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第11話 喫茶店を始める前に その3

オーナー夫妻と、立退き依頼についての確認の為一時休業中の喫茶店で会談。


エレベーター含めた設備の老朽化と耐震基準の関係で、改修工事資金が賄えそうにない事が今回の話の発端だった。


売却先含めてまだ詳細には進んでいないとの事だったので、買収価格を私に査定させてほしいとお願いしてみた。


売却後のオーナー夫妻の生活拠点については、査定価格次第との事だったので、まず話を進めることにした。


早速、税理士と会計士の先輩に、改修工事費を考慮した査定価格を出せる工務店か不動産業者の紹介をお願いした。


紹介料と査定依頼料を前払いで渡し、成約時にはそのまま改修をお願いすると伝えてもらったら1週間で仮見積が出てきた。


結果、建物本体は価値ゼロ、解体又は改修費用分マイナス査定。


土地は、駅徒歩圏内で通りに面しているとはいえ、間口も狭く面積もそれ程無い為、オーナー夫妻が郊外に家を買えるかどうか程度の金額。


一階から三階までのテナントの立ち退き料を考慮すると、赤字になりかねない査定結果を聞いたオーナー夫妻はがっかりしていた。


他社でも査定したようだが、もっと悪い結果だったようで、見ていて気の毒だった。


こちらとしては、祖父の喫茶店を存続させる事が最優先なので、弁護士を交えて硬軟織り交ぜて交渉してみた。


結果、一階テナント部分と土地を一千万円で私に売却、但しビル全体の改修費用を私持ちの条件で成約した。


これで、オーナー夫妻はこのまま四階に住み続けられて、地代を払う必要が有るものの、二階三階の家賃収入が入る事になる。


祖父とオーナー夫妻だけでなく、先行きを心配していた地元商店街の方々からも感謝された結果になった。


こうして、私は休業中の喫茶店とビルの改修工事に取り掛かった。


紆余曲折あって改修工事完了後に、祖父が復帰するまでのつもりで、私が一人で喫茶店運営を始めたのだった。

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