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28/48

26 B

毎回、恒例みたいになってしまっておりますが、大変お待たせしてしまい、申し訳ないです!

遅くなりました!


それでは、本編をどうぞ!!


追記

5月28日から再開します!!!


追記の追記

28日から再開!!と思ってたんですが、読み返して、ものすごい矛盾に気づいてしまって(T^T)

急いで書き直してるんですが、今日中には間に合わないので、29日のお昼に投稿にさせてください!!

ポンコツすぎて、すみません!!


追記の追記の追記!!

完全迷走中です!!ごめんなさい!!

これなら出せる!ってならなくて、完全にぐるぐるしてます!

29日が終わるまでには投稿します!




うそは、だめです(>_<)


ーーーーーー


 カティナさんに、嘘をついてしまいました、、


 サリュンさんは、カティナさんが自分の壁にぶつかっているだけだから、私達にできることはない。と言っていただけなのに、僕は勝手に、『壁を越えたら、強くなれます!』って、無責任なことを伝えてしまって。

 カティナさんにも、サリュンさんにも悪いことをしてしまいました。。

 考えれば考えるほど、反省です。。

 でも、なんだか元気のないカティナさんを見ていたら、つい元気になって欲しくて、、でも、やっぱり嘘をダメですね。


 サリュンさんは、まだ診察室の中にいるみたいで、中に入るわけにもいかず、かと言ってカティナさんのいる部屋に戻るのも躊躇われて、ただただ診察室と待合室を行ったり来たりうろうろしてしまっています。

 サリュンさんになんて説明したらいいんだろう、、


 僕は、これまで武道や武術とは縁のない人生を送ってきて、それこそ映画の中の世界というか、アクション俳優さん達の演技をただかっこいいなぁくらいにしか観てなくて。

 だから、強くなることがどれだけ大変なことなのか、まだわからないけど、今日の道場での稽古を観ていて、簡単なことじゃないのはなんとなくわかった。


 サリュンさんやロゾーム先生、それにライアンさん達の言葉からすると、この国では皆が身体操作や武術とかの訓練を受けるってことだったから、カティナさんも、僕と同い年なら17歳だから、すでに何年も稽古をしてきていることになるはず。それでも、まだまだ強くなるためにあんなにハードな稽古をしていて、だから、あんな簡単に強くなれますよ!なんて言っちゃいけない気がする。

 うん。言っちゃダメだった。


 あぁぁぁぁ、どうしよう、、言っちゃダメだったけど、今さらサリュンさんは強くなれるとは言ってませんよ。なんて言えないよ。

 サリュンさんにお願いして、カティナさんに何かアドバイスをしてもらうしかないよね。。。


 ぁぁぁぁ、もう!さっきから、同じような考えばっかりループしてる!!もう、どうしよう!!


 『ぐぁぁああぁぁぁぁぁぁあ!!サリュンさん、やめてくれぇ!!ぐぁはっ!』


 え!!?!?

 なに!?いきなり、なに!??

 診察室から、男の人の叫び声が!?


 どすん

 「あうっ」

 え!?今度はなに?!後ろから、何かがぶつかってきたんだけど!!?今の声は、「え、ムーリちゃん?」


 「ソウマ、いきなり止まっちゃ、やー!!」

 

 「え、え?う、うん、ごめんね?」

 叫び声に驚いて止まったら、後ろからムーリちゃんがぶつかってきたんだけど。え?どういうこと??


 「大丈夫?立てる?どこか痛いとこない?」

 まずは、ムーリちゃんが怪我とかしてないか確認しないと!


 「痛くないよー!」

 ほいっ!って感じで、身軽に起き上がるムーリちゃん。


 「むぅ!ソウマ、いきなり止まっちゃ、めー!なの!」


 「ごめんね。声に驚いちゃって、、もしかして、ムーリちゃん、ずっと後ろにいたの?」 


 「あぃ!ソウマが、ずっとてくてくしてるから、後ろからてくてくしてたよ!」

 全然、気がつかなかったんだけど!?


 『ぐぅあはっ!サリュンさん、それ以上は!それ以上はぁぁぁぁぁぁ』

 ぇぇえぇぇ!?診察室の中で、サリュンさん何やってんの!?


 『あ!待ちなさい!』

 サリュンさんの声?

 バンッ「ひぃぃぃぃ」

 サリュンさんの声が聞こえたと思ったら、診察室の扉がいきなり開いて、テッソさんがすごい顔で飛び出してきました!

 え?ほんとに、なにがあったの?!

 そして、そのまま出口方面に立っている僕たちの方に向かって走ってきます!


 「どいてくれぇぇ!」

 え、あ!ちょっ!ムーリちゃんが!

 テッソさんの進路上には、ムーリちゃんが!!


 「廊下は、はしっちゃ、めー!なのー!!」

 ゴスッ「!!?くっぅぁぅ」


 あっ、、そこは、、、

 ムーリちゃんの飛び蹴りが、テッソさんの急所にクリーンヒットして、


 「な、ん、、で、、、」バタン、ピクピクピッ、、、

 テッソさーーーーーん!!?


 「あらあら?これは、また。さすが、ムーリちゃん。素晴らしい蹴りだったわ」

 後から追いかけてきたサリュンさんが、ムーリちゃんの隣に来て、頭をよしよししています。


 「サリュンさん?!テッソさんが!テッソさんが!」


 「大丈夫~よ。これくらい。気付け薬嗅がせれば、すぐに起きるから。それに、ここ診療所よ?問題ないわ。」

 いや、問題しかないですよ!!?


 「ねぇ、ムーリ、えらい?ムーリキック!ソウマ、ムーリキック、かっくいい??」

 思い出すだけで、ヒュンってなるけど、ムーリちゃんにそんなこと言ってもわからないよね、、


 「かっこよ、かったよ。ムーリちゃん」


 「やったー!ムーリキックかっくいいってー!」


 「良かったわねー、ムーリちゃん」

 というか、確かにすごい精度でクリーンヒットさせてたよね?、、この世界の幼女、もしかして、強い説ある??あれ?僕、もしかしてムーリちゃんにも勝てないのでは??


 「そういえば、ソウマ君どうしたの?部屋に戻ったんじゃなかったの?」

 テッソさん、スルー、、

 何しに来たんだっけ、僕、、、あ、、


 「あ、えーっと、、」

 忘れてた!やばい、この状況で更に言い辛いっっ!


 「というか、テッソさんと中で、何があったんですか!?すごい叫び声が聞こえましたよ!」

 

 「ん、ちょっとね。健康にいいツボをマッサージしてあげただけよ?」


 「ツボ、マッサージ、、」

 あれか、足ツボマッサージてきな、、あのめっちゃ痛いと噂の?


 「たいして怪我もしてないのに、診療所に来たから。せっかくだし、少しでも健康になって帰ってもらおうと思ってね!明日の朝には、すっきりしてるはずよ。その代わり、今夜は、、ね!うふふ」

 サリュンさん、そんな素敵な笑顔で言われても、、今夜は何が起こるんですか、、

 やはり、サリュンさんを怒らせてはいけない、、、


 「で、何か用があるんでしょ?私に」


 「、、、はい。」


 「どうしたの?そんなに、もじもじして?なにか言いにくいことなの?んあー、わかった。」


 「え!?わかったんですか!?」

 まだ、何も言ってないのに、わかるなんて、サリュンさん、さすがです!

 でも、なぜか、サリュンさんがニヤニヤしながら、胸をツンツンしてきます。


 「ふふふ、いいのよ。男の子なんだし。それくらい元気があるのはしょーがないものね。後で、ちゃんと洗濯に出しておきなさいな」


 「、、、なんの話ですか?洗濯もの??」

 洗濯物といえば、今着てるTシャツに、ズボン、パンっ!?


 「え?違うの?ソウマ君の」


 「ななっ!違います!たぶん、違います!いえ、間違いなく違いますから!!」


 「なんだぁ、もじもじしてるから、てっきりそれかと思ったわ。」


 「もじゅもじゅ!ソウマ、もじゅもじゅなの!!もじゅもじゅって、なーに!?」


 「ムーリちゃん、それは、あの、まだ早いというか、」


 「ソウマ君が、元気いっぱいってことよ!病気もどっか行っちゃった!!」


 「ぉぉぉぉ!よかったね、ソウマ!元気いっぱいだって!」


 「う、うん。ありがと、ムーリちゃん、、」

 なんか、すごく恥ずかしいんだけど、、どうしてこうなったの、、


 「じゃあ、どうしたの?お腹すいたとか?」


 「いえ、、あ、あの、、、」


 「元気が出るように、ツボマッサージしてあげましょうか??せっかくだし!気持ちいいわよぉ」

 サリュンさんが、ニコニコと手をぐわしぐわしと迫ってきます!

 視界の端には、ピクピクしてるテッソさんが、、

 ツボマッサージは、やばい! 

 「あのっ!カティナさんのことで!!」


 「カティナちゃん?」


ーーーーーー


 「なるほどねぇ。それは、だめだめね。」


 「そうですよねぇ、、」


 サリュンさんに、さきほどのカティナさんとのやりとりを説明して、何かアドバイスや稽古をしてもらえないかと聞いてみたら、やっぱりだめだめでした、、

 ムーリちゃんは、僕の説明に飽きたのか、途中からどこかに行ってしまいました。


 「ソウマ君が、優しい人なのは、わかる。だけど、今回に限って言えば、優しさ以前の問題なのよね。まず、根本的なことだけど、私とカティナちゃんは、流派が違う。これがねぇ、なんていうか、たぶんソウマ君が思ってる以上に、難しいことなのよ。」


 「流派の違い、」

 なんとなく聞いてたけど、流派ってそんなに違うんだ。空手と柔道てきな??そういえば空手の中にも、流派みたいなのがあるってテレビで見たかも。


 「そう。恐らく、道場にいたフレイト先生も、稽古はしても、技術的な指導はしてないはずよ。一種のタブーみたいなものだから。それになにより、カティナちゃんは、もうすぐマイルトンに帰っちゃうでしょ?ソウマ君が元気になれば。だとすれば、心の問題に、そんな簡単な答えはないし、中途半端に私が何かしない方がいい。」

 流派の違いって、そんなに厳しいのか、、


 「、、なんとなく、そうわかってはいたんですけど、、カティナさんが、毎日素振りを頑張ってる姿を見ていたし、ずっとお世話になりっぱなしで、何か少しでも力になりたくて。」


 「それは、わかるわよ。私だって、力になれるなら、なってあげたいもの。だけどね、私は、こう見えても、クラスランジ流免許皆伝の身。誰かに指導することは、それ相応の責任が生じてしまう。おやつを摘まむような感覚で、誰かに指導することはできないのよ。特に、カティナちゃんくらいの年齢の人にはね。それも、理解してちょうだい。」


 「そうですよね。、、わかりました。カティナさんには、ちゃんと説明を」


 「待って。まだ、話はここからよ。」


 「はい??」


 「ソウマ君。今、私は、流派が違うし、時間もあまり残ってないし、立場上からしても、直接指導することはできない。という話をしたのよ?」


 「、、、はい。ですから、カティナさんには、正直に僕が勝手にサリュンさんの言葉を借りて、言ってないことまで伝えてしまったと、謝ってきます。。」


 「ちょっとちょっと、ソウマ君。だからぁ~、私はカティナちゃんが強くなれない。なんて、一言も言ってないでしょ?」


 「え?、、、あ、確かに!!」


 「あらあら、やっと伝わったわね。改めまして、おほんっ!私が直接的に、カティナちゃんを技術的指導することはできないわ。だけど、それとは関係なく、ソウマ君がカティナちゃんに伝えた、『壁を越えたら、強くなれる』っていうのは、やり方を間違えなければ、少なくとも嘘じゃないわよ。」


 「ほんとですか!?」


 「ええ。カティナちゃんが、望むのならば。道場でも言ったでしょ?カティナちゃんは、気持ちの空回りがあるように見えるって。その空回りが、身体操作に悪影響を及ぼしてるんだとしたら、空回りをちゃんと噛み合わせればいい。それだけの話よ。後は、本人の練度次第。強い気持ちを、正しく練習に向けられれば、それって、とても強くなれそうじゃないかしら?」


 「はい!あ、でも、サリュンさんが教えることはできないんですよね?だとしたら、その、気持ちを正しく練習に向ける?って、どうしたら??」


 「ソウマ君がいるじゃない?」


 「、、、え!?僕が、カティナさんに教えるんですか!?無理です、ムリムリムリ無理でっ」

 チョップ。

 「あぅっ」

 サリュンさんの優しいチョップが、頭に


 「落ちつきなさい。そうじゃなくて。うーん、よし!さて、突然のクイズターイム!!今ここに、どこの流派にもまだ属してない、かつ、これから訓練をしていくことになる人がいると思うんだけど、さて誰のことでしょーか?」


 「はい?、、、えーと、僕ですか?」

 というか、ここには、サリュンさんと僕、ピクピクしてるテッソさんしかいないし。

  てか、テッソさん、まだ起きないけど、大丈夫なのかな??


 「はいっ!正解!!そして、ここが重要よ!もし、私が基本的なことをソウマ君に教えていて、それを仮にカティナちゃんが隣で聴いていて、自分に活かそうとしたとしても、それはカティナちゃんの自由だし、私は直接指導はしてない。そう思わない?」

 

 「???えーと、よくわからないんですけど、それでいいんですか?建前てきな」


 「いいのよ!建前上等!もう、正直、流派のうるさいしきたりなんて、カビの生えたパンみたいなもんよ。ただ、私はいいけど、カティナちゃんの師匠筋は無視できないからね。まぁ、話を聴くくらいは、問題ないから、まずはそこからなんだけどね。」


 「な、なるほど。流派って、なんだか難しいんですね。えと、じゃあ、まずはカティナさんから、話を聞いて、それからサリュンさんが僕に指導してくださるのを、カティナさんが横で聴きながら、自分なりに取り入れていく。ってことでいいんですか?」


 「まっ、そんなとこね。じゃあ、早速行きましょうか!カティナちゃんが待ってるんでしょ?」


 「あ、はい!お願いします!、あ、でも、あの、テッソさんは、、?」


 「あら?あらあら、いたわね。そう言えば。もう、しょうがないわねぇ。起こして、帰ってもらわないと。そうね。準備もあるし、ソウマ君は先に行っててくれる?」


 「わ、わかりました。でも、あの~、テッソさんを手伝わなくていいんでしょうか?」

 さすがに、テッソさんが心配です!


 「うーん、そうね。じゃあ、そこまで手伝ってくれる?」


 「はい!!」


ーーーーーー


 サリュンさんに気付け薬を嗅がされたテッソさんは、飛び起きて、キョロキョロしてから、うん、なんかいろいろあったけど、玄関まで見送った僕に、『ごめんな、ありがと』と言って帰っていきました。

 その背中に、僕は無言で『頑張ってください!』と見送ったのでした。


 サリュンさんは、準備をしてから裏庭に行くそうなので、テッソさんを見送った足でそのまま玄関から出て、先に裏庭に行くことにします。


 「うーん!もっと、こーだよ!やー!」

 ムーリちゃんの声?


 「やー!こう?」


 「そー!カティナお姉ちゃん、かっくいい!」

 ムーリちゃんとカティナさんが、なにかやってるのかな??

 もうすぐ裏庭に出る頃に、声が聞こえてきました。


 「あ、遅かったね?」


 「ソウマだ!お話終わった??」


 「うん、終わったよ。あの、お待たせしました。サリュンさんは、準備してから、来られるそうです。」

 裏庭に出ると、カティナさんと目があって、一瞬緊張しましたけど、なんとか喋れました。


 「そっか。ありがとね。」

 カティナさんが、小さく微笑んでくれます。

 「いえ、、」

 それが、恥ずかしいような、申し訳ないような気持ちで、なんともいえません、、


 「ねぇねぇ、ソウマ!ソウマも、ムーリキックしよー!」


 「む、ムーリキック?」

 その単語を聞いただけで、ちょっとヒュンとなってしまいました。


 「今、ムーリちゃんから、ムーリキックを習ってたところなの」


 「ねー!カティナお姉ちゃん、ムーリキックがじょーずなんだよー!やー!」

 さっきテッソさんにやったのは、飛び蹴りだったけど、今のは普通の蹴りだ。でも、ムーリちゃんの蹴り、きれいなフォームなんだよなぁ。本当に、ムーリちゃん、僕よりも強い説あるな、、


 「やー!ちょっと、もう、なんか恥ずかしいなぁ。ソウマも、やりなさいよ。はい、やー!」

 カティナさんのムーリキックは、フォームは同じように見えるけど、さすが背丈があるぶん、迫力がありますね!


 「こうだよ!ソウマ!やーー!」


 「じゃ、じゃあ。、、やー!」


 「むぅぅぅ、ちがーう!こうだよ!やー!」


 「え、こう?やー!」

 ムーリちゃんをマネしながら、蹴ってみるけど、意外と難しいですね!


 「ちがうもん!からだのおもさが、ここ!キックのとき、ここ!ちがうの!」

 おもさ?ムーリちゃんが、自分の足元を指差しながら、教えてくれてますが、余計に混乱してしまって、

 「からだのおもさ??え?うん?ここ?」

 なんだか、さっきよりも、フォームが変になってる気がする!


 「違う違う。ムーリちゃんが言ってるのは、重心移動のこと。」

 重心移動!?ムーリちゃんが、重心移動を教えてくれてる!?なんと!!そういうことか!え、けど、どういうこと?


 「重心移動、えっと、あの、重心ってどこですか?」


 「そこからなの?あ、そっか、ソウマは、記憶がないんだもんね。じゃあ、そこに普通に立ってみて。」


 「こうですか?」

 言われたように、なんとなく肩幅くらいに足を開いて、普通に立ちます。


 「そのまま、全身を右側に少しだけ傾けてみて」


 「はい。こうですか?」

 言われた通りにやると、右足に体重が乗ってる感じがします。


 「うん。今は、ここ、右足に軸が来てて、これが重心。そのまま左も同じように。」

 カティナさんが、目の前に来て、指差しながら、重心の位置を教えてくれました。確かに、その縦のラインが、地面から身体に繋がってるような感覚があります。普段意識してなかったけど、なるほど、これが重心か。

 左も同じように動いてみます。


 「わかる?ここのラインに、軸があるの?」


 「はい。」


 「じゃあ、真っ直ぐ立ってみて。」


 「真っ直ぐ。こうですか?いや、もうちょっとこっちか?」


 「そ、そこね。今、ソウマの縦の重心は正中線、つまり、身体の中心に乗ってる。わかる?」


 「わかります!初めて意識してやってみましたけど、これが重心なんですね!ふぁ、すごいですね!なんか、武術っぽいです!」


 「どの流派でも、重心とか体軸は必ず習うから、覚えておいて、損はないと思うよ。」


 「さいしょ、まんなかね!キックのとき、ぱっとして、ぽんっ!やーー!わかる??」


 「えーと、こう?やー!」

 蹴る時に、後ろにくる足を引き付けて、前の足をぽんっ。って感じ?


 「おぉぉぉ、ちょっといいかんじ!もっと、ぱっとして、ぽんっ!ね!」


 「さっきより、いい。もっと、蹴りに重さを乗っけるといいよ」

 重さ?強さじゃなくて?重さを乗っける?


 「えーと、重心移動で重さを乗っけるってことですか?蹴りに?」


 「うん。蹴りにも、いろんな種類があるけど、ムーリキックは、重さを蹴りに乗っけるといいみたい。蹴りの瞬間に、膝を抜くといいかも。」

 膝を抜く!?


 「え、膝を抜くって、どういうことですか!?関節を外すとか、、?瞬間的に?え?ん?」


 「あ、そうじゃなくて、膝を少し曲げるの。えっと、こういう感じ」

 カティナさんが、僕の背後に回ってきて、後ろに至近距離で立たれました!?

 「え、カティナさん?あぅっ!」

 まさかの膝かっくん!?


 「今のは、大きく膝が抜けたけど、それをもう少し小さく、瞬間的にやるといいよ。」


 「なるほど。こんな感じかな?」

 自分で何回か、膝をカックンカックンやってみましたけど、これで合ってるのかな??


 「そー!ソウマ、ぱっのときに、おなかをきゅっとして、ぽんっね!」

 ムーリちゃん、きゅっとして!が増えたよ!?


 「む、難しい、、」


 「おぉ!やってるわねー!」


 「サリュンさん!」

 サリュンさんが、玄関の方から回ってきたみたいです。

 看護師さんの服から、ラフなシャツとズボンに着替えてこられたみたいです。シャツというか、確か、あれってチュニックだっけ?なんにしても、サリュンさんかっこいいです!

 手には、剣を数本持ってるみたいです。


 「いまね!ムーリキックおしえてたの!カティナお姉ちゃん、じょーずなんよー!」


 「あらあら、さすが、私の愛弟子ね!」


 「まなでぃしー!」

 愛弟子??!

 「え!?ムーリちゃん、サリュンさんの弟子なんですか!?」


 「そーだよー!まなでぃしーだよぉ!」


 「まぁ、と言っても、ちゃんと指導したことはないんだけどね。私が自主トレしてるところなんかを視てたみたいで、気づいたらマネされてたのよ。しかも、けっこう精度がいいのよねぇ。天才の片鱗かも。」

 

 「天才、、」

 カティナさん??ちょっとうつむいてる?

 そういえば、才能がないとかなんとか言ってたよね?うーん、もしかして、それがカティナさんの感じてる壁なのかな?


 「よし。じゃあ、始めましょうか!特別授業を!」


 「「はい!」」「あぃ!」


 サリュンさんの特別授業です!

 カティナさんが、少しでも元気になって、壁を越えるきっかけになれたら、嬉しいな!

 お世話になっている、恩返しに僕も頑張るぞー!!

 

テッソさん、、人間の急所はたくさんありますが、いったいどこの急所に跳び蹴りがクリーンヒットしたのか、謎は深まるばかりです、、ヒュン

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