#6 転生
精霊「あなたは死んでしまいました。ところで、転生って知ってます?」
やけに会話調で話されていたが、僕には意味がわからなかった。
ザカル?「僕は死んだのですか?喋れるみたいですが。」
精霊「うん。君の体はどこにもないよ。」
清々しいほどはっきりと死亡宣言された。呆れて信じてしまいそうだ。
精霊「あっ…自己紹介がまだでした。私の名前はフィーネ。終わりと始まりを司る精霊です。この調子じゃ信じて貰えないですよね。」
僕の理解を超える単語が次々飛び出し、脳がパンクしてしまいそうだ。
「転生ってなんですか?」
「ゲームとかでよくあることだけど?」
「ゲームって何?」
「ブッ」
ザカル?(笑われてる気がする…)
フィーネ「まあいいわ。説明してあげましょう。あなたは今、どこの世界にもいないの。それで、転生って言うのは、ある世界で生きてきた人が、何らかの原因で死んで、別の世界でまた人生を始めるという事ね。」
「なにその光ってる画面?」
ザザザザッ「なな、なんでもないわよ!」
ちょっと可愛らしくこちらを見つめて目で訴えてくる。
「とーにーかーくー!今からその転生ってのをやるんだけどー、君はどんなふうになりたい?」
(話しそらされた…)
「カッコよくて強いのがいい!」
「それで、なにかほしいものをひとつあげるんだけど何がいい?」
「仲間」
「それは無理よ!物でお願い!」
「じゃあ…その光ってるやつ。凄そうだし。」
「ちょちょ、ちょっと待って」パンパンシュッシュポチポチ
「わかったわ。それじゃ転生を始めるわね。それじゃ、行ってらっしゃーい!」
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ここは…? とりあえず街を散策することにした。
しばらく歩いていると、女の子が話しかけてきた。
セイラ「兄さんは何してるの?」
ザカル?「仕事を探しているんですけど…なんかこの状況まずくないですか?」
セイラ「いいからこっち来なよー!」
「ここだよ!」
セイラはあちらを指さす。と、一緒についてきた。
ザカル?「ありがとう。もう大丈夫。」
セイラ「私もこれから行くのよ!こう見えて19歳なんだからね!」
仕方がないので会話でもしながら一緒に行くことにした。