前途多難
気づくと俺は大きな人間に抱き上げられ、泣いていた。
その人間達は歓喜しているようにように見えた。
そこから俺が異世界に転生したというのに時間はかからなかった。
そうして、俺の新しい人生が始まった。
数年が経ち、俺は五歳になっていた。
生まれてから言語を覚えるのであったり、この世界について学ぶのに時間を費やしたが、まず分かったことは、
どうやらこの世界は魔法や亜人、勇者や魔王も存在するテンプレのインスタンスにもってこいの世界だということだった。
そして、もう一つ分かったことは、俺が無能力の雑魚ということだった。
よく あるチートスキルであったり、後々覚醒しそうなスキルもなかった。
それどころかスキルがなく、あまつさえステータスも一般の子供以下だった。
まあステータスに関しては引きこもり気味だったのが悪いんだけどね。
それにしてもこの世界では子供でもいくつかスキルを持っているのに俺だけなぜかゼロ。
まあ、本来死んでいたはずだから文句は言えないんがけどね。
代わりと言ってはなんだが俺は整った顔に生まれ変わっていた。
俺が前世で臨んだ通り、確かにイケメンなのだが、どこか女性っぽさもある、中世的な男女から好かれそうな顔だった。