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3話 ごはんごはん

お風呂はどこかしら?

リード様のお部屋にあるかしら。

あ、ありました。黒ずんでますわね。


まあ、水道付きですわ。

流石お金持ちです。お水は出るかしら?

…出ませんわね。


ま、まあいいですわ。まずは、キレイにな〜れ!

なかなかのこびりつきですわね〜。

強い水圧と洗剤スペシャルですわ!

キレイにな〜れ!

ふ〜、元々の色が出てきましたね。

「ジェリー、残りをキレイにしてくれる?」

『は〜い』


さて、お風呂の掃除をジェリーに任せている間に、リード様のお食事をセッティングしましょうか。

お貴族様はのんびりした夕食ですものね。


まずは前菜のサラダ。ハゲのところからくすねてきたお肉で作ったローストビーフに、パン。

と、餞別に勝手にいただいてきたお酒でいいかしら?


明日は食料庫も探さないといけませんね。


食堂に戻ると、まだ椅子に惚けたリード様が座っています。

「リード様、お食事の準備ができました」

揺すっても反応がありません。

こういう場合はどうするってメイド長は言ってたかしら?

え〜と。


「きゃあああああ!ドロボーですわ!」

「なんだと!って、盗むもんなんかあるかい!」


なんだか、涙が出そうです。

レッセイ様と間逆の反応ですわね。


「リード様お気づきになられましたか?」

「…シーラ、ここは我が家の食堂か?」

「まあ、ボケましたの?」

我が家の食堂でなかったらどこの食堂だというのでしょう。

…これは俺が悪いのか?悪くないよな?


「おじいさんのように独り言なんて言ってないで、お食事をなさってください」

丁寧に並べると

「シーラの分は?」

「まかない室でいただきますわ」

同じものを用意してあるのですが、主と同じ食事なんて普通はいただきませんものね。


「明日から俺がいる時は同じものを一緒にとるように」

「え、よろしいのですか?」

「いい」

まあ、堂々と同じものをいただけるようです。

かわってますわね、リード様。

ですけど嫌いではありませんわ、本当に。


リード様は一口口に入れる度にため息をつかれています。

おいしくなかったかしら?

ハゲのところのお肉、よさそうだと思ったのですけど。

「シーラ、美味いな」

「ありがとうございます」

あら、好評価の方でした。よかったです。腐ったお肉じゃなくて。


「肉というのはこれほどまでにおいしくなるのだな」

「今までは、生肉でも食べてらしたのですか?」

「んなわけあるか!」

ですよね〜。

「外で火の中に放り込んで食べてるわ!」

わ、ワイルド〜。

「え〜と、今までお食事は外でされてましたの?」

「ラッピトとかベアモンとか狩って食べてたぞ」

「まあ!共食いですか?」

「お〜ま〜え〜は〜」

「これからは共食いされなくてもいいように、私がきちんと作りますね」

ちよっぴり涙目のリード様です。


…よく考えたら、こうした食事は何年ぶりだろう。人と話しながらの食事も。


またツッコミがくるかと思ってましたら、なんだか可哀想な呟きを聞いてしまいました。

そもそも、使用人と話しながらお食事しませんものね、普通。


そんなこんなで、ペロリと完食していただきました。

たくさん食べる男性はステキですわね。

リード様への好感度と、同情度がグイグイ上がっております。

あとは寝る前にお風呂、ですわ〜。




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