作者の凶器 ~狂気で出来る完全犯罪~
犯人の総合評価は上がった。いや、上がったなんて優しい表現ではない。
どう考えても上がる速度がおかしいのだ。鼠算式に増えていくそれは誰が見ても不自然であると思うだろう。
一日で、二日で感想が10、20と増えていく。
これは事件である。行き過ぎた狂気が巻き起こした事件ともいえる。
誰も犯人を止めることはできなかった。犯人は誰か分かっている。ただのしがない一般市民で、なろうの投稿者だ。
犯人の罪状は言うなれば脅迫罪。
幼く可愛い少女を人質に取った卑怯で下劣な事件である。
少女を知る者たちは警察に話した。だが、警察は動かなかった。理由は簡単で、彼らの狂気に振り回されるわけにはいかないからだ。
犯人の男は今も普段と変わらない生活を送っている。仕事をして、しがない一日を送っている。
誰も彼が凶悪な事件の加害者であると、そして現在も人質を取り続けていると思わなかった。
問題はこれで終わればよかった。だが、模倣犯が現れることで混沌と混乱が生じる。
人質の人数は増え、延べ数百人にも上った。人質に年齢は関係なく、老若男女問わなかった。人質が増えるたびに被害者たちは狂気を振りまき被害が大きくなる。
だが、それでも警察は動かない。犯人を捕まえない。
これは作家ならば誰でもできる簡単なことだ。故に脅しに屈してはならない。狂気に呑まれてはならない。このことを守れば被害者も減るだろう。
だから読者も、作者も気を付けてほしい。
キャラクターを人質に取った脅迫罪を。
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