(すめらぎ)イア──は少年君こと名捨ての新入りから、敵将から言われたという伝言を聞いていた。天帝軍大将、アルカとは過去に何度か戦ったことがある。苦しくも全て引き分けに終わっているが、恐らく本気を出しても勝てる確率は半分以下だ。少年君もよく耐えたものだ。

 ただ、問題は伝言の内容だ。天帝軍の元帥にして、魔物達の王であるヤツが動き出したというものだった。ヤツが本気でこの国を支配しようとしている。早急に手を打たなければならない。


「皇城様、先程他の部隊からの連絡が入りました。どうやら北部と西部はすでに陥落してしまったようです。中央部も時間の問題でしょう」


 私の補佐官の立場にある黒沢(くろさわ)マキから各地にとばしている部隊からの連絡を受ける。どうやらここが襲撃されている間に北と西も襲撃にあったようだ。この国の東と南はは海になっていて、魔物が住む大陸はこの国の北西部に位置しているため、進行ルートは意外と素直なようだ。海からの進行も今のところ見受けられない。本部は敵軍から一番遠い東部にある。となれば─────



──────────────────────────────



「レイ、今日は能力(スキル)ありでいきますよ!」

「今日こそは一本とってやる! 拡張(バースト)を使ってでも!」


 ………どうしてこうなった?



 イアにアルカからの伝言を伝えた後、待機しててと言われたので、ブラブラしていたら割とすぐに召集がかかった。そこには電音(いなずま)ライトの姿もあり、各班の隊長? らが集まったようだ。………俺はなんで呼ばれたんだ?

 イアから伝えられたのは今後の対応と注意喚起だった。北と西が落とされ、中央も怪しいとのことで、現在中央、南にある戦力を本部へ集中させて防衛するつもりのようだ。まあ、無駄に戦力を分散させるのも効率が悪いしな。ただ、海や上空からの襲撃には気をつけてほしいとのこと。まあ、当たり前だな。

 

 それから2週間、ちょうど中央部隊が本部に集まって来た頃、あまり芳しくない情報が入ってきた。どうやら今回の襲撃にはヤツやアルカは直接は関わっていないようで、最高でも少将とのこと。一見良さそうにみえるが、これ程の規模の襲撃が少将に任されているということは、裏を返せば向こうの少将がこちらの大将ほどの実力がある可能性があるということ。防衛することはできても、反撃して天帝軍を壊滅させるのはかなり無理がある。それを聞いたイアは頭を抱えていた。

 また、追い討ちを掛けるように、なぜ結界(シールド)が破壊されたのかがまだわかっていないという。これでは守備が心もとない。


 そこでイアは、日頃からの戦闘訓練を行うことを全軍に指示した。いち早く能力に慣れてもらい、戦力増強を狙いたいらしい。具体的な内容としては、実力が近いもの同士で模擬戦を行うというものだった。また、軍にある訓練場での自主練でもいいとのこと。俺は入隊したばかりなので、マキに紹介してもらった。そして出会ったのが、16歳くらいの女の子と、俺と同じくらいの歳をした男だった。


「私は一ノ瀬(いちのせ)アカネ。能力(スキル)はトリスタンモデル、主に弓を扱うわ。コイツとは幼なじみってやつね。基本一緒に戦っているわ。よろしく」


「俺は(あかつき)リュウセイってんだ。能力(スキル)はワイバーンモデル、クロー系の武器(デバイス)を使う。よろしくな!」


 2人は俺より1ヶ月ほど先に入隊していたらしい。なんでも本来は国の選抜試験を受けてから入隊するらしく、俺のようなスカウトはかなり珍しいらしい。この2人は中央部で戦闘していたそうだ。


「俺はプロトタイプのスルトモデルの能力(スキル)を持つ。基本は我流剣術とアーク術を扱う。よろしくな」


「中央部でもちょっと話題になっていたわよ、アンタ。総司令官殿に直接スカウトされた名無しの剣士って。名前ないと不便じゃないの?」


「随分とまあ詳しく広がってるもんで。……そうだな、イアさんにも言われたし、仮名だけでも考えておくか」


「そんなことより早く手合わせしようぜ。こういうのは口でいうより実際上にやったほうが分かるんだ」


 ということで二人と模擬戦をおこなったのだが


 結果は俺の圧勝だった。


 それから毎日模擬戦をやっているが、2対1でやっている。もちろん俺が1人だ。2人は元々コンビということもあって、組んだほうが戦いやすそうだったから戦っていく中で俺が個人的に2人の能力(スキル)について考察してみた。ちなみに本人からは詳しく教えてはもらっていない。概要を口にするのはタブーとされているからだ。能力(スキル)の開示はデメリットが大きいためである。


アカネ 『属性付与(マジックエンチャント)』『狙撃手(スナイパー)』 だろうか。矢にアークで属性を付与させて、攻撃するというスタンスのようだ。ありふれた戦法だが、付与の条件によっては強い。


リュウセイ 『頑丈(タフネス)』『竜化』 だろうか。リュウセイはとにかく硬い。明らかに人間の粋を越えている体力なので恐らく能力(スキル)の恩恵だろう。さらに彼は竜化することができるようだ。ただし一部分のみしかできず、体力の消耗も激しそうだ。爪や尾を使った攻撃は厄介だった。


 俺の考察が当たっているかはわからないが、このコンビは純粋なシナジーがかかっている。

それでも俺が勝ち続けているので、先程の今日こそは一本とる宣言にいたったわけだ。


「ああ、どこからでもかかってこい」


「ならいくぜ! 『雷鳴咆哮(ライトニングシャウト)』!」

付与(エンチャント) 炎 『火矢(フレアアロー)』!」


 リュウセイが頭だけを竜化させて、咆哮を放った。彼の咆哮は5変属がかかっているので、バックステップで距離をとる。そこにアカネの炎の矢が飛んできた。こちらは剣で弾く。


「最初から全開でいくぜ! 『拡張(バースト)』!」


 リュウセイが拡張を使用する。拡張は能力起想(イメージ)の時に習得できるらしい。ただ使いこなすのは困難だという。溢れる力を制御できず暴走するとのこと。今回の模擬戦は拡張を制御できるようにするためのものだ。ちなみに俺は能力がプロトタイプのせいか、拡張が使えない。できれば使えればいいのだが………


 そんなことを考えている間にリュウセイが仕掛けてきた。彼は全身が鱗に覆われ、尾や爪もある。さしずめ龍人(ドラゴニュート)といったところか。


「うおおぉぉ! 『星屑龍人拳スターダスト・ドラゴ・フィスト』!」


 これは……リュウセイの必殺技か?まともにくらうのは避けたい───


「!? 体が動かな──」


付与(エンチャント) 闇 『影縫い(シャドーバインド)』」


 アカネの仕業か!リュウセイのも初めてみる技だ。拡張(バースト)技は初めて受ける威力がどんなものなのか分からないので全力で防御する。


「結界 『無の結界(ノン・シールド)』」


 第0属の『無』は全ての属性に対して強くない代わりに、全ての属性に対して弱点がない。たった一つを除いて。そのため防御にはうってつけなのだが


 バリン! 


 あっさり破られた。そのまま龍人化したリュウセイの拳が俺に直撃する。


「ぐあっ……」


「おいおい冗談はよしてくれよ、なんであれくらって立ってるんだよ?」


「お前も、珍しいモノ、使ってくれるじゃねえか」


「んあ? 気づいたか?」


 俺はアカネの矢を弾きながら会話している。正直かなりつらい。


「なんであなたは人の必殺技を受けて平然と動けてるの? 私、決める気で攻撃してるんだけど」


「さあ、な! アーク一文字 『斬波(バスター)』!」


「きゃっ!?」


 アカネは斬波を相殺しようとしたが、間に合わずに直撃。火力は落としたので大丈夫だろう。


「お前、遠距離もできたのか、こりゃ想定外だ」


「ハハッ、そりゃどうも。さあ、お前とも決着つけるぞ」


 既に拡張(バースト)を解除しているリュウセイとにらみ合う。 


 動いたのは同時だった。


「第7属 『夜空の剣先(ナイト・エッジ)』!」

「『竜隕爪ドラゴニックメテオ・クロー』!」






「………あなた達、派手にやったわねー」

「「………スミマセン」」


 結局あの後互いの技が直撃。2人仲良くアンジュのお世話になっている。ちなみにアカネは呆れながらも見舞い(?)に来てくれた。


「レイ君もリュウセイ君も、ほどほどにね」

「「………ハイ」」


 そうそう、レイというのは俺のことだ。イアとも何度か手合わせしたのだが、結果は惨敗。流石は皇城家の娘である。その時名前の件について相談したところ、あっさりレイと名付けられた。理由は、スルトの能力(スキル)がプロトタイプNO.00だからとのこと。個人的には何でもいいのでレイで通している。


 今回の模擬戦では、イアやアカネ、リュウセイ以外の戦闘班達とも手合わせした。新しい技も開発できたことだし、次襲撃が来ても大丈夫………だと思いたい。



第8話へ続く──────────────

あとがき

キャラ雑談 ※本編とは関係ありません

       キャラ崩壊注意


筆)前回俺は天馬を出すと言ったな。

  あれは嘘ダ


天)ハアッ☆(気絶)


レ)俺の新技は考えてあるのか?


筆)そんなキラキラした目で言われても……

 ちゃんと考えてあるよ


リ)おれは?

ア)私は?


筆)保留


リ&ア)( ;´・ω・`)

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