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終焉戦争~ラグナロク~  作者: 十六夜 凪
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第6話 ~宣戦布告~

今回少し短いです。すみません。

 「『拡張(バースト)』!」


 私──皇城(すめらぎ)イア──は能力(スキル)の奥義と呼べる技を使用した。正直、焦ってたんだと思う。今回の軍本部襲撃で少なからず犠牲がでている。戦争に犠牲はつきものだが、やはり被害はおさえたい。


 今から1時間ほど前、一度襲撃があった。その時、少年君と戦っていた敵が、最高レベルのアーク術を放った。私はアークの扱いはかなり慣れていると思うし、その気になれば自力で簡易的な結界を張ることもできる。でも、あれほどの攻撃は放つどころか受けることすら出来ないだろう。自身を媒体にしたアーク術は最も難しく危険な術。少年君の話によれば、彼女は軍曹だという。


──最高レベルのアーク術を使う者でもまだ軍曹──


 今までより遥かに敵軍のレベルが上昇している。そしてそこに追い討ちをかけるかのように二度目の襲撃。今度は少尉クラスが五人。先程の軍曹よりも強いのが五人。被害がより大きくなるのは目に見えて明らかだった。さらに追い討ちをかけるかのように、不幸は重なる。天誅軍の主力である戦闘班の内、およそ半分が他方へ出払っているのだ。大将も遠征で本部にはいない。本部の戦闘班の最高戦力は天馬(てんま)カグラ。彼より実力がありそうな少年君も今はダウン中だ。 


 ──私がなんとかしなきゃ──


 そんな思いで発動させた拡張(バースト)は、しっかりと私に応えてくれた。


 拡張(バースト)は、能力やデバイスの強化する。しかし、かなりの精神力と、能力(スキル)の繋がりが必要になる。また、拡張(バースト)は二種類ある。標準(ノーマル)特有(ユニーク)だ。

 標準(ノーマル)は、ある一定の同じ効果を持つ。ただ、細かい効果は能力(スキル)によって変わる。

 特有(ユニーク)は、完全オリジナルの効果を持つ。これは、同じ能力(スキル)であっても人によって変わる。さらに、特有(ユニーク)は選ばれた者にしか与えられず、貴重になっている。


 私の拡張(バースト)標準(ノーマル)で最も強いとされる『門召喚(サモン・ゲート)』だ。能力(スキル)『ロキ』での効果は、道具(ウェポン)を体力がもつかぎり無尽蔵に創れる。応用したのが『悪魔の斬撃雨(デモンズ・レイン)』だ。


 空中に創られた様々な道具(ウェポン)が敵軍を襲う。斬撃一つ一つが鋭利で、瞬く間に半壊した。5人の少尉も抵抗する暇もなくズタズタにされた。


「まだまだいくわよ。後悔させてあげる」


 私は殺した敵を()()アークに還元、吸収した。これは個人能力(オリジナルスキル)によるものだ。個人能力は潜在的な能力で、拡張(バースト)特有(ユニーク)とはまた違う物になっている。誰でも持っているが、普通は使えない。能力を手にしたときに発現する者が多い。少年君のは多分『無限(インフィニティ)アーク』がそれだろう。私の場合は『アーク吸収(ドレイン)』だ。拡張(バースト)によって個人能力も効果が上昇している。

 

 吸収した分のアークを使い、攻撃を続ける。


精製門(ジェネレート) 『背後門(バックドア) 鎖ノ門』」


 私の後ろに巨大な門を設置、大量の鎖を放出する。放出された鎖はまるで意思をもっているかのように敵軍にまとわりつく。全員は捕まえられなかったが、これくらいで充分だろう。鎖越しに敵からアークを直接吸いとる。


「グヴオオオォォォォォォォ!」

「キイィィィ!」


 天帝軍はほとんどが意思なき怪物で構成されている。怪物はアークが人間より濃いので獲物としてはちょうどいい。苦しんでいるような断末魔が聞こえてくるが、心を無にしてシャットダウンする。


 敵が8割ほど壊滅したところで拡張(バースト)を切った。久しぶりなのに長い間保ってくれた能力(相棒)に心で感謝して、その場で戦闘班に残党狩りを指示する。本部の医務室へ戻り、アンジュさんに状況の報告をする。


「………なるほど、それは大変だったね。にしても一人で突っ込むとは無茶するねぇ。まったく誰に似たんだか」


 どうやら呆れられてしまったようだ。焦ってたとはいえ一人で突っ込むのは愚策だ。反省反省。そこで、私はとあることに気付く。


「あら?少年君は?」


「ああ、彼なら先刻急に飛び出して行ったよ。なんか険しい顔していたからなんかあったんだろうけど、どこ行ったかわかんないしねぇ。私が策的しても今攻めてきている天帝軍の気配しか見当たらないし」


「け、怪我は大丈夫なの?」


「それは大丈夫だと思うが………やはり心配だね。ちょっと探しに───」


 ガキイィィン!! トゴォォン!!


 突然、金属同士を打ち付けたような音と、なにかが壊れるような音が立て続けに響いた。







 俺──名前はない──は微かだが、異常な何かが近づいているのを察知した。アンジュに一言謝辞を述べ、黒いヤツ(武器(デバイス))を手に取り能力(スキル)を起動する。『何か』は俺の方向へ飛んできているようだ。すぐに周りへ被害がおよばない場所へ移動───


しようとしたところで『何か』は俺に向けて突っ込んできた。咄嗟に黒いヤツを構え、防御する。が、おもいっきり吹っ飛ばされ、建物に叩きつけられた。


「かはっ────!」


 背中に強い衝撃が走るが気にせず剣を構える。『何か』は危険だ。自分より格上、イアと同程度だろうか。少なくとも今の俺に勝てる相手ではなさそうだ。逃げるか? いや、これを野放しにしたら不味い。そもそも逃げれるかどうか………

そんなことを考える暇もなく第2陣が来る。超スピードの風刃が無数に飛んでくる。『斬波(バスター)』で致命傷を避けつつ、全力疾走で回避する。『何か』がもう一度突っ込んで来る。今度はかろうじて防御に成功したが、それでも後ろに吹きとばされる。右腕が衝撃でビリビリしている。アークと能力で補強していなければ折られていただろう。

何者だ───?


「ふむ、流石は我が弟子を殺してくれた者なだけあるな。我が攻撃を三度も防ぐとはな」


 その『何か』は姿を現した。悪魔(デーモン)のような翼を生やした大柄の男だった。どうやら先程の有翼人(ハーピィ)の師匠?らしい。ということは天帝軍の手先か。それも、かなり上位なようだが、


「我が名はアルカ。暴食の神、ベルゼブブの能力の使い手にし、天帝軍大将の位を授かった者。今宵は、宣戦布告にこの地へ馳せ参じたまで。ふむ、では貴殿にそちらの元帥殿へ伝言を頼もう。よく聞け。『我、既に整う。汝ら、敗北を喫する。』だ。」


───何だって? あいつが───?


「では、我はこれで。いつか貴殿とも戦おうぞ。」


 彼はそれだけ言って去ってしまった。


 しかしあいつが動いたか。これは彼女にも言っておかねばならないだろう。そして今回の襲撃は恐らく囮、フェイクだろう。急いだほうがいい。こちら側も動かなければ、この国は─────終わりだ。



第7話へ続く────────────

あとがき

キャラ雑談 ※本編とは関係……するかも


天)僕の出番は?ねえ僕の出番は?


イ)少年君~そろそろ名前考えたら?何なら私が考えてあげようか。


主)じゃあ、お願いします。


天)ねえちょっt


イ)じゃあ、キミの能力から取ってスルト!


主)………却下で


イ)ええーー


天)( ;´・ω・`)解せぬ

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