#14敵と敵(なかま)
ジャッカルや、他の人もフォンドに称賛した。力なき拳は、以前とは違う貫禄を持った称えるべき手だった。しかし、そんな喜びもつかの間、暗い洞窟の中を騒ぐのはそれこそ命取りだ。
冷静に考えると、このバトルで得たものよりも、失った代償の方が大きかった。まずはフォンド。意識を失っていてもう何も出来そうにない。つぎにキャメル。体力はもう風前の灯で、1発でも喰らえば即KOだ。つぎにジャッカル。ダメージこそないが、MPもかなり消費しているし、俄然一撃でKOだ。それを1人で背負わなければならないザクロはもう大変だ。例えるなら(そのままかもしれないが)HP1の味方を一体も死なせずに敵の城から帰還しなければならないという様子だ。
そんな中、ぎこちない敬語で誰かが話しかけてきた。
???「なにかお困りですか?」
ザクロ「はい…この3人を全員生きて返さなければならないんです。(ry」
???「それでは、私がお守りさせてみせましょう。」「給料はブルーエメラルド160g(5000タイルくらい)でお願いしますね(*^^*)」
『モンスターが現れた
???はモンスターに回転斬り!
モンスターは倒れた。』
すごい、一撃だ。どこかで見た事のある金髪がたなびいたと思ったらそれは呆気なくぶち壊され、カツラが下に落ちた。
???「あっ かつr…いえなんでもありません。」
ジャッカル「あなたは…申し上げにくいのですが男性ですか?」
???「ちっ、違う!!これはセットアップ用の髪で、中身は本当に女の子なの!」
ジャッカル「(全然声が男なんですけど…)」
???「漏れてる!心のこえ!」
???「仕方ない。僕がなんでここにいるか話そう。簡単にいえばローズナイツのスパイだ。セイラとは知り合いなんだろ?心配してここに来た訳だが。口ほどにもないな。」
いちいち口調がムカつくやつだ。(そういえば前にもあったような。)けど、事実は事実だった。