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9話 ロドリゲス

今、玄関にロドリゲスがいます。

レッセイ様のところで一緒に働いていた同僚です、元。

そして、リード様は私の背中にべったりとくっついています。

ええ、それはもう鬱陶し…いえ、なんでもありません。


「それで、俺の妻に何のようだ?」

つ、つま?

「妻ではありません」

よね?

「ん?まだ、婚約中だったかな」

…いえ、もういいんですけどね。身分が違いすぎるとかないんですかね?


そして何かを察したらしいロドリゲス。

「それはそれは。大変お似合いでございますね」

だと〜?おもしろがってますわね〜?

顔が変なしかめっ面になってますわよ。


「そうだろう、そうだろう」

…ってリード様。さっきまでの警戒心はどこに?

こんな簡単に扱えるリード様に、不安を感じるのは私だけでしょうか?


「しかし、そうなりますと人手が足りないのではありませんか?」

「そうか?」

今のままで不満はないが…2人きりは楽しいし…


「ラブラブでございますね〜」

ぶふぉっ

笑いが隠れてませんわよ!


「しかし、現在全てのお支度を、奥様がされているのではありませんか?使用人が必要でございましょう。

あまり奥様に負担をかけるものではありませんよ」

無理な思案顔で言葉を続けられても。奥様、奥様って。


「それもそうだな。お前賢いな。名をなんという?」

「ロドリゲスと申します」

「では、ロドリゲス。あとは任せた」

「は」

って、おいおいおいおい。

ダメでしょう?それでは!

はじめて、レッセイ様と兄弟なんだな〜と思いましたわ。

これではいけません。


「リード様、会って間もない使用人を信用しすぎです」

「レッセイの所から送られてくる使用人は、大抵できるやつだからな。次の仕事を斡旋するのも苦労したことがない」

へ〜。

「でも、シーラはどこにもやらん」

へ〜。


「なんだかもう、リード様の愛人でいい気がしてきました」

小さく呟くと、ガシっと肩を掴まれました。

い、痛いですわよ。

「愛人なんてダメだ」

「でも、実際面倒くさいことになりますよ?」

「俺が貴族でなくなれば問題ないだろう?」

そうですけどね?

レッセイ様がいるので、リード様が平民になってしまえば確かに問題はないかもしれません。

今まで引きこもりだったんですものね。

影響力0だったんですものね。


あ、あれ?なんかリード様涙目ですわよ?


「では、その辺りもお任せください。今後の生活を含め、お2人が仲睦まじく過ごせるように整えて参ります」


ありゃ〜、なんか本家であったのかもしれませんね。

ロドリゲス、策士ですからね。


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