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8話 プロポーズ〜?

最近、リード様がおかしいのです。


私がお洗濯をしているとやってきて

「剣と体術だったら、どっちが強い方が好みだ?」

「乙女のピンチを救ってくださるのなら、どちらでもトキメキますわよ」

ハゲの奥様より強いかしら。アレは私のピンチでした。


料理をしているとやってきて

「髪や髭は切った方が好みか?」

「そうですわね。今のままで充分可愛らしいベアモンみたいですわよ」

男は全く感じませんけど。


お掃除しているとやってきて

「平民の男は家事を手伝うと聞いたが、何かやることはないか?」

「そうですわね。そこの窓は高いので私では届きません。拭いてくださると助かりますわね」

生活魔法でもできますけどね。


庭の水遣りをしているとやってきて

「領地をきちんと納めれば金も入るだろうが、金がある方が惹かれるか?」

「領民に好かれている領主様は尊敬しますわ」

自分のいる領地の領主がアホだと苦労しますでしょ?


入浴の準備をしているとやってきて

「俺の身体は好きか?」

「ええ、ひきしまった筋肉がおステキです」

っって!

私入浴中です!


スコーン!

リード様におもいっきり桶を投げつけました。


え?お風呂掃除と入浴を一緒にする方が悪いんじゃないかって?

やだ〜、ふるいですわ〜。

時短とエコは今どき大事なんですのよ。

服も汚れちゃうんだから、裸でお風呂掃除しちゃえば問題ないじゃないですか。


まあ、リード様のお部屋のお風呂なんですけどね、ここ。


入浴お手伝い用のワンピース、脱衣室にあったかしら?

あ、ありましたわ。

せっかくですから、リード様もお風呂と一緒に洗ってしまいましょう。

そうすれば、明日はお風呂掃除しなくてもいいですものね。

エコですわ、エコ。


当たりどころがよかったのか、いまだに意識の戻らないリード様の髪をゴシゴシします。

それにしても、こんなに髪、長くなくてもいいんじゃないかしら。

アワギリ石鹸も勿体無いですよね。

切っちゃおうかしら。

そうするとお髭もいらないですよね。

剃っちゃおうかしら。


…なんとなくリード様なら怒らない気がします。



チョキチョキ、ソリソリ。チョキチョキ、ソリソリ。

一皮剥けました。つるりん。


…切らない方がよかったかもしれません。

かわいらしいベアさんが、かわいらしいベアさんが。


ただのムキムキマッチョマンになってしまいました。


「うう、う?」

どうやらリード様が目を覚ましたようです。


あ、あら?起き上がって目を開けたリード様って。


思いの外、好青年ですわね。

レッセイ様とつながっているものを感じません。


「うぎゃあああ!」

っっっっびっくりしますわ!

間近でしげしげとお顔を拝見していましたから、鼓膜が破れるかと思いました。


「どうされました?!」

「か、髪が、ぬ、抜けた」

「髪は抜けておりませんわよ。短くなっただけです」

リード様が頭を触って確認しています。


「髪とお髭がふさふさのベアさんもかわいらしかったですけど、さっぱりとしたリード様はとてもかっこいいですよ。

さぞかしおモテになることでしょう」


あれ?またリード様、止まってしまわれましたね。

「リード様?」

お背中お流ししますよ。

立っていると洗いにくいのですけど、仕方ありません。彫像だと思って磨き上げることにしましょう。

最後にお湯で流してっと。

湯船につけて、5分くらいで上げればいいかしら?

麺みたいですわね。


ボッチャン!

「うお!」

「あ、気づかれました?温まったら出てきてくださいね」

石鹸や桶などを片付けて、出ようと思ったところでつかまれました、手。

「結婚してください」

って。って、ええええええっ!

「さっき、かっこいいって言ってくれただろ」

って。って、ええええええっ!


そんなつもりじゃありませんし!

そもそも、格好が、スッ裸のカッコウが言葉と一致しませんわ!

っていうか、パニックってますの?

私、パニクッてますわね。

「ケ、ケッコーンデスカ?」

ケッコーンってなんだったかしら?

何かおいしそうですわ。

「とってもお買い得だと思うぞ」

お買い得なんですの?

「それでしたら…」

「本当だな!」


あ、あれ?

結局のところ、どういうことになりました?






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