35 B
夏だ!祭りだ!暑さを乗り越えよ~\(^o^)/
企画一日目です!
すいません、日付ギリギリになってしまいました!
危なかったです(,,・д・)
明日も、ちょっとギリギリになる可能性がありますが、なんとか頑張ります\(^o^)/
それでは、本編をどうぞっ\(^o^)/
「なんだか、見違えたわねー。背が伸びたんじゃない?」
「そうですよねぇ~、ソウマ君なんだか男の子っぽくなりましたよねぇ~」
「メディナ。男の子っぽくなったって、それはさすがにかわいそうでしょ。でも、確かに男前も少しは上がったかもしれないわね」
絵に描いたようにルンルンしているメディナさんと、相変わらずワイルドな笑みを浮かべているケイトさんが、談笑している。
今は、馬車の中で、もうレリの村が少し遠く小さくなってきている。
乗り合い馬車の前を、シアンさんとマキタさんが馬で先導していて、後ろをライアンさんが馬でついてきている。そして、客台の一番後方、乗り口の辺りに、ケイトさんとメディナさんが陣取っていて、これが護衛の布陣らしい。
僕とカティナさんも、ケイトさん達の近くに座らせてもらった。乗り合い馬車は、意外としっかりした椅子が固定されていて、バスみたい。乗り心地は、ガタタンとカタイけど。
「そうなんですよ!わかりますか!背が伸びたんです!!ほんのちょこっとですけど!」
「おっ!やっぱりね!なんか背筋が伸びた感じがしたのよね!」
ケイトさんが、手をポンッと叩きながら、相づちを打ってくれる。
「そぉうなんですよ!ロゾーム先生とサリュンさんが、猫背とか身体の歪みを治してくださったんですけど、そしたら、その分背が伸びたんです!」
僕が目覚めてから早い段階で、治療前に柱に線をひいて、昨日最後に比べてみたら、たぶん2~3センチくらいは伸びていて、とてもビックリしました!もう伸びないと思っていたから、嬉しかったなぁ。
「いやぁ~、でもそれだけじゃないわね。他にも何か、男を上げる何かがあった顔に見えるわね。ははぁん、さては、女かしら?1ヶ月も経ってないのに、ソウマも、すみに置けないわねぇ~」ケイトさんが、値踏みするようにじぃ~っと見てきたかと思ったら、すごい爆弾発言をニマニマ投下してきました!!
「お、女!?」カティナさんっ!?
「女の子ですか!?ソウマ君!?」メディナさんっ!?
「え!?何がですか!?いや、違います違いますっ!!だって、同い年くらいの女の子って、パン屋のシプォルちゃんくらいしかっ」
「シプォルちゃん!?」
「シプォルちゃんなんですか、ソウマ君!?」
カティナさんと、メディナさんがなんだか似てるような、ちょっと違うような反応をしてますけど、誤解です!
「いやぁ~、同い年といえば、カティナもいるじゃない。熱心に看病してたっていうし、みんなに隠れて、ねっ?」
「わわわわわ、わたしっ?!」
「カティナとっ!!、、ソウマ君が本物の弟君になるんですね!?」
カティナさん、動揺しすぎではっ!?
誤解されちゃいますよっ!
それに、なんでメディナさんは、そんなに嬉しそうなんですかっ!?
「いやぁ~、今回も、カティナがソウマを驚かせてあげたいからって、サプライズを考えて、私達や先生達に話を通したわけだし。そっかそっかぁ、カティナとソウマがねぇ~」
「けっ、ケイトさん!それはナイショにするって約束」
「えっ、そうだったんですか、カティナさん?」
「ちがっ、違うしっ!」
「え、違うんですか?」
「本当ですよ、ソウマ君!!昨日、カティナも一緒にレリの村まで来たんですけど、今日ソウマ君を驚かせてあげたいから、診療所には来ないで欲しいって、カティナが皆さんにお願いしたんですよ!ねっ、カティナ~」
「お姉ちゃんっ!!」
「そうだったですね!カティナさん、ありがとうございました!本当に、びっくりして、嬉しかったです!」
「!!?もう!知らない!!」
感謝を伝えただけなのに、そっぽ向かれてしまいました。でも、カティナさん、そんなに顔赤くなってたら、更に誤解されちゃいますよっ!?
「いやぁ~、お暑いわねぇ~、お二人さんっ」
ケイトさんのニマニマが止まりません!!
「ちょ、ケイトさん!ほんとに何にもありませんから!僕、その!お、女の子とは、まだ何も、、その、、、」
「なるほどなるほど。初なぁ初なぁ。今夜はお酒が進むだろうなぁ~」
その後も、ケイトさんのワイルドなニマニマは止まることを知りませんでした。
ほんとに、なにもないんですよっ!!
ーーーーー
「あっはっはっはっはっ、ごめんごめん。からかいすぎたわね。許して、カティナ、ソウマ。二人が可愛すぎて、ついねっ」
ケイトさんのワイルドな笑みは、ずるいです!なんか、許してしまうというか、ずるいです!
「、、、」プイッと、カティナさんが顔を真っ赤にしてしまいました。
「と、とにかく!レリの村で仲良くなったと言える女の子は、ムーリちゃんくらいで、そ、そんな他にアレコレとかはなくてですね、、、」
「わかったわかった。私も冗談で、本当に何かあったとは思ってないから、安心してよ。だけど、なんか心境の変化みたいなものがあったんじゃないの?男前が上がったのは、本当だよ。ソウマ」
ケイトさんと、パチッと目が合います。ケイトさんのワイルドな笑みは、笑みなんですけど、さっきまでのイタズラな笑みとは違う、かっこいいワイルドな笑みです。
チラっと、メディナさんを見ると、ウンウンと頷いています。
男前。男前ってなんだろう。
イケメン?いやー、僕はそんなイケメンじゃないし。
かっこよさ?うーん、そんなにかっこよくなるようなことしてないし。
心意気?心意気かぁ。そういえば、じいちゃんが、克己心って言葉使ってたなぁ。うーん、違うのかなぁ。でも、変化があったって、それくらいしかないもんなぁ。
そうだ!それに、ケイトさんには伝えないといけないことがあるんだった!
「あの!ケイトさん!!」
「ん?なにさ?」
「マチェットナイフとお金、ありがとうございました!魔猪を狩った時、僕はほとんど何もできませんでした。でも、僕の耳の良さが、少しでも役に立っていたのなら、嬉しいです。」
「早期の対処は、何事にも勝る。まさに、あの時は、ソウマの耳が役に立ったよ。だから、お金に関しては私に感謝する必要はない。正当な対価よ。」
「そうなのかもしれません。僕は、身寄りもないし、記憶もない。生きていくのに、お金は必要です。だけど、本当に正当な対価だったのか、それを僕自身が判断する基準をまだ持っていません。」
「ほぉぉ。それで?」
「だから、今は、お金を貸してもらっています。僕は、そう思うことにしました!だから、いつか自分で判断ができるようになった時に、本当の対価をもらいます。そして、ケイトさんとマキタさんに、必要分を返します。そう決めました!、、あの、それで、いいでしょうか、、?」
「ぷはっはっはっはっ!どうせなら、最後までカッコつけなさいよっ、ソウマ!でも、いいんじゃない、それで。自分で決めたなら、最後までちゃんとしなさい。待ってるわ、その日を。マチェットも、その日まで貸してあげる。延長料金はいらないわよ。」
「え!マチェットナイフも、いいんですか!?」
「女に二言はないのよ。もう、新しいの新調しちゃったし、気長に待つわ。そう、、男の子の成長は速いのね」
「はい?」最後の方は、ちょうど馬車の車輪の音で聞こえなかったので、聞き返してみる。
「なんでもないわ。でも、その判断ができるようになるためには、どうするつもりなの?冒険者になるの?」
「え!ソウマ君も、冒険者になるんですか!?じゃあ、一緒にお仕事できますね!」
「あ、あの!それは、まだ具体的なことは決めれてなくて、、でも、目標ができたんです!」
「目標ですか?ソウマ君の?」
「はい!僕の目標は、人を幸せにできるようになるために、強くなる!です!」
「人を幸せに?なんだか抽象的だけど、それは、やっぱり冒険者になるってことじゃないの?」
「えーと、それもまだはっきりとした判断基準がないんですけど、とにかくいつか誰よりも強くなりたいんです。僕は、人を傷つけたりするのが恐くて嫌みたいで。だから、自分を守れるように、人を傷つけさせたりしないように、自分が強くなるしかないと思ったんです。というか、ロゾーム先生と話していて、教えてもらったことを、その後も考え続けて、そう思ったんです。」
「人を傷つけないために、強くなる。ってこと?ふーん。なるほど。相当難しいこと言ってるんだけど、わかってるの?」
「わ、わかってます!無謀なことを言ってるのは。でも、目指すために、努力することはできます!僕は、知らないことが多すぎますから、まずはいろんなことを知るところから始めます!」
「いいんじゃないですか!ソウマ君!目標を持つってことは、大切ですよ!魔法を習う時も、目標をもって習った方が習得が早いって言いますからね!」
「そうだね。まずは、知ることさ。いろんなことを見て、感じて、学んで、それから、自分が目指す強さを見つけたらいいよ。ふっふっふっ、しかし、誰よりも強くなる。か。じゃあ、私よりも強くなるってことだね?楽しみにしとくよ。その日を。」
「え!?あっ、いや!それは、その!そういう意味じゃなくてですね!」
「はっはっはっ!わかってるわよ。ソウマの成長、これからじっくり見させてもらうことにするわ。頑張りなさいっ!」
「はい!」
自分でも、まだうまく噛み砕けてない想いだけど、この世界での目標ができたんだ。
自分なりの強さを見つける。
そのために、できることをやってみる!
頑張るぞー!